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2012年5月7日月曜日

原発ゼロ時代に挑む 運転46年 全50基が停止

引用ここから

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【社会】
原発ゼロ時代に挑む 運転46年 全50基が停止

2012年5月5日 07時07分

 国内で唯一運転中だった北海道電力泊(とまり)原発3号機(北海道泊村、九一・二万キロワット)が五日深夜に停止し、定期検査入りする。これで国内の商業用原発五十基すべてが止まり、一九七〇年春以来、四十二年ぶりの「原発ゼロ」になる。政府は関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を目指すが、安全面への不安から反対が強く、全国で電力需要が増える夏を初めて原発ゼロのまま迎える可能性も出てきた。

 北海道電力は五日午後五時から泊原発3号機の出力を少しずつ落とし、午後十一時ごろに発電を止める。

 六六年七月に日本で初めて日本原子力発電(原電)東海原発(茨城県東海村、廃炉作業中)が稼働してから、運転中の原発がゼロになったのは七〇年四月三十日から五月四日の五日間だけだ。

 当時、国内には東海原発と原電敦賀1号機(福井県敦賀市、三五・七万キロワット)の二基しかなく、その二基が定期検査とトラブルで停止した。その後は核の火が一時たりとも消えることはなかった。

 二〇〇〇年代には最多の五十五基に達し、総発電量に占める原発の割合も三割にまで上がった。だが、新規の立地が難しくなったことに加え、東京電力のデータ改ざん問題などで原発への信頼が揺らぎ、その後は下り坂になった。

 昨年の東京電力福島第一原発事故の時点では、今年四月に廃止された福島第一1〜4号機を含めて五十四基あったが、事故の後、一気に脱原発の流れが固まった。

 政府は将来、原発をなくす方針を示しているが、火力発電の燃料費高騰や原発依存度の高い関電管内での電力需給が厳しい問題もあり、当面は安全対策を確認した上で順次、再稼働する方針。

 まず大飯3、4号機の再稼働を目指しており、地元への説明を始めている。再稼働を認める基準をクリアしたとしているが、事故時に拠点となる前線基地の建設など時間のかかる対策は先送りしてもよいとの内容。住民説明会では、これで安全性が確保されたといえるのかといった不信の声が相次ぎ、福井県も簡単には同意を言い出せない状況だ。

 いったん原発事故が起きれば、広範囲に影響が及ぶことから、福井県に隣接する滋賀県や京都府、さらには関電の筆頭株主の大阪市も再稼働に厳しい姿勢を示している。

(東京新聞)


引用ここまで

原文は、東京新聞 ニュースサイトの中の
原発ゼロ時代に挑む 運転46年 全50基が停止
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012050590070719.html
です。
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ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

原発全停止、再稼働判断は誰の手に 大飯3、4号機は月内困難か

引用ここから

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福井のニュース  原発再稼働問題

原発全停止、再稼働判断は誰の手に 大飯3、4号機は月内困難か
(2012年5月6日午前9時09分)

福井県内の商業用原発の運転状況 福井県内の商業用原発の運転状況

北海道電力泊原発3号機が5日夜、定期検査に入り、国内の商業用原発が全て停止した。再稼働に向け国内で最も手続きが先行している関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐっては、地元による是非判断が焦点となっているが、消費地である関西圏の首長の反発と政府の対応を横にらみする状況で、再稼働の環境が整うにはまだ時間が掛かりそう。加えて、中長期的な原子力・エネルギー政策見直しの方向性が定まらないことと、夏の電力需給を見越した再稼働という短期的な問題とがない交ぜになり、出口が見通せないでいる。(伊豆倉知)

政府は4月、新たな安全基準を示し、大飯3、4号機の“安全宣言”をした。また、関電管内では夏場に15%程度の電力不足が生じるとの見通しを示している。枝野幸男経済産業相は14日、福井県を訪れ、西川知事と時岡忍おおい町長に再稼働への協力を求めた。

県は専門家でつくる原子力安全専門委員会で安全性を独自に検証中。おおい町では26日夜に住民説明会が開かれたが、安全性に対する不安の声が相次いだ。町会は週明けから、国による経済的な支援策なども含めて検討し、意見集約を始める方針。時岡町長は町会の議論と県専門委の検証結果などを踏まえ、判断するとみられる。

西川知事は、県専門委による安全性確認を前提に、町長と県会の意向を参考にして判断する。当初、関係者の間では「4月末に知事判断」との日程もささやかれたが、政府が説明を重ねても京都、滋賀両府県知事が慎重姿勢を崩さず、関電の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長も政府批判を繰り返す状況に不満を募らす県内関係者もおり、地元は一気に模様眺めの空気に転じた。

県の専門委は8日を含め複数回の会合を開く予定で、報告書をまとめる時期は見えていない。県会がいつ最終的な全員協議会を開くかも現段階では未定。知事は枝野氏と会談した際、政府の責任で関西の理解を求めるよう求めており、事態が進むかは政府の努力次第。ある県議は「判断のボールを誰が持っているのかもよく分からない」と苦笑するほどだ。

しかも、仮に地元の同意が得られ、政府が再稼働を最終判断しても、すぐに運転再開できるわけではない。長期間停止していたため起動準備には通常の約10日間より長い期間かかるとみられるからで、現時点ですでに5月中の再稼働は難しいとの見方も浮上している。


【関連の記事】
≫おおい町議会、再稼働で7日全協 是非で意見集約、複数回開催(5月4日)
≫大飯再稼働、迫られる難しい判断 町長と議会、民意どうくみ取る(4月28日)
≫再稼働住民説明会、不安の声続出 大飯原発、安全対策などに対し(4月26日)
≫40年超原発運転で県内首長賛否 福井、老朽化に懸念の声も(4月24日)
≫滋賀、京都知事「脱原発工程表を」 大飯再稼働で経産省副大臣と会談(4月23日)



引用ここまで

原文は、福井新聞 ニュースサイトの中の
【原発全停止、再稼働判断は誰の手に 大飯3、4号機は月内困難か】
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/34565.html
です。
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ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

きょう運転原発ゼロ 「再稼働判断影響ない」 おおい町長

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【福井発】
きょう運転原発ゼロ 「再稼働判断影響ない」 おおい町長
2012年5月5日

国内で唯一運転中の北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が五日深夜、定期検査入りし、国内に五十基ある全原発が停止する。停止中の原発は、安全性に対する世論の根強い不信感から、いずれも運転再開のめどが立っておらず「原発ゼロ」のまま電力需要が増える夏場を迎える可能性が出てきた。

原発ゼロを防ぐため、早期の再稼働もあるとみられていた関西電力大飯原発3、4号機の地元、おおい町。時岡忍町長は「どうということはない。なるべくしてなること」と静かに五日を迎える。再稼働受け入れの可否をめぐる自身の判断にも影響しない、と語った。

同町とともに政府に地元の意思を表明する立場の県も冷静だ。県幹部は「こちらは大飯原発のことを考えないと」と、関心は再稼働問題に向く。連休明けには県原子力安全専門委員会や県議会の会合が続き、県の判断へ準備は進むが、県幹部は「原発ゼロとは関係ない」と関連を否定した。

再稼働を目指す関電の関係者は「できるだけ早く再稼働してほしいが、全停止は気にしていない。そもそも震災後も動き続けていた原発の安全性が論じられていない。いったん全部止めて議論するなら分かるが」と再稼働へのハードルの高さに疑問を呈した。

「非常に危機感がある。電力不足をみんな甘く見ている」と厳しい口調で話すのは、敦賀原発(敦賀市)を運営する日本原子力発電の社員。同原発では原子炉直下の断層の危険性も表面化している。それでも同市の河瀬一治市長は、原発ゼロに対し「一抹の寂しさがある」と立地自治体の心情を吐露した。

逆に、脱原発に向けた象徴的な出来事とみるのは、反原発運動を続ける小浜市の明通寺住職、中島哲演さん(70)。「軍国主義が終わりを告げた一九四五(昭和二十)年の八月十五日のように、五月五日が原発政策の最後の日なればいい。こどもの日の最良のプレゼントになる」と期待を込めた。 (梅野光春)


引用ここまで

原文は、中日新聞 ニュースサイトの中の
【きょう運転原発ゼロ 「再稼働判断影響ない」 おおい町長】
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2012050502000140.html
です。
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原発50基が全停止 知事・東海村長に聞く

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2012年5月6日(日)
原発50基が全停止 知事・東海村長に聞く

国内の全原発から、「原子の火」が消える日を迎えた。史上最悪レベルの福島第1原発事故を経験し、日本の原発、エネルギー政策はどこへ向かうのか。わが国で「原子の火」が最初にともった本県の橋本昌知事、村上達也東海村長にインタビューした。

■橋本昌知事 各基ごとに方針を

「福島第1原発の大事故があった後だから、再稼働には安全の確約と国民の理解が必要。国民の多くが納得しておらず、全原発停止はやむを得ない」と評した。政府は4月、再稼働の可否を判断する新安全基準を決定したが、「決定プロセスが表に見えず、いきなり結論を示された感じ。データや過程、理由をオープンにしないと国民は納得しない」と、政府の拙速な政策決定に苦言を呈した。

3月の定例県議会で「全ての原発を再稼働あるいは廃炉とするのは、どちらも現実的でない。安全が確約でき、住民の納得が得られるものに限って再稼働を認めるべきで、それ以外は廃止していかざるを得ない」と述べ、自身のスタンスを「減原発」と表明した。

この1年間のエネルギーをめぐる議論について「原発と再生可能エネルギーの両極端に集中し過ぎている。今の急場をどうしのぎ、中長期にどういう方向を目指すのか、トータルな議論が必要」と提言。「(東海第2を含む)国内の原発50基それぞれについて、新安全基準に基づき再稼働を要請するのか廃炉にするのか、政府の考えはこうだと早く示せばいい。もやもやっとしたまま、何も決められずにいる現状が一番の問題」と指摘した。

■村上達也東海村長 国民の手で全廃炉

「(稼働中の)原発ゼロは脱原発に向けた決定的な節目だが、一方で国民が『ゼロになったから大丈夫』となるのが怖い」と指摘。「政府の大飯原発再稼働に向けたやり方は姑息(こそく)。全国50基の原発を全体的にどのように減らし、安全を担保していくのかを示さないまま、ストレステストが終わった順に再稼働を認めていくやり方では結局、全てを認めることにつながりかねない」と警鐘を鳴らす。

福島第1原発事故やその後の政府の対応などを受け、原発立地自治体の首長としては異例の脱原発を表明。「地震大国の日本に54基もの原発があるのは正気の沙汰ではない」などの発言を繰り返し、4月4日には国に東海第2原発の廃炉を求める意見書を提出した。

「昨年6月に海江田万里経済産業相(当時)が停止中の原発の再稼働要請を行ったと聞き、この国は原発を持つ資格はないと腹を決めた」と明かす。「福島には目をつぶって、ひたすら原発の再稼働を急ぐとは、本当にあきれた情けない国」と国の対応を非難する。

原発ゼロの維持に向け、「この夏をノー原発で過ごす決意が必要」と呼び掛ける。「国民の手で全原発の廃止、廃炉を勝ち取っていかなければならない」と訴えた。

用語解説:
ストレステスト  大飯原発  橋本昌

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引用ここまで

原文は、茨城新聞 ニュースサイトの中の
【原発50基が全停止 知事・東海村長に聞く 】
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13362266510222
です。
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の参考記事にさせていただきました。

全基停止 脱原発への足掛かりに

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社説
フロント > 最新の県内ニュース一覧 > 05月07日(月)

全基停止 脱原発への足掛かりに
05月06日(日)

 北海道電力泊原発3号機の定期検査入りにより、国内で稼働する商業用原発はきょう6日、ゼロになった。

 この状態で夏を乗り切ることができれば、脱原発の可能性は大きく広がる。政府と電力各社は省エネ促進と代わりの電源確保に手を尽くし、需給安定に努めてほしい。

 国内の商業用原発がすべて止まるのは1970年以来という。当時動いていたのは日本原子力発電の敦賀1号機など2基だけ。電力の多くを原発に頼るようになってからは初の事態である。

 原発を持つ電力9社は先日、全基停止を前提にした8月の需給予測を政府に提出している。2010年並みの猛暑になった場合には各社合わせて0・4%不足する、との内容だ。

 会社間の差が大きい。東京、中部など6社はそれでも余裕があるのに対し、北海道など3社は発電能力が追いつかない。中でも関西は16・3%足りなくなる。

 夏までにはまだ時間がある。節電努力は尽くされているか、代わりの電源をもっと増やせないか。言い換えれば「足りなくなる」という電力会社の説明は本当か、政府は詳しく調べて国民に説明してもらいたい。

 原発再稼働の是非を判断するのはそれからだ。

 仮に原発なしでこの夏を乗り切ることができたとしても、中長期となると難しい面も予想される。火力発電の安定性、電気料金の今後、経済への影響、温室効果ガスの問題…。広い視点からの検討が必要になる。

 3・11を経て、原発のこれからについては国民的合意ができたと言っていい。運転は必要最小限、短期間にとどめ、脱原発へ着実に進んでいく—。

 ドイツ政府は福島の事故のあと、国内の原発17基を2022年までにすべて停止することを決めた。電力需給は大丈夫か、電気料金が上がる心配はないか、異論、疑問がさまざまある中での決定である。今後、壁にぶつかる可能性を指摘する声もある。

 日本がドイツに続いて脱原発へ踏み出せば、各国の原発政策に及ぼす影響は大きい。ここしばらくの日本の取り組みは世界から注目されるだろう。

 在野の物理学者、山本義隆さんが近著「福島の原発事故をめぐって」で言うように、原発には基本的に人間の手に余る面がある。どうすれば脱原発へ軟着陸していけるか、3・11の衝撃をかみしめつつ冷静、沈着に見極めよう。


引用ここまで

原文は、信濃毎日新聞 ニュースサイトの中の
【全基停止 脱原発への足掛かりに】
http://www.shinmai.co.jp/news/20120507/KT120502ETI090006000.html
です。
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国内全原発が停止 立地地域、一様に理解

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国内全原発が停止 立地地域、一様に理解

 北海道電力泊原発3号機が5日深夜に定期検査に入り、国内の商業用原発の全50基が停止した。東京電力福島第1原発の事故から1年2カ月。県内では事故の収束に向けた作業が続き、今も双葉郡を中心に約16万人が県内外で避難生活を余儀なくされている。原発事故を契機に高まる「脱原発」の動き。双葉郡の住民から「原発は動かす必要はない」「今すぐやめるべき」と全停止を当然と受け止める声が示される一方、原発が雇用や地元経済を潤してきた現実を知る住民からは「原発ゼロ」の社会に複雑な思いも垣間見えた。
 二本松市に避難する浪江町商工会長の松崎俊憲さん(68)は「原発の安全神話は崩れた。福島第1原発事故は今も収束せず、解決していない。避難が続き将来の展望も開けない」と事故が地域に及ぼした甚大な影響を指摘し、「経済的問題で再開するのは慎重であるべきだ」と訴える。
(2012年5月6日 福島民友ニュース)


引用ここまで

原文は、福島民友 ニュースサイトの中の
【国内全原発が停止 立地地域、一様に理解】
http://www.minyu-net.com/news/news/0506/news8.html
です。
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国内全原発停止 「歓迎」「危機」県内の反応

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国内全原発停止 「歓迎」「危機」県内の反応 

写真
「こどもの日」に合わせ、市民グループが開いた脱原発のイベント=神戸市中央区三宮町1(撮影・大山伸一郎)


 国内の商業用原発50基のうち唯一稼働していた北海道電力泊原発3号機が5日、定期検査のため停止し、稼働する原発がゼロになる。政府は関西電力大飯原発3、4号機の早期再稼働を目指すが、周辺自治体などの反発で先行きは見えない。「原発ゼロ」をどう受け止めればいいのか。兵庫県内で暮らす人々にも重い問いを突き付ける。

 「未来ある子どものために、原発は今日で終わりにしよう」。神戸・三宮で5日、約20人の市民が声を上げながら、子どもたちに緑色のこいのぼりを配った。

 企画したのは「さよなら原発神戸アクション」。呼び掛け人の松本なみほさん(37)=神戸市北区=は「今日は記念すべき日。原発なしでも暮らせることを大人が証明しなければ」と話した。

 福島県大熊町から家族5人で神戸市内に避難する男性(38)も、原発ゼロを歓迎する。自宅は福島第1原発から約8キロ。大熊町には原発で働く住民が多く、自身も原発の関連会社で放射線量の測定をしていた。

 「(大飯原発のある福井県でも)生活のため再稼働を望む人は多いだろう」と想像するが、「再稼働すれば再び危険な原発で働く労働者が出る。一度の事故で、命と故郷を失うリスクをどう考えているのか」と、国の姿勢に不信感を抱く。

 関西広域連合は、関西電力が示す需給見通しについて「他社融通など、もっと上積みできるのでは」と疑問視し、関電の公表数字を検証するプロジェクトチーム(PT)を設置。メンバーを関電に派遣して詳しい説明を求める方針だ。

 一方、経済界には再稼働を望む声も。

 神戸商工会議所の大橋忠晴会頭(川崎重工業会長)は5日、「火力発電への依存によるコスト増で電気料金が値上げされれば、地域経済に深刻な影響を及ぼす」とのコメントを発表した。

 自動車業界向けの工作機械を製造する東洋機械金属(明石市)の片山三太郎社長は「再稼働してほしいが、今の世論では難しいだろう」とため息をつく。「仮に20%節電要請となれば、対策費は昨夏の倍」と、競争力低下に危機感を募らせる。

(木村信行、内田尚典、広岡磨璃)
(2012/05/05 22:30)

関連ニュース
    * 【全国・海外】国内の全原発停止、42年ぶり (2012年5月5日)
    * 【全国・海外】泊3号機5日に停止、原発ゼロに (2012年5月4日)
    * 【コラム】全原発停止/「脱依存」見極める一歩に (2012年5月4日)
    * 【全国・海外】大飯再稼働差し止め請求 (2012年3月12日)
    * 【全国・海外】2月の原発稼働率6・1% (2012年3月9日)



引用ここまで

原文は、神戸新聞 ニュースサイトの中の
【国内全原発停止 「歓迎」「危機」県内の反応 】
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005030167.shtml
です。
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全原発の停止 安全な未来への出発点に

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社説■ 

全原発の停止 安全な未来への出発点に(5月4日)

 東日本大震災まで日本の電力供給の3割を占めていた原発が送電を停止する日がやってくる。

 北海道電力泊原発(後志管内泊村)3号機があす定期検査に入り、国内の全原発50基が運転を止める。

 全原発の停止は、政府が議論を積み重ねた末に行った選択ではない。それどころか、政府はこの状況を避けようと、なりふり構わず再稼働を急いできた。

 政府の拙速な姿勢にブレーキをかけたのは、「できれば原発に頼りたくない」「再稼働は安易に認められない」という民意だろう。

 福島第1原発事故の惨状を目の当たりにした国民が、期せずして「原発ゼロの日」を実現させたと言える。

 私たちは、この日を原発のない未来に向けた真の意味での転換点としなければならない。

*脱依存の姿勢どこへ

 こうした民意を、政府は真摯(しんし)に受け止めているだろうか。

 枝野幸男経済産業相は「できるだけ早く恒久的に原発依存度をゼロにする」と強調するが、その言葉とは裏腹な事態が足元で進行している。

 エネルギー基本計画を見直す総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)で最近、2030年の電源構成について複数の選択肢が示された。この中には、原発比率が従来より高い35%の案も含まれている。

 こんなことが起きるのも、民主党政権の原発に対する姿勢が定まらないからだ。

 野田佳彦首相は就任時に脱原発依存の方向性を打ち出しただけで、目標達成に向けた具体的プロセスには一切ふれようとしない。むしろ姿勢が後退した印象さえ与える。

 最低でも、政府が示した寿命40年という新たな指針に沿って、危険で老朽化した原子炉から順次廃炉にしていく中長期の工程表が必要だ。

 併せて、再生可能エネルギーなどの代替電源を増強し、廃炉のスピードを早める努力が欠かせない。

 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が7月に導入される。

 事業者の背中を押し、普及を加速させるためにも、首相は脱原発に取り組む決意と展望をはっきり語るべきだ。

*拙速な再稼働は論外

 場合によっては、中長期の脱原発と、短期の電力需給を切り離して考える必要もあるだろう。

 あらゆる手を尽くしても電力が足りなければ、新たな規制機関が最新の知見を取り入れた基準で安全性を確認し、必要最低限の原発の再稼働を検討することになる。

 現状は、その段階ではない。電力各社は今夏の電力需給見通しを発表したが、あくまで「言い値」であり、じっくり検証する必要がある。

 何より福島の事故の原因も責任の所在も解明されていない。事故への責任を問われてしかるべき経産省原子力安全・保安院が再稼働の手続きを進めるのも論外だ。

 政府は手順を誤ってはならない。肝心な点をあいまいにしたまま、福島の事故の前と同様の甘い規制が再現されることには、強い危機感を持たざるを得ない。

 原発事故の取り返しのつかぬ被害を受けるのは周辺住民をはじめとする国民であり、途方もない損害賠償を税金や電気料金の形で負わされるのも国民なのだ。

*道の工程表も必要だ

 福島県は県内全10基の原発を廃炉にし、再生可能エネルギーを軸とした復興プランを描いている。

 北海道は風力、太陽光、地熱など再生可能エネルギーの宝庫だ。

 北電は、現在接続希望のある風力、太陽光発電の270万キロワット全量を受け入れるには、北海道と本州をつなぐ海底送電ケーブル「北本連系」などの送電網強化に7千億円かかるとの試算を公表した。

 風力、太陽光は天候によって出力が変動し、道内だけではその影響を吸収しきれない。北本連系を通じて、電力の大消費地である首都圏に変動分を送電することで不安定さを克服する。

 北海道を再生可能エネルギーの供給基地と位置づければ、公費による助成も可能だろう。

 送電網は文字通りの公共財となり、中立性を高めるため発送電分離を含む電力改革の重要性が増す。

 原発の廃炉と同じく、再生可能エネルギーの普及にも中長期の工程表がいる。道も交えた第三者機関をつくり、地産地消と道外への供給の両面から課題とコストを早急に検証しなければならない。

 脱原発の視点に立った条例を持つ自治体の首長として、高橋はるみ知事は工程表づくりを主導すべきだ。

 同時に、私たちは暮らしを見つめ直し、エネルギー消費のベースを下げる努力が欠かせない。原発ゼロ状態で節電と省エネに知恵を絞った経験は将来への財産となるはずだ。

 原発を他の電源に切り替える道のりは平たんではないだろう。全原発が停止する「こどもの日」を、将来世代に安全な環境を約束するための長い挑戦の出発点ととらえたい。

社説記事一覧
6日
    * 再生エネ発電 買い取り制で普及急げ(5月6日)
    * 道産ロケット 衛星飛ばす期待膨らむ(5月6日)



引用ここまで

原文は、北海道新聞 ニュースサイトの中の
【全原発の停止 安全な未来への出発点に】
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/369804.html
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全原発が停止/いったん白紙に戻し議論を

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社説

全原発が停止/いったん白紙に戻し議論を

国内の基幹電源だと言われ続けてきた割には、「脱原発」が意外にあっさりと実現した。
唯一稼働していた北海道電力の泊原発3号機が5日、定期検査に入って停止し、国内で稼働中の原発はついにゼロになった。先月まで原発の総数は54基だったが、現在は50基。事故を起こした東京電力福島第1原発の1〜4号機が廃止され、その分が減っていた。
全原発が同時停止する事態を迎えようとは、これまで誰も予想していなかったのではないだろうか。この結果を招いたのは、言うまでもなく福島第1原発事故だ。
炉心溶融(メルトダウン)と大量の放射性物質放出という最悪の原子力災害が現実に起きたことを思えば、全原発が停止してもそれほどの違和感はない。幸い停電や混乱もないことから、「原発を全廃しても大丈夫ではないか」と考える人が多いかもしれない。
もちろん原発ゼロと原発全廃は全く別の話だが、原子力なしでも当面の電力は確保できることが図らずも証明された。
やみくもに原発にこだわることは、もはや国民の理解を得られない。原子力依存からの脱却も含めて、真剣に検討すべき時期に差し掛かっている。じっくり白紙で議論する中から、結論を見いだしていくべきだ。
政府や電力各社が訴えてきた「30%の基幹電源」は、原発なしでは電力の安定供給ができないかのような印象を与えてきたが、30%は発電実績を示しているにすぎない。電力各社が持つ発電能力(設備容量)の30%を原発が占めているとも取られかねないが、そうではなかった。
資源エネルギー庁のデータによると、国内の10電力を合わせた電源別の設備容量(ことし2月)は、火力が全体の60.4%と圧倒的に多く、原子力22.3%、水力17.1%と続く。
設備的には水力と大差ないのに発電量が全体の30%になるのは、原発をできるだけフル稼働させ、その分、火力発電所などを調整用として使ってきたからだ。電力の消費量は増減するため、それに対応して発電量の調節も必要になる。
電力各社の経営を考えれば、調整用に使わない原発は確かに「基幹電源」だろうが、設備容量の点では火力の方がずっと大きい。
現に福島第1原発事故後、電力各社は主に火力で原発の分を補い、問題なく電力を供給してきた。ただ、天然ガスなどの燃料費は高騰しており、このまましばらく原発ゼロが続いた場合、夏場の電力需給とともに収支悪化の問題が浮上してくる可能性はある。
仮にその打開策が必要だとしても、原発再稼働に即座に結び付けるべきではない。同様に電力需給が逼迫(ひっぱく)するからといって即、ゴーサインとはならない。
この1年で、原子力に対する国民のまなざしは格段に厳しくなった。安易に原発に頼る姿勢は信頼を得られない。まさに「ゼロベース」で見直す時だ。

2012年05月06日日曜日



引用ここまで

原文は、河北新報ニュースサイトの中の
【全原発が停止/いったん白紙に戻し議論を】
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/05/20120506s01.htm
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

揺らぐ再稼働 —原発ゼロ 東北から問う(上・中・下)

引用ここから

揺らぐ再稼働 —原発ゼロ 東北から問う(上)反発/「安全誰が信じるのか」

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福井県敦賀市長ら原発立地市町村長らと枝野経産相(右)を訪ねた井戸川町長(左)=4月9日


 国内の商業用原発で唯一運転していた北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が5日、定期検査のため停止する。50年近い日本の原発の歴史で、異例の「原発ゼロ」状態となる。焦る政府は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を急ぐが、福島第1原発事故の爪痕は深く、反発は強い。原子力施設に地域の未来を託す青森県などは不安を募らせる。原発再稼働はどうなるのか。東北の実情を追い、課題を探った。(原子力問題取材班)

◎検証途上政府に不信

「再稼働は危うい」
 4月9日、東京・霞が関の経済産業省。福島県双葉町の井戸川克隆町長が枝野幸男経産相への要望を終えた後、こう本音を漏らした。
 全国の原発立地市町村の首長ら13人が顔をそろえ、福島第1原発事故を受けた被災地支援や防災体制強化を求めた。大飯原発への政府の対応が急展開するさなかであり、話題は自然にそちらに向かう。

<冷めた町長>
 枝野氏の意向を確かめたい首長らの中で、井戸川氏は冷めていた。
 福島第1原発が立地する双葉町は約7000人の全町民が避難し、仮役場を埼玉県に設けた。
 「こんな目に遭わせて…。事故を起こしたままの体制で、安全と言っても誰が信じるのか」。井戸川氏には、あきらめといらだちがにじんだ。
 この日、関西電力が大飯原発の安全対策工程表を枝野氏に提出。政府は安全基準に「おおむね適合している」として同日中に工程表を了承した。原発がないと関電管内でピーク需要に対し供給力が19.6%不足し、火力発電の燃料コストが増加するとの試算も示した。
 「経済性ありきで、国民の命を無視した話だ」、「事故の検証を優先してほしい」。福島県の原発立地地域の住民からは厳しい声が飛ぶ。
 国会の事故調査委員会が4月21、22日、会津若松市などで避難者を対象に開いたタウンミーティングで大飯原発の政府対応をめぐり批判が相次いだ。
 同市に避難しながら委員を務める福島県大熊町商工会長の蜂須賀礼子さんは「再稼働はまだ早い。私たちのような避難者が再び出るとつらい」と、住民のいらだちを代弁した。

<被害広範に>
 福島の事故は、原発事故の被害が立地地域だけでなく、広範にわたることを証明した。大飯原発の問題では、地元の福井県に隣接する京都府や滋賀県が異を唱え、大阪府・市も「原発100キロ圏内の都道府県との安全協定締結」を再稼働条件の一つに挙げている。
 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)から「100キロ圏」には岩手県南も含まれる。達増拓也岩手県知事は「安全だと思っても事故は起きるというのが福島の教訓。その時にどう収束するか、どう命を守るかが先に来るべきだ」と指摘する。
 福島県からの避難者が約1万3000人と全国で最も多い山形県の吉村美栄子知事も、政府の動きを「性急」と述べ、「福島事故の検証が終了し、それを踏まえてあらゆるリスクへの安全対策が講じられることが必要」と強調する。
 東北でも反発が強いのは、新たな原子力規制組織すら発足できない中で、再稼働を急ぐ政府への不信があるからだ。そこには、未曽有の原子力災害が忘れ去られることへの危機感が重なる。
 佐藤雄平福島県知事が4月12日、報道陣から政府対応への認識を問われ、言い放った。「被災県としてじくじたる思いだ。原発事故は進行中。事故の厳しい実態を分かっているのだろうか」
 政府はその翌日、大飯原発の再稼働を「妥当」と判断した。

2012年05月04日金曜日


揺らぐ再稼働 —原発ゼロ 東北から問う(中)警戒/青森国策転換けん制

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使用済み核燃料再処理工場には、各地の原発から大量の使用済み燃料が運び込まれている


 青森県下北地方5市町村の首長らが集う会議で、タブーとされてきた言葉が飛び交った。
 むつ市で4月24日に開かれた下北総合開発期成同盟会。大間町の石戸秀雄議長が「避難道の整備が遅々として進まない。このままでは地元の理解を得られない」と訴えると、賛同意見が続いた。
 大間町では電源開発大間原発の建設が中断している。運転停止中の東北電力東通原発1号機(東通村)の再稼働を意識した発言だ。

<タブー一変>
 あってはならない原子力災害を想起させる、という理由から「避難道」の議論は避けられてきた。それを一変させたのが福島第1原発事故だ。
 下北半島は原子力関連施設が集中立地するが、半島を南北に通る幹線道路は幅の狭い国道2本だけ。災害で寸断されれば孤立する恐れもある。避難道とされた下北半島縦貫道の建設は計画の2割しか進んでいない。
 「原子力安全神話は崩れた」。むつ市の宮下順一郎市長はこう言い切り、避難道の早期整備による安全確保を訴える。
 福島の事故後、下北でも風向きが変わった。だが、原子力と密接にかかわってきた青森県の自治体が、脱原発に転換したわけではない。
 「エネルギーを維持するのに原発の再稼働はやはり必要だ」と東通村の越善靖夫村長は言う。
 電源立地3法交付金や固定資産税収入を財源に建てた施設の一つとして、この春、村内の幼稚園・保育園を統合した「こども園」がオープンした。教育の充実や子育て世代の定着に、こうした財源は今後も欠かせない。
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働をめぐる論議では、電力消費地の声が強調され、供給地が置き去りにされていると感じる。「地域として国策に協力し、エネルギー生産地であることに村民は自負を持っている」と語り、立地自治体への配慮を求める。
 北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が5日に定期検査に入り、国内の全原発が停止状態となる。六ケ所村は「原発ゼロ」が試運転中の日本原燃の使用済み核燃料再処理工場へ及ぼす影響を注視する。

<たまる一方>
 再処理工場で使用済み核燃料から取り出すプルトニウムは、ウランと混ぜて原発で燃やす「プルサーマル」で使う。原発が動かなければ、足踏みを迫られる。貯蔵プールには、各地の原発から運び込まれる使用済み核燃料がたまる一方だ。
 青森県は「エネルギーの安定供給は極めて大事。ぶれのない国家戦略を打ちだしてほしい」(三村申吾知事)との姿勢。六ケ所村の古川健治村長は「再処理工場を抱える村として、原発の再稼働は必要だ」と言う。
 風向きの変化を警戒し、国策変更の動きをけん制する。
 一方、東北電力女川原発が立地する宮城県女川町は、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた。須田善明町長は「まだ再稼働を議論する段階にない」と語る。
 その上で「運転停止が長期化すれば、雇用が大変になる」と懸念し、「防災計画の見直しが必要になる。避難路の整備を国が行うべきだ」と国に注文を付ける。

2012年05月05日土曜日


揺らぐ再稼働 —原発ゼロ 東北から問う(下)不安/安全対策、政府先送り

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佐藤知事(左)に提言書の内容を説明する嘉田知事(中央)=4月18日、福島県庁


 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働には、隣県から反対の声が上がった。
 渦中の一人、嘉田由紀子滋賀県知事が4月18日、福島県庁に佐藤雄平知事を訪ねた。津波被災地に植えるマツの種の寄贈という本題もそこそこに、嘉田氏は京都府と共同で前日発表した提言書を差し出した。
 提言書は、福島第1原発事故の教訓を徹底的に踏まえた安全対策の構築などを政府に求めた。
 「福島の1年は何だったのか。犠牲を無にしてはいけないという気持ちでまとめた」と嘉田知事。佐藤知事は「同じ思いだ」と賛意を示した。

<滋賀も30キロ圏>
 国の原子力安全委員会は3月、防災重点地域を原発の8〜10キロ圏から30キロ圏に拡大し、30キロ圏を事故の進展に応じ避難する「緊急防護措置区域(UPZ)」に設定した。原発と無縁だった滋賀県も30キロ圏に含まれ、「万が一の時はいや応なく被害を受ける」(嘉田氏)と意識を一変させた。
 不安と危機感が広がったのは、大飯原発の周辺に限らない。
 「事故が起きれば地域の存亡に関わる」。宮城県美里町議会は3月、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に反対する意見書を可決した。美里町はUPZに該当する。
 佐々木功悦町長は議会と歩調を合わせるように「福島で多くの人が苦しんだ現実を直視すべきだ。経済性ではなく、住民の安全を守るという視点が重要」と訴える。
 宮城県内では登米、岩沼、名取の各市議会も、脱原発や女川原発の再稼働に慎重な対応を求める意見書を可決した。
 安全対策の工程表が安全基準におおむね適合したとして、政府は大飯原発再稼働に踏み出した。
 しかし、事故時の収束作業の拠点となる免震重要棟建設や、住民の避難計画を含む防災対策など先送りした課題が多い。福島事故で全く機能しなかった原子力災害対応拠点「オフサイトセンター」の見直しも不透明だ。
 原子力安全委の業務を引き継ぎ、4月に発足予定だった原子力規制庁は、関連法案審議の遅れで設置のめどすら立っていない。この影響で四国電力伊方原発(愛媛県)の再稼働に向けた安全評価は、宙に浮いている。
 宮城県の防災計画改定に携わった若林利男東北大名誉教授(リスク評価・管理学)は「国民の信頼を得られるような独立性の高い原子力規制庁は早期に整備すべきだ」と主張する。

<「空白の1年」>
 規制組織が発足しないと防災指針作りも進まず、宮野廣法大大学院客員教授(システム工学)も「規制の空白は作ってはいけない」と指摘する。
 事故を前提とした対策の必要性を挙げ「原発立地地域に具体的な事故のリスクを説明し、避難訓練を行うなど地域の防災が何より大事なのに、政府はこの1年何をやってきたのか」と嘆く。
 「再稼働判断に福島の事故の反省は生かされたのか」「住民は安全に避難できるのか」
 4月18日に都内であった国会の事故調査委員会。委員の畳み掛ける質問に、参考人として呼ばれた経済産業省原子力安全・保安院の深野弘行院長は、時折答えに窮した。
 終了後の記者会見で、黒川清委員長(元日本学術会議会長)は「安全に稼働するために必要な対策が先送りされている」と指摘した上で、疑義を呈した。「住民の健康・安全を最優先に多層の安全対策をすべきではないか。政府の判断基準は原発の安全を確保するに十分なものなのか」

2012年05月06日日曜日


引用ここまで

原文は、河北新報 ニュースサイトの中の
【揺らぐ再稼働 —原発ゼロ 東北から問う(上)反発/「安全誰が信じるのか」】
 http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1090/20120505_05.htm
【揺らぐ再稼働 —原発ゼロ 東北から問う(中)警戒/青森国策転換けん制】
 http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1090/20120505_06.htm
【揺らぐ再稼働 —原発ゼロ 東北から問う(下)不安/安全対策、政府先送り】
 http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1090/20120506_01.htm
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

原発ゼロ 決意と懸念

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原発ゼロ 決意と懸念


2012年05月06日

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玄海原発近くでは、「原発ゼロ」を記念して、風船が飛ばされた=玄海町と唐津市鎮西町の境


5日深夜、国内の原発50基すべての発電が停止する。「地域経済への影響が心配」「暮らし方を変えるきっかけに」。玄海原発を抱える県民は、「原発ゼロ」の日を、様々な思いで迎える。

玄海町の九州電力玄海原発近くでは、市民団体の玄海原発対策住民会議などが集会を開き、藤浦皓会長は「原発が止まったままの状態が続けられるようしたい」とあいさつ。約40人の参加者から「今日を『原発ゼロ』の誕生日にしよう」「自然エネルギーへの転換を」などの声が上がった。
その後、玄海町と、隣接する唐津市鎮西町との間にかかる外津(ほかわ・づ)橋に移動。玄海原発を背景に、「地域の未来のために原発はいらない」などと書いたメッセージをぶら下げた風船を一斉に飛ばした。
佐賀市のJR佐賀駅前では、「玄海原発プルサーマル裁判の会」のメンバーが「原子力はいらない」と書いたビラ500枚を配った。石丸初美代表は「この日を機会に、今まで以上に原発は必要ないと訴えていく」と話した。
古川康知事は、報道機関から「原発ゼロ」に関してコメントするよう求められていたが、応じなかった。
4月23日の定例記者会見では、「すべての原発の発電が止まる瞬間を非常にシンボリックにとらえているわけではない」と語った上で、「必要な電力の供給がなされることが何よりだが、一日も早く再稼働しなければならないと考えているわけでもない」と述べている。

有機農家・田中一平さん
5年前から佐賀市富士町で有機農業を始めた。世の中にも、体にも、いらないものは使わない農業にこだわってきた。
原発への関心が高まったのは、玄海原発でプルサーマル発電が始まる前、チェルノブイリ事故の調査にあたった藤田祐幸さんの講演会に参加し、「どう考えても危ない」と思ってから。2009年11月、プルサーマルの試運転が始まったとき、畑から玄海の空を見上げて感じた恐怖感は、今でも鮮明に覚えている。
今年2月、地元の9家族と自然エネルギーの活用を目指す「えねっこ」というグループを立ち上げた。月に1度、勉強会を開き、実際に太陽熱温水器を作ったり、菜種油の活用を考えたりしている。
原発の全基停止を機会に、無駄なぜいたくを振り返り、消費量自体を減らすという前向きなチャレンジをしていきたい。

主婦・江下千恵さん
2年前、商社勤めの夫と4人の子どもと、佐賀市中心部の団地から大和町の山あいの古民家に引っ越した。第1子の妊娠後から、合成洗剤や防虫剤のにおいなど、化学物質に触れると息苦しくなる過敏症になって、自然豊かな場所で子育てをしたいと思ったから。
「化学物質は使わざるを得ない」と思っていたが、過敏症になってから洗濯物は真水、食器はアクリルたわしで洗うようになった。なきゃないで全然OKだ。
原発も同じだと思う。必要不可欠と思い込んでいるだけで、使わないと決めれば新しい方法を生み出せる。そうすれば、原発を再稼働する必要なんてないはずだ。震災後から節電を始めた。昼は電灯を消し、夜も1カ所に限ったら、使用料金が前月比で800円減った。一家庭の使用量なんてささやかだが、何万世帯と集まれば大きいはずだ。

映画館支配人・重松恵梨子さん
昨年6月、フィンランドに建設中の高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場の安全性を考えるドキュメンタリー映画「100,000年後の安全」を上映した。福島の事故後、玄海原発がある県内での上映に意味があると考えたからだ。
でも、先行して評判になった東京ほどには人が入らなかった。原発に対する危機感が佐賀の人は薄いと感じた。
映画館は映写機などにかなりの電気を使う。国や電力会社は「原発がないと電気が足りなくなる」と言っていたが、実際は停電もしていない。原発以外の方法でまかなえるのであれば、原発に頼らない電気で上映したい。
映画は娯楽として楽しむのが一番だが、テーマを設定して問題提起をする役割もある。今後も、原発やエネルギーなど様々な問題を考えるきっかけとなるものを上映していきたい。

佐賀商議所・島内正彦専務理事
今後、計画停電や電気料金の値上げにつながるのではないか。大手企業の影響は大きいだろうが、大手はコスト増を価格に転嫁したり、海外展開で人件費を抑えたりできる。2500以上ある会員の中小・零細企業は逃げられない。特に佐賀県にとっての生命線である製造業に計画停電や値上げは極端に応える。地域経済の鈍化が一層厳しいものになると心配している。
東日本大震災が起きるまでは九州内の電力の4割を原発に頼っていた。今のところ原発の経済性は無視できない。科学技術と国が安心、安全をきちんと担保するなら、動かしてもいいんじゃないかと思う。10年、20年かけて、無理せずにソフトランディングさせていくことが必要だ。
国の方針もフラフラしていて、いまだに原子力規制庁もできない。早く、原発を含めた電力の安定供給の仕組みを明確にすべきだ。


引用ここまで

原文は、朝日新聞 ニュースサイトの中の
【原発ゼロ 決意と懸念】
http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001205060001
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

【国内原発 全基停止に思う】 (上・中・下)

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【国内原発 全基停止に思う】(上)
2012年05月04日
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渡辺登・新潟大教授(政治社会学)


 北海道電力泊原発3号機が5日に定期検査のために運転を停止し、国内の原発すべてが止まる。「全基停止」にあたって、東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県でも様々な思いが交錯する。原発再稼働の是非に関心が高まる今、まずは「原発と民意」をめぐる動きを追い、考えてみる。

     ◇

 柏崎刈羽原発の稼働を巡る県民投票の実現をめざす市民団体「みんなで決める会」がこの春、発足した。福島第一原発の事故で原発への関心が高まったのを背景に「主権者として、大事な問題は自分たちで決めよう」と訴える。県民投票条例の制定を県に直接請求するための署名集めを7月に始める予定で、署名を集める受任者を募っている。

 関川村、新潟市、上越市などの有志が中心になって立ち上げた。市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」事務局長でジャーナリストの今井一さんが2月に県内を講演して回った後、参加者が「県民投票をやりたい」と声を上げたのがきっかけだった。

 メンバーは3月と4月に今井さんを招いて新潟市内で勉強会を開き、条例案を起草しながら30人前後の会合を重ねている。

 直接請求は地方自治法で定められた手続きで、有権者の50分の1の署名を集めることが条件だ。請求を受けた自治体の首長は、議会に審議をさせる。県選挙管理委員会によると、県内の有権者は3月2日現在で195万9234人。約4万人の署名が必要だ。

 署名活動をできるのは2カ月間で、どれだけ多くの受任者が活動するかがかぎを握る。今井さんのグループは各地で原発住民投票の実現をめざし、大阪市では条例制定の直接請求をしたが、3月に市議会で否決された。東京都への直接請求に必要な署名集めも達成している。

 「みんなで決める会」は13日午後1時から長岡市のアオーレ長岡で集会を開く。連絡は近美千代さん(090・5818・4050)へ。(吉武祐)

     ◇

【安全性への関心 県内はまだ希薄】

 旧巻町(新潟市西蒲区)で1990年代半ばにあった原発建設の住民投票を研究した新潟大の渡辺登教授(政治社会学)に福島の事故後の住民の動きを聞いた。

——「全基停止」をどう受け止めますか。

 電力の基盤とされてきた原発がすべて止まる前代未聞の出来事です。それでも私たちの生活は変わらない。原発が本当に必要なのか、考え直す時期に来ているのではないでしょうか。

 ——福島の事故以降、印象に残った市民の動きはありましたか。

 作家の大江健三郎さんらの呼びかけで、昨年9月に東京都で約6万人が集まった脱原発集会がありました。新宿区で約1万人がデモ行進をしたり、全国で原発反対の署名が集められたりしています。いずれも、今までこうした運動をしてこなかった若い人や主婦が参加しました。

 ——県内ではどうでしょう。

 原発に関心を持つ人がまだまだ少ないと感じます。弁護団が呼びかけて柏崎刈羽原発の運転差し止め訴訟を起こしたり、県民投票を目指すグループができたりしましたが、これまで原発に反対してきた人たちが中心になっています。

 震災がれきの受け入れ問題で声を上げたり、学校給食の放射性物質検査に関心を持ったりする人はいますが、なかなか「新潟には世界最大の原発があり、その安全性も考えねばならない」と結びつかない。

 ——旧巻町の東北電力巻原発建設計画をめぐる動きとの違いは何ですか。

 酒造会社や木材卸業などその地域に根を張る自営業の人が中心になって、一人ひとりが「原発に頼ったときに町はどうなるのだろう」と将来を真剣に考え、どうしたらみんなが投票してくれるかを考えました。反対、推進の運動をしたことがない人たちが動き、実現した住民投票だったので、住民の「意思」がはっきり伝わりました。

 ——県内で原発の再稼働問題にどう向き合えばいいのでしょう。

 食べ物の放射能汚染や夏の節電など、原発に関係する身近なことを考えてみたらいいと思います。新潟には福島県から避難している人がたくさんいるので、話を伺う機会があれば、耳を傾けるのもいいと思います。原発と自分の生活がどれだけ密接に関わっているのかを知る。そこから始めてはどうでしょうか。(聞き手・富田洸平)


【国内原発 全基停止に思う】(中)
2012年05月05日
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反原発活動続ける農家・金子貞男さん


 福島第一原発事故を受け、県が原子力防災計画の見直しを進めている。大きな変更点は、柏崎刈羽原発から半径10キロとしていた防災対策の重点区域を、県内全域まで広げることだ。福島の事故の影響の大きさに、「原発は柏崎市と刈羽村の問題」という認識は消え、県や各市町村にも「当事者」としての危機感が強まっている。

     ◇

 柏崎刈羽原発で大事故が起きたら、重点区域内でどう濃淡をつけるか。県が先月まとめた暫定案は、原発から5キロ圏はすぐに避難する「即時避難区域」、5〜30キロ圏は放射線量が一定レベルになったら避難する「避難準備区域」とした。ここまでは政府の原子力安全委員会が3月にまとめた指針の改定案と同じだ。

 事故の規模などに応じて屋内避難や安定ヨウ素剤を服用する「屋内退避計画地域」の範囲について、原子力安全委は明確にしていないが、県は30〜50キロ圏とした。ヨウ素剤備蓄計画をつくり、放射線量に応じて対策をとる「放射線量監視地域」は県内全域に。山田治之・県防災局次長は「福島の事故を前提としたらこれでも大丈夫か、という意識もある」と話す。

 県内の各自治体の意識も一変した。長岡市の森民夫市長が代表幹事となって、新潟、上越両市と昨年9月に立ち上げた「原子力安全研究会」には、現在全30市町村が参加する。住民への避難指示を巡り、県の案を修正させたこともある。

 県の計画は、改定される政府の指針や、それに沿ってまとめられる政府の防災計画に基づかねばならないが、震災は待ってくれない。泉田裕彦知事は「やれる範囲で進めていく。国もついてくるでしょう」と語り、政府が指針をまとめる際、立地地域の意見を反映するよう働きかけていく方針だ。(勝見壮史)

     ◇

【被曝防げぬなら原発撤退方針を】

 柏崎刈羽原発から約30キロの長岡市寺泊で長年、反原発活動をしてきたコメ農家の金子貞男さん(56)に、原子力防災の見直しについて聞いた。

 ——3月に「原子力防災を考える長岡市民の会」を立ち上げましたね。

 現行の県の地域防災計画は重大事故の現実味を想定しておらず、備えとして甘い。怖いのは地震なのに、2010年度の防災訓練では大雪と原子力災害の複合災害を想定するなど、いい加減でした。

 反プルサーマル運動のグループらで、長岡市に10年以上にわたり、独自の原子力防災計画をつくるよう申し入れてきましたが、ひとごとのような態度でした。「3・11」後、市町村レベルで研究する動きが出てきましたが、「市民にとって防災とは何か」を腰を据えて考えたいと思い、会をつくったのです。

 ——国や自治体の取り組みの何が問題ですか。

 福島第一原発の事故で、半径250キロ圏でも放射性セシウムによる空間放射線量が年間1ミリシーベルトを超すレベルになっている地域もあります。政府は防災指針を見直していますが、「健康に確定的影響がない範囲に被曝(ひ・ばく)を抑えよう」という立場は変えていません。市民を完全に被曝から守ろうとしているわけではないのです。

 ——では、あるべき原子力防災計画の姿は。

 市民を完全に守れない以上、原発から撤退する方針を明らかにするべきだと思います。県はまず、原発にどう向き合うのか、基本方針をはっきりさせてほしい。そのうえで、具体的な備えを決めるのが筋です。

 ——福島の事故の教訓を生かすには。

 重大事故が起きたら、半径30キロ圏内は即時避難させる。防災計画に国の緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)の利用を明確に規定し、自主避難で二重生活を強いられた人の権利をどう保障するのかも盛り込むべきです。福島の事故を経験した今、そこまでの現実味が必要だと考えます。

 ——県独自の経験も生かしたいですね。

 柏崎刈羽原発ではかつて、冷却水を循環させる再循環系の配管に多数のひび割れが見つかりました。福島第一のような冷却機能が失われるリスクを経験しているわけです。そのリスクを具体的に防災計画に反映するべきなのです。(聞き手・吉武祐)


【国内原発 全基停止に思う】(下)
2012年05月06日
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妻子が避難 郡山の会社員・菅野正志さん


 東京電力福島第一原発事故から14カ月が経とうとしているが、今も新潟県内には福島県から避難してきた人が6521人(4月27日現在)いる。その半数にあたる3155人が、避難や避難準備を求められた地域以外から来た。自宅周辺の放射線量が高くなり、子どもへの影響を考えて「自主避難」した母子が目立ち、物心両面での負担に苦しんでいる。

     ◇

 県の調査では、新潟への避難者数は昨年6月以降、6千〜7千人台で推移している。ただ、避難元は変化していて、昨夏ごろから、警戒区域や計画的避難区域にはあたらない地域からの「自主避難者」が増えてきたという。4月27日現在、両区域ではない郡山市から1331人、福島市から674人が県内に避難しており、県には週に約10件、借り上げ仮設住宅に入りたいという申し込みがある。

 自主避難者の多くが、夫が福島に残って仕事を続け、母子だけで避難している人たち。避難の諸費用や、福島と新潟の「二重生活」の負担は重いが、東電が示す自主避難者への賠償金は「妊婦・18歳以下の子どもが60万円、それ以外は8万円」だけだ。いつ安心して自宅に戻れるのかの見通しも持てない。

 多くの自主避難者が集う新潟市東区の交流施設「ふりっぷはうす」はフリーペーパー「FLIP」を発行し、4月末には第4号も刊行した。原稿を書いた避難者には原稿料を払い、生活の足しにしてもらう。

 「FLIP」を発案、編集し、自身も福島市から避難してきた「ふくしま新潟県内避難者の会」の代表村上岳志さん(36)は「今も自主避難する人がいることや、避難生活の実態はあまり知られていない。国や自治体は避難者の声に耳を傾けてほしい」と願っている。(水野梓)

     ◇

【増えた実費分 東電、払ってほしい】

 原発事故による放射性物質が子どもに与える影響を恐れて、妻(36)と長女(8)、次女(2)を郡山市から新潟市に自主避難させ、自らは郡山に残った会社員菅野正志さん(37)に思いを聞いた。

 ——避難を決意したのはどうしてですか。

 震災直後は原発が危ないと思って、3週間だけ長岡市に避難しました。長女の学校が始まる4月にいったん郡山に戻りましたが、インターネットなどで調べたら、郡山も線量が高いと分かった。自宅周辺を測ったら、モニタリングポストの値よりずっと高かったんです。

 国は安全と言うけれど、そんなのもう信用できません。低線量被曝(ひばく)で健康にどんな影響が出るかは分からない。郡山ではほとんど外出させず、とにかく早く遠くに行かせたかった。去年の8月に妻と子どもを新潟に避難させました。

 ——新潟と郡山の「二重生活」を送っておられるのですね。

 残業して家に帰っても、子どもの寝顔を見るだけで元気になれたのが、週末しか会えなくなったのはつらいですね。次女は2歳。次の週に会ったら全然違う言葉を覚えてるんですよ。

 食費や光熱費はかさみます。事故前は、妻の実家で育てた野菜を食べていたのに、買うようになった。4月からは、東北地方の高速道路無料化の対象者が絞られて、高速代の負担も増えました。一番安く行ける経路や割引でも、ガソリン代と合わせて月に2万5千円はかかります。仕事が終わってからだと時間が合うバスがなくて、自分で運転するしかないんですよ。

 ——東京電力にはどんな思いがありますか。

 これだけの思いをさせられて、(東電の支払いが)大人1人8万円だなんて、足りるわけがありません。せめてこの避難生活で増えた実費分だけでも払ってほしいと思います。

 これまで原発に興味を持ってこなかった自分たちも悪かったな、とも考えるようになりました。こんな思いを子どもにも、他の人にもさせたくない。だからこそ、二度と国や東電にだまされないように、原発や放射性物質について勉強するようになりました。

 今まで通り、原発を動かしていれば、いつかまた同じようなことが起こると思います。全国の人には、ひとごとではなく、自分のこととして考えてほしいです。(聞き手・水野梓)


引用ここまで

原文は、朝日新聞 ニュースサイトの中の
【国内原発 全基停止に思う】(上)
 http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000001205070010
【国内原発 全基停止に思う】(中)
 http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000001205070015
【国内原発 全基停止に思う】(下)
 http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000001205070020
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

「原発ゼロ」社会 (社説 上・下)

引用ここから

現在位置: > 朝日新聞デジタル > 社説

社説

2012年5月5日(土)付

「原発ゼロ」社会:上 不信の根を見つめ直せ

 北海道電力・泊原発3号機が5日、定期検査のため運転を止める。これで、国内すべての原発が停止する。

 世界で3番目に原発の多かった日本が、世界最速で「原発ゼロ」状態に入る。

 脱原発への民意を政治がしっかり受けとめた結果であれば、歓迎すべきことだ。

 しかし実態は、政府の再稼働ありきの姿勢が原発周辺の自治体をはじめとする世論の強い反発を受け、先が見えない中での原発ゼロである。

 不信の連鎖がそこにある。

■広がる懸念の矛先

 福島第一原発の事故は、私たちの社会が前提とする「信頼性」を根底から揺さぶった。

 水蒸気爆発やベントをめぐる混乱、炉心溶融(メルトダウン)に関するあいまいな説明、放射性物質の拡散を予測するSPEEDIの情報開示や避難指示の遅れ——。

 事故直後からの迷走は、原発を推進してきた組織と人々が、事故への備えという基本的な能力に著しく欠けていた事実をあらわにした。
 北海道電力・泊原発3号機が5日、定期検査のため運転を止める。これで、国内すべての原発が停止する。

 世界で3番目に原発の多かった日本が、世界最速で「原発ゼロ」状態に入る。

 脱原発への民意を政治がしっかり受けとめた結果であれば、歓迎すべきことだ。

 しかし実態は、政府の再稼働ありきの姿勢が原発周辺の自治体をはじめとする世論の強い反発を受け、先が見えない中での原発ゼロである。

 不信の連鎖がそこにある。

■広がる懸念の矛先

 福島第一原発の事故は、私たちの社会が前提とする「信頼性」を根底から揺さぶった。

 水蒸気爆発やベントをめぐる混乱、炉心溶融(メルトダウン)に関するあいまいな説明、放射性物質の拡散を予測するSPEEDIの情報開示や避難指示の遅れ——。

 事故直後からの迷走は、原発を推進してきた組織と人々が、事故への備えという基本的な能力に著しく欠けていた事実をあらわにした。

 なにより大きかったのは、自分たちに都合の悪い情報は隠そうとしている、という疑念を広げたことだ。

 その矛先は、被曝(ひばく)によって身体的な安全が脅かされるというリアルな危機感のなか、電力会社や政治のみならず、行政、科学者・専門家、財界、マスメディアと、既存の体制そのものへと増幅していった。

 原発事故は、信頼を基盤とすべき社会を「不信の巣」へと変えたのだ。

 ところが、既存の体制はその根深さをくみとれていない。

 象徴が再稼働問題だ。

■ゼロベースで考える

 国民の多くは、必ずしも急進的な脱原発を志向しているわけではないだろう。電気が足りなくなることで「生活や経済に悪い影響が出るのでは」と心配している様子は、朝日新聞の世論調査からも浮かびあがる。

 それでも、福島事故を目の当たりにした以上、原発はいったんゼロベースから考え直さなければならない。そう思うのは自然なことだ。

 であれば、政治が取り組むべきことは明らかだった。

 例えば、稼働から40年以上たつ美浜や敦賀といった老朽炉、巨大地震のリスクが高い浜岡をはじめとして、原発を減らしていく意思を明確に打ち出す。

 使用済み核燃料や閉鎖した炉などの放射性廃棄物をどう処理していくか、本腰を入れて取り組む姿勢を示す。

 原発の停止で電力が足りなくなるのを見越して、節電を組み込んだ電力調達市場を昨年のうちから整備することも、柱の一つだったはずだ。

 しかし、野田政権は「脱原発依存」を掲げながら、規制当局の見直しをはじめ、何ひとつ現実を変えられていない。

 再稼働についても、ストレステストをもとに形式的な手順さえ踏めば、最後は電力不足を理由に政治判断で納得を得られると踏んだ。

 これで不信がぬぐい去れるわけがない。福島事故で覚醒した世論と、事故前と同じ発想で乗り切ろうとする政治との溝は極めて大きい。

 むろん、政治への不信はいまに始まった話ではない。

 政治への信頼度をテーマに、約140カ国を対象に実施された世論調査がある。経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心にした37カ国では、日本は政府への信頼度が36位、国のリーダー層の能力評価は31位。ギリシャと同水準だ。

 日本での調査は自公政権下の08年だった。だが、民主党に政権が代わって、何か変化があっただろうか。むしろ、原発をめぐる混迷は不信を決定的なものにしたのではないか。

■おまかせからの脱却

 作家の高橋源一郎さんは、昨年8月25日付朝日新聞の「論壇時評」で、いまある制度の延長線上でしか語れない政治の貧困を指摘し、「この国で起こったことから、なにも学ばなかったのだろうか」と問うている。

 いま、政治への国民のいら立ちをうまくすくいとっているのは、再稼働問題で政府を批判する橋下徹大阪市長なのだろう。

 ただ、有権者が政治家個人の突破力に期待するばかりでは、行き詰まる。

 原子力をどのように減らし、新たなエネルギー社会をどう構築するか。私たち自らが考え、合意形成をはからなければならない。それは、原発政策を国に「おまかせ」してきたことからの教訓でもある。

 低線量被曝の問題も同様だ。除染や食品安全の基準では、放射線の影響をめぐって科学者のあいだでも意見が割れている。正しい答えのない問題だ。自分自身で学び、合理的だと思う考えを選びとるしかない。

 とことん考え合うことのできる空間をどうつくり出すか。明日の社説では、それを論じる。
 なにより大きかったのは、自分たちに都合の悪い情報は隠そうとしている、という疑念を広げたことだ。

 その矛先は、被曝(ひばく)によって身体的な安全が脅かされるというリアルな危機感のなか、電力会社や政治のみならず、行政、科学者・専門家、財界、マスメディアと、既存の体制そのものへと増幅していった。

 原発事故は、信頼を基盤とすべき社会を「不信の巣」へと変えたのだ。

 ところが、既存の体制はその根深さをくみとれていない。

 象徴が再稼働問題だ。

■ゼロベースで考える

 国民の多くは、必ずしも急進的な脱原発を志向しているわけではないだろう。電気が足りなくなることで「生活や経済に悪い影響が出るのでは」と心配している様子は、朝日新聞の世論調査からも浮かびあがる。

 それでも、福島事故を目の当たりにした以上、原発はいったんゼロベースから考え直さなければならない。そう思うのは自然なことだ。

 であれば、政治が取り組むべきことは明らかだった。

 例えば、稼働から40年以上たつ美浜や敦賀といった老朽炉、巨大地震のリスクが高い浜岡をはじめとして、原発を減らしていく意思を明確に打ち出す。

 使用済み核燃料や閉鎖した炉などの放射性廃棄物をどう処理していくか、本腰を入れて取り組む姿勢を示す。

 原発の停止で電力が足りなくなるのを見越して、節電を組み込んだ電力調達市場を昨年のうちから整備することも、柱の一つだったはずだ。

 しかし、野田政権は「脱原発依存」を掲げながら、規制当局の見直しをはじめ、何ひとつ現実を変えられていない。

 再稼働についても、ストレステストをもとに形式的な手順さえ踏めば、最後は電力不足を理由に政治判断で納得を得られると踏んだ。

 これで不信がぬぐい去れるわけがない。福島事故で覚醒した世論と、事故前と同じ発想で乗り切ろうとする政治との溝は極めて大きい。

 むろん、政治への不信はいまに始まった話ではない。

 政治への信頼度をテーマに、約140カ国を対象に実施された世論調査がある。経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心にした37カ国では、日本は政府への信頼度が36位、国のリーダー層の能力評価は31位。ギリシャと同水準だ。

 日本での調査は自公政権下の08年だった。だが、民主党に政権が代わって、何か変化があっただろうか。むしろ、原発をめぐる混迷は不信を決定的なものにしたのではないか。

■おまかせからの脱却

 作家の高橋源一郎さんは、昨年8月25日付朝日新聞の「論壇時評」で、いまある制度の延長線上でしか語れない政治の貧困を指摘し、「この国で起こったことから、なにも学ばなかったのだろうか」と問うている。

 いま、政治への国民のいら立ちをうまくすくいとっているのは、再稼働問題で政府を批判する橋下徹大阪市長なのだろう。

 ただ、有権者が政治家個人の突破力に期待するばかりでは、行き詰まる。

 原子力をどのように減らし、新たなエネルギー社会をどう構築するか。私たち自らが考え、合意形成をはからなければならない。それは、原発政策を国に「おまかせ」してきたことからの教訓でもある。

 低線量被曝の問題も同様だ。除染や食品安全の基準では、放射線の影響をめぐって科学者のあいだでも意見が割れている。正しい答えのない問題だ。自分自身で学び、合理的だと思う考えを選びとるしかない。

 とことん考え合うことのできる空間をどうつくり出すか。明日の社説では、それを論じる。



2012年5月6日(日)付

「原発ゼロ」社会:下 市民の熟議で信頼構築を

 福島第一原発の事故をきっかけに、政治や行政、科学者などへの不信と疑念が広がった。

 その連鎖を断ち切り、信頼を再構築するにはどうしたらいいのだろうか。

 政府は新たな原発・エネルギー政策に向けた「国民的議論」を掲げる。関係する審議会や調査会で検討してきた選択肢を整理して、国民に提示する。夏までに今後の方向性について合意を目指す考えという。

 ただ、議論の前提が整っているわけではない。政府の事故調査委員会の報告はまだだ。原子力規制庁(仮称)もできていない。原発の新しい安全基準作りはさらに先になる。この夏の電力需給や自然エネルギーの普及度合いも議論を左右する。

 知恵を絞る必要がある。拙速にことを運べば、かえって不信を広げかねない。

■普通の人々が学ぶ

 欧米では、科学者ら専門家への「信頼の危機」に見舞われた際、市民参加による熟議を通じて信頼の再生を図ってきた。

 たとえば、英国は牛海綿状脳症(BSE)のヒトへの感染を否定した専門家の信頼が地に落ち、市民参加型の議論に本腰を入れた。遺伝子組み換え作物をめぐる議論にはネット経由を含め2万人が参加した。ナノテクノロジーの安全性でも、様々な議論の場が設けられた。

 科学技術は暮らしを便利にするが、思わぬ副作用や危険性もある。公害や大事故などを経て、実用化の是非などに社会の意見を反映する流れが世界的に加速している。

 一方、低下傾向にある民主政治への信認を補う目的でも、政策形成に市民が加わるさまざまな仕組みが考案されてきた。

 原発・エネルギー政策は、この二つの流れが重なる最大級のテーマといえる。

 日本の原発政策では住民の意見を聞く形をとりながら、実際は既定の方針を正当化する「名ばかり民主主義」が横行してきた。九州電力で発覚したやらせメールはその典型例だ。

 これに対し、欧米での市民参加型では、無作為抽出などで数十人程度の「普通の人々」を選ぶのが一般的だ。いわば「社会の縮図」である。

 参加者は基礎知識を学んだうえでじっくり考え、議論する。その結果を意見書やアンケートで集約し、行政や議会に尊重させるといった流れをとる。

 議論が社会から信用されるための生命線は、独立、中立、そして透明性だ。

 中立で独立した主催者のもとで、議論を誘導しないよう習熟したスタッフが進行役をつとめる。議事に協力する専門家が業界や行政とどんな関係にあるのかも明らかにする。

■補完としての「常識」

 これらの方法は決して魔法の杖ではない。手間も金もかかるうえ、最終的な決定権はない。選挙で選ばれた議会に代わるわけではない。あくまで補完として、その時々の暫定的な市民社会の常識を示すにすぎない。

 それでも、これまでのやり方の欠点を補う力はある。市民の良識や、譲れない信条の違いを「見える化」する。賛否両極に大きく割れる原発議論を乗り越えるには必要な機能だ。

 熟議の成果を次世代へリレーするなら、「将来世代」の意思決定権を尊重する動機もはたらく。使用済み核燃料の処分など末代まで関わる問題に、ひとつの方法を示唆してもいよう。

 さらに、各政党がさまざまな政策を掲げる選挙では個別政策で必ずしも最適の選択ができない、というジレンマを解きほぐすのにも有効だ。

 かつて徳島市では吉野川の可動堰(ぜき)問題をめぐり、賛否から距離を置く市民が勉強会を数多く開き、その実績を踏まえて市が住民投票を行ったことがある。

 国政でも、草の根の熟議を継続させ、数年間の実績を経てから国民投票にかける仕組みもありえよう。

 政府が考える国民的議論も、中立的な担い手に運営を任せたうえで、もっと時間をかけ、議論を将来につなげるよう、工夫してはどうだろう。

 政府としては脱原発依存の方針を早く具体化すべきだが、熟議型の議論を続けることは政策の定着や見直しに役立つ。

■国会で制度作りを

 市民参加型の熟議を支えるうえで、大きな役割を果たしているのが議会(国会)だ。

 日本でも福島事故では国会が調査委員会を設け、事実究明に力を注いでいる。ここは、民意の熟成にも目配りしてほしい。原発・エネルギーに限らず、税と社会保障改革など世代を超えた難題は目白押しである。

 国会に事務局を置き、自ら熟議集会を主催したり、大学やNPOなど中立組織による開催を支援したりしてはどうか。

 不信と混迷が深まると、強い指導者を求めがちだ。しかし、政策への市民の関与を強め、わがこととして解決する道こそが民主主義を深化させる。


引用ここまで

原文は、朝日新聞の社説
【「原発ゼロ」社会:上 不信の根を見つめ直せ】
 http://www.asahi.com/paper/editorial20120505.html
【「原発ゼロ」社会:下 市民の熟議で信頼構築を】
 http://www.asahi.com/paper/editorial20120506.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

「原発ゼロ」をきっかけにもっと原発について語ろう!

引用ここから

「原発ゼロ」をきっかけにもっと原発について語ろう!
  [2012/05/07]

ガジェット通信

5月5日の午後11時3分に北海道電力泊原発3号が停止した。これで、日本にある50基の原発のすべてが停止したことになる。福島第1原発の事故が契機となり、それまでは専門家に任せきりであった原発の問題について、私たちも気軽に議論できるような環境となった。そして、今回の全停止をきっかけにして、さらに踏み込んだかたちで原発に関する議論をしていくべきだと筆者は考えている。
原発があろうがなかろうが、私たちは電力を消費する。以前は、原発が稼働するという前提で、電力を使ってきた。ところが、原発に依存していた分のすべての電力が、5月5日の午後11時3分から使えなくなった。さあ、どうしよう。いまさら確認する必要はないかもしれないが、大きく分けて選択肢は三つある。
第1は、停止した原発を早期に再稼働させるのか。第2は、電力の不足分を補うかたちで原発を再稼働させ、寿命がきたら順次廃炉にし、新たな原発をつくらない「脱原発」を目指すのか。第3は、原発を全停止させたまま再稼働させず、代替エネルギーで電力をまかなう「反原発」を選ぶのか。これらの選択肢について、何を焦点にして考えればいいのか。
そのヒントとなる記事が東京新聞に掲載されている。第1の立場である民主党の近藤洋介議員と、第2の立場である自民党の河野太郎議員が、特集記事でそれぞれの立場を明らかにしているのだ(2012年5月6日付)。テーマは「再稼働を問う」。近藤さんは推進、河野さんは慎重の立場である。
まず、近藤さんは、原発が日本の経済発展に「大変大きな役割を果たした」が、「安全神話に陥っていたことは反省すべきだ」と述べる。再稼働については、大規模停電が起きたときに、「1人の命も失われない確証が得られるなら再稼働しなくていい」が、「もしかしたら死ぬかもしれないというのなら、安全性の確認と地元の理解を経て再稼働するべきだ」と言う。
原発の安全性については、「技術的には安全性は十分だと思ってい」て、再稼働は決して「拙速ではない」と述べる。そして、再稼働は原子力規制庁の発足を待つべきではという問いに対して、「規制庁に変わっても、専門家やルールは大きく変わらない。本の中身は同じで、表紙だけ変えれば安全だというのは、意味合いがよく分からない」と答えている。
そうか、こういう人たちが野田首相に「助言」しているのか……。そう思うと、やりきれない気持ちになった。詳しくく書いていたらキリがないが、おもにマスコミ報道によって得た「原発の安全性」に関する情報を見聞きする限り、国民の多くはその安全性が十分であるとは思っていないのではないか。これだけ言い切るのなら、安全性の根拠を国民に分かるかたちで示せばいいのに。なぜ、それをしないのか。
また、原子力規制庁は、これまでのムラ社会的な原子力管理体制を変えるために発足させると聞いている。ズブズブだった管理体制を変革する。そういう政府の意志を国民に示すための象徴的な組織だと言っていい。現状の「専門家やルールが変わらない」のなら、なおさら真っ先に同庁を発足させて、そこで再稼働について検討するのが筋だと思うが。
一方の河野さんは、大変真っ当なことを言っている。「自民党がつくってきた原子力態勢は(原発が)全部止まることで1回終わった。事故の状況をつくったのは自民党の責任だが、再稼働させれば、そこからは民主党の責任だ」。筆者もそのとおりだと思う。民主党の責任とは、めぐりめぐって民主党を支持する人たちの責任をも意味することを忘れてはならない。
今後の方針については、「国会の原発事故調査委員会は6月に報告を出し、新しい原子力規制組織も提案する。少なくとも報告前に新組織をつくるとか再稼働させることはあり得ない」と言い切る。そして、新組織の発足後、「安全基準を見直し、それに照らして最低限を再稼働させるのが正当な手順だ」と現実的な意見を述べる。さらに、「原発の新設はしない」ことを前提に、既存の施設を順次廃炉にしていけば、「2050年には原発がゼロになる」と言う。
ふたりの議論を読んでいると、どっちが与党でどっちが野党か分からなくなる。近藤さんは、「信号や病院、鉄道、空港」などをあげて大規模停電の被害を述べ、「国民の生活を守るために再稼働する」と述べる。だが、そんなことなら、私たちはすでに知っている。知りたいのは、その被害と原発事故が起きた場合の被害との比較である。どちらがよりリスキーで、被害が大きく、長期にわたって続くのか。
近藤さんの議論は、どこまで確保されているのか分からない原発の安全性を担保にしつつ、両者のリスクを比較することなく、「インフラが止まったら、あんたたちも困るだろう」と言っているにすぎない。このように原発のリスクには触れない「手法」は、財界やら経済官僚が原発を語る姿勢と似ている。
他方、河野さんの議論は、徹底して現実的である。原発事故のリスクを過小評価せず、かといって原発を全停止したままの状態も難しい。ならば、事故の再発を完全に防止した上で、最低限の原発のみ再稼働させる。そして、原発の新設はせず、いまある施設を順次廃炉にする。すべて廃炉になるまでの間に、いかにして代替エネルギーで電力をまかなっていくかを考える。
筆者は、河野さんの「脱原発」の姿勢を支持する。「原発推進」「脱原発」「反原発」。この三択で、読者のみなさんはどれを選ぶのだろうか。
(谷川 茂)


引用ここまで

原文は、マイナビニュース サイトの中の
【「原発ゼロ」をきっかけにもっと原発について語ろう!】
http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/getnews/2012/05/post-1892.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「塩麹ブーム
の参考記事にさせていただきました。

原発稼働ゼロ:頼みの火力発電老朽化 急停止で停電の恐れ

引用ここから

原発稼働ゼロ:頼みの火力発電老朽化 急停止で停電の恐れ

毎日新聞 2012年05月06日 08時38分(最終更新 05月06日 09時13分)

昨年3月の東京電力福島第1原発の事故を受け、停止の相次いだ国内の原発がついに全基停止した。事故から約1年2カ月、事故現場では先の見えない処理作業が続き、原発の肩代わりをしている全国の火力発電所では、故障による急停止におびえながら電力安定供給に向けたフル稼働が続いている。

原発ゼロのまま猛暑を迎えた場合、日本列島の電力の頼みの綱は長期間の停止状態から再稼働させた火力発電所だ。しかし、再稼働した火力の多くは運転開始から40年以上過ぎて老朽化しており、現場技術者がだましだまし動かしている。予備の供給力がほぼゼロの現状では、火力が1カ所急停止するだけでも大規模停電の引き金となりかねず、電力供給は薄氷の上にある。

東京湾南西岸にある東京電力横須賀火力発電所(神奈川県横須賀市)。福島第1原発事故を受けて昨年6月、1年3カ月ぶりに再稼働した同火力の敷地内には「立ち入り禁止」の張り紙が随所にある。煙突につながる配管のさびが激しく、排ガスが漏れ出ているためだ。
社名過不足
北海道▼3.1%
東北2.9%
東京4.5%
中部5.2%
関西▼16.3%
北陸3.6%
中国4.5%
四国0.3%
九州3.7%
合計▼0.4
原発ゼロの場合の8月の電力需給見通し※各社試算。
▼はマイナス。需要は10年並みの猛暑となる場合のピーク需要を想定


「運転開始から50年近い老朽機を動かす以上、細かな不具合は随所に出る。発電に直結する不具合なら数日止めて修理するが、この排ガスは温度が200度以下と低く、近寄らなければ大丈夫」。東電の小河原仁・火力部グループマネジャーは淡々と話した。

電力各社は、一部の火力発電所に最大出力を高める改造を施すなどしている。しかし火力は長時間のフル稼働に耐える設計になっていない。2月3日には91年運転開始の新鋭機、九州電力新大分火力発電所が燃料供給系統のトラブルで緊急停止し、「計画停電の一歩手前」(経済産業省幹部)の危機に。この時は関西電力などから一時的に送電線の運用容量を超える応援融通を受けて乗り切ったが、新鋭機ですら急停止する現状に各社は危機感を強めている。各社とも故障対応の技術者を現場に張り付かせるなどし、目を光らせているが、急停止が大規模停電につながる懸念はぬぐえない。【宮島寛】

◇福島原発廃炉への道は険しく


事故を起こした東京電力福島第1原発。1〜4号機は先月19日付で法的に廃止となった。東電は原子炉格納容器や使用済み核燃料プールの内部状況の把握に力を入れているが、様子が明らかになるほど、廃炉への道は厳しさが際立つ。

3月末、2号機格納容器に内視鏡が入った。東電は深さ3〜4メートルの水がたまっていると予想したが、実際の水位は60センチ。格納容器下部につながる圧力抑制室に穴がある可能性が高まった。4月には圧力抑制室を収納する部屋に遠隔操作ロボットを投入。漏水箇所を探したが確認できなかった。政府・東電は格納容器全体を水で満たす作業を14年度に始める計画だが、漏水箇所をふさがなければ難しい。4号機のプールには3月、水中カメラが入り、核燃料の上に積み重なるがれきや金属板を確認した。

原子炉冷却のための注水で生じる汚染水の処理の問題も残る。1〜4号機の建屋地下には計約9万8000立方メートルの高濃度汚染水がたまっている。たまり水は放射性物質を一部除去して冷却に再利用しているが、処理済みの汚染水を貯蔵する仮設タンクは建設分も含め約20万立方メートルで、今秋までに満杯になる。



トラブルも後を絶たない。3月26日と4月5日、汚染水を塩分除去装置から濃縮水タンクへ運ぶ配管の継ぎ目が外れ、放射性ストロンチウムを含む高濃度汚染水が漏れ出た。【阿部周一】


関連記事
    * 福井・大飯原発:再稼働問題 安全性8提案 大阪と国、埋まらぬ溝 官房長官、再稼働妥当変えず (04月25日 12時47分)
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    * ファイル:2カ月ぶり値上げへ−−関電・大ガス (04月20日 03時29分)
    * ニュース交差点:エネルギー 関電の全原発停止(2012年2月21日 9時10分)
    * 関西電力:全11原発を停止…社長「再稼働に全力」写真付き記事(2012年2月20日 23時30分)


原発稼働ゼロの記事
    * 原発稼働ゼロ:頼みの火力発電老朽化 急停止で停電の恐れ 写真付き記事 NEW(2012年05月06日)


引用ここまで

原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【原発稼働ゼロ:頼みの火力発電老朽化 急停止で停電の恐れ】
http://mainichi.jp/select/news/20120506k0000e040124000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20120506k0000e040124000c2.html
http://mainichi.jp/select/news/20120506k0000e040124000c3.html
http://mainichi.jp/select/news/20120506k0000e040124000c4.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

原発稼働ゼロ:70年以来42年ぶり 懸念の中、夏へ

引用ここから

原発稼働ゼロ:70年以来42年ぶり 懸念の中、夏へ

毎日新聞 2012年05月05日 23時22分(最終更新 05月05日 23時43分)

画像=全原発17カ所の運転停止日※丸数字は原子炉の基数
北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が5日夜、定期検査のため運転を停止し、国内の原発50基全てが止まった。全基停止は、商業用原発が2基しかなかった70年以来42年ぶり。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼働の手続きを進めているが、地元同意を得るには至っておらず、70年代の石油危機後に原発を基幹エネルギーに据えて以降では初の「原発ゼロ」となった。電力不足の懸念を抱えたまま夏の需要期を迎えようとしている。【小倉祥徳、鈴木梢】

北電によると、泊3号機は5日午後5時ごろから原子炉に制御棒を挿入して出力を下げ始め、同11時3分に発電を止めた。6日午前2時ごろに原子炉が停止。炉内が安定する冷温停止は7日午後の見込みという。

日本原子力発電の東海原発(茨城県東海村)が初営業発電を始めたのは66年。70年代に入ると電力供給の原発依存度は急速に高まり、10年度には全電力量の26.4%を原発54基(うち福島第1の4基は今年4月に廃止)態勢でまかなっていた。


昨年3月の福島第1原発事故後、国内の原発は事故や定期検査入りによる停止が相次ぐ一方、安全確認の遅れで検査後の再稼働をできない状態が続いている。政府は昨年7月、国内の全原発を対象に安全性を確認する安全評価(ストレステスト)を指示。これまでに全国の原発50基のうち19基について、ストレステストの1次評価が提出された。政府は今年4月、安全基準を見直したうえで、大飯原発が十分な安全対策を取ったとして、地元に再稼働を求めた。

ただ、地元の安全性への懸念は根強く、早期の再稼働の見通しは立っていない。大飯の再稼働が遅れれば、その後に続く原発の再稼働のハードルが一層高まるのは必至。関電管内では今夏、最大15%程度の電力不足を見込んでおり、政府は計画停電の実施を視野に入れているほか、他地域でも大幅な節電を求められる可能性がある。


他の原発の再稼働手続きも遅れている。原子力規制庁の発足が実現しない中、原子力安全委員会が「(規制庁発足の)見通しが立ってから議論したい」(班目春樹委員長)として審査を見送っているためだ。原子力安全・保安院は、四国電力伊方3号機(愛媛県)の評価結果を「妥当」としたが、大飯に続く再稼働は当面難しい。

また、政府の試算では原発が再稼働しない場合、電力9社の13年3月期決算(単体)の最終(当期)損益は全社赤字で、赤字額は2兆6765億円の見通し。


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引用ここまで

原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【原発稼働ゼロ:70年以来42年ぶり 懸念の中、夏へ】
http://mainichi.jp/select/news/20120506k0000m040097000c.html
です。
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ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

「原発ゼロ」解消し電力不安を除け

引用ここから

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「原発ゼロ」解消し電力不安を除け
2012/5/5付

北海道電力の泊原子力発電所3号機が5日夜に定期検査のために停止し、国内50基の原発すべてが発電を止める。

全原発停止の背後には、東京電力の福島第1原発事故がもたらした重い現実がある。事故によって福島県だけで約10万人が避難し、長期にわたる居住困難地域をつくり出した。このことを国民一人ひとりが忘れてはならない。

供給懸念こそ問題

同時に私たちは原発停止に伴う代償の重さにもしっかりと目を見開かねばならない。

昨夏の東日本の節電は産業や生活に負担を強いた。使用制限を課せられた企業では、工場を土日に操業する変則勤務にしたり、買電に比べ3倍ものコストをかけて自家発電に頼ったりした。「こんなことを続けられない」が、多くの経営者の本音だろう。もし大規模な停電が起きれば深刻な社会的混乱をもたらす恐れもある。

仮に節電によって今夏の危機を乗り切れたとしても問題はなくならない。電力供給への不安が続く限り、企業は国内の設備投資をためらわざるを得ない。原発停止の穴を埋める石油や天然ガスの調達増加によって、年間2兆円を超える国富が余分に海外へ流出し、電力料金の上昇につながる。景気や雇用に影響が及び、私たちの生活に跳ね返ってくる。

天然ガス火力や太陽光発電などの拡大は一朝一夕には進まない。電力の安定供給には原発を再稼働させ、供給力に一定の余裕を持たせておく必要がある。地震や津波に対し十分な安全の余裕があることが再稼働の前提条件だ。電力会社は運転再開後も、たゆまず安全向上の改善に努める重い責任を負っている。

関西電力の大飯原発3、4号機の再稼働について、政府と関電は地元自治体に対し、意を尽くして説明し理解を得る努力を重ねてほしい。自治体側も、すでに講じられた安全対策をよく吟味し「動かすリスク」と「止めるリスク」を勘案して判断する必要がある。

また再稼働問題とは別に、政府や電力会社はもっと節電を促す方策を急ぐべきだ。例えば時間帯別の電力料金制を拡充し、中小企業への省エネ機器の導入を支援することで、電力のピーク需要と総需要量をともに抑えていくのが望ましい。足元の需給のためだけでなく、中長期のエネルギー消費の節約にもつながるからだ。

全原発停止に至るのは、政府の危機対応力の問題でもある。福島事故から1年以上を経ても、原子力安全の裏付けとなる規制の仕組みを刷新できていない。

原子力安全委員会は、大飯原発に続く他の原発の耐性調査には手をつけず、再稼働に向けたプロセスが滞っている。原子力安全・保安院は既存の原発周辺の活断層調査などに着手したが、現在の保安院が安全にかかわる重要な判断を扱うことに疑問がある。

規制当局の信頼回復なしに原発への不信はぬぐえない。政治や電力業界の都合に左右されない、独立性の高い原子力規制庁を早く誕生させることが何より大事だ。政府は野党と協議し、規制庁設置法案の成立を急ぐべきだ。

再生へ自己変革を

原子力推進の電力会社や官庁、学者らの結びつきは「原子力ムラ」と呼ばれてきた。専門家集団はただでさえ外からの介入を嫌う。「国策民営」による原子力推進の大義名分が加わり、ムラの体質は閉鎖的で独りよがりになった。

海外の原子力事故から謙虚に学ばず、炉心溶融など国内でも想定しておくべき深刻な事故への対策を遅らせた。2002年に発覚した東電のトラブル隠しでは、内部告発者の情報を保安院が東電に伝え、規制当局と規制を受ける側のなれ合いをあらわにした。

ムラの中で互いに鍛え合う機運も薄かった。中越沖地震での東電の被災を教訓と受け止めていれば、関電はとうに大飯原発に免震棟を建てられた。競争なき地域独占が自己変革を妨げてきた。政府と国会の事故調査委員会にはムラの問題点を洗い出し改革を迫ってもらいたい。

1966年に日本原子力発電の東海発電所が初の商用原発として動き出してから46年。日本の原子力は歴史的な分岐点にある。

安全を最優先に、なれ合いを捨て、自らを変える力が原子力の再生に求められている。


引用ここまで

原文は、日経新聞 ニュースサイトの中の
【「原発ゼロ」解消し電力不安を除け】
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E3E2EAEAE7E3E2E2E7E2E7E0E2E3E08297EAE2E2E2

です。
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ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

【原発ゼロ】経済低迷、熱中症、作業員確保…無視できない電力不足のリスク

引用ここから

【原発ゼロ】経済低迷、熱中症、作業員確保…無視できない電力不足のリスク

2012.5.5 22:03

写真
定期検査のため出力ゼロとなる北海道電力泊原子力発電所3号機。海上保安庁のボートも見られた。対岸の岩内町から撮影=5日午後2時21分、北海道岩内町(大西史朗撮影)


 (1/2ページ)

 全原発停止によって懸念される電力不足は、経済停滞だけでなく、熱中症など生命に関わるリスクや、原発の安全性が脅かされるリスクなどを高める可能性がある。専門家からは「事故リスクだけでなく、電力不足のリスクをもっと考えるべきだ」との声が上がる。(原子力取材班)

 ■ウクライナの二の舞

 「このままではウクライナの二の舞になる」

 そう指摘するのは北海道大の奈良林直教授(原子力工学)だ。奈良林教授によると、ウクライナは、旧ソ連時代に起きたチェルノブイリ原発事故を受け、1990年に国内の全12原発を停止させた。

 しかしその結果、電力不足が慢性化。計画停電が行われたほか停電も頻発した。経済は低迷し、結局、93年には原発再稼働へと方針転換することになった。

 奈良林教授は「急な停電が原発のある地域で発生すれば、(福島第1原発のように)外部電源を失うことにもなる。電力不足は、原発の安全性にも関わる問題だ」と指摘する。

  ■5電力で不足

 今夏の電力需給について、資源エネルギー庁は全原発が停止し、一昨年並みの暑さを想定した電力需給を試算したところ、原発以外の発電所がすべて動いても関西電力や北海道電力、九州電力の管内で電力不足が生じる見通しとなった。


 (2/2ページ)

 ただし、火力発電所などでは「毎日のようにどこかで何らかのトラブルが発生している」(エネ庁幹部)といい、100%稼働するとの想定は現実的でないという。そこで、供給力を昨年の平均稼働率97%で試算し直すと、東北、四国の各電力でも電力予備率がマイナスとなり、電力不足は明白だ=表参照。

 昨夏の計画停電のような手段も残るが、エネ庁担当者は「経済への影響が大きすぎる。財界からの反発もあり、昨夏並みの節電は難しい」と話す。

 さらに、イランが海上原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖する懸念のほか、原発停止で温暖化ガス排出量の政府削減目標が危うくなるなど、「アキレス腱(けん)」は尽きない。

  ■生命にも影響

 停電や過剰節電といった事態になれば、生命に危険が及ぶ恐れも出てくる。懸念されるのは、室温が28度を超えると発生率が急上昇するとされる熱中症の患者増加だ。環境省の担当者は「計画停電などは絶対に避けてもらいたい」と話す。

 熱中症だけでなく、人工呼吸器など、電力を必要とする機器によって生命を維持する人にとっては、停電は深刻な問題だ。

 長期停止すれば、原発の“命”にも影響が出かねない。「いざ稼働しようと思ってもすぐに対応できない可能性がある」。こう指摘するのは原子力研究バックエンド推進センターの菊池三郎理事長だ。

 メンテナンスを請け負う企業が廃業するなど、必要な作業員が確保できなくなるというのだ。菊池理事長は「安全技術の継承も進まない」と、早期稼働の必要性を訴えている。



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引用ここまで

原文は、産経Biz ニュースサイトの中の
「【原発ゼロ】経済低迷、熱中症、作業員確保…無視できない電力不足のリスク」
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120505/cpd1205052205008-n1.htm

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120505/cpd1205052205008-n2.htm
です。
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ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

【全原発停止】失われる理解 無念と寂しさ 原子力黎明期支えた技術者の思い

引用ここから

【全原発停止】失われる理解 無念と寂しさ 原子力黎明期支えた技術者の思い

2012.5.4 22:43

写真
定期検査に入るため、5日深夜に発電を停止する北海道電力泊原発3号機(右)



 (1/2ページ)

北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が5日、定期検査入りし、国内の商用原発50基が全停止。42年ぶりに日本の「原子力の灯」が消える。昭和45年、「大阪万博に原子の灯を」の掛け声のもと、営業運転を始めたばかりの日本原子力発電敦賀原発1号機(福井県敦賀市)と関西電力美浜原発1号機(同県美浜町)が万博会場へ送電、原子力は「夢のエネルギー」と称賛された。黎(れい)明(めい)期を知る技術者らは、寂しさと無念さをにじませつつ、“原発ゼロ”の現実を迎えようとしている。(原子力取材班)

■   ■

「100時間が経過しました」-。

大阪万博が開幕する昭和45年3月14日午前4時。日本原電で後輩技術者を指導している神尾重信さん(62)は、敦賀1号機の中央制御室に響いた声が今でも忘れられない。

国内初の沸騰水型の敦賀1号は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が建設から試運転まで請け負う契約だった。試運転の最終関門だった100時間の連続運転を成し遂げ、GEの担当者から原電側に原発を動かす「ターンキー」が手渡された。

拍手や「バンザイ」の歓声に包まれる中央制御室。神尾さんは「ようやく原発が自分たちのものになった」と実感した。数時間後には、開幕したばかりの万博会場では「原子の灯が届いた」とのアナウンスが流れていた。

43年入社の神尾さんは、敦賀1号の発電用タービンの設置に携わった。仮設のボイラーで作った蒸気でタービンを回すテストを繰り返し、稼働に備えた。勤務を終えた後も、同期と独身寮で勉強会を重ねた日々を、「学校で習った夢の原子炉が仕事になった。最先端の仕事にみな燃えていた」と振り返る。


 (2/2ページ)

「私はこれでメシを食う。宿命だ」

元関電社員の竹内忠雄さん(73)は水力、火力発電所の運転員を約11年経験し、稼働を控えた美浜原発に配属されて心に誓った。

核物理、原子炉理論、放射線管理…。米国で学んだ先輩社員に、原発の“イロハ”をたたき込まれ、勤務時間後は、毎日6時間近くの自習を課した。

運転員選抜後は、3交代の勤務をこなしながら、英語の手順書を日本語に直す作業に明け暮れた。激務ではあったが、「新しい技術を身につける喜びと、これから発展する原子力のトップランナーとしての誇り」が支えだった。

45年8月8日、敦賀1号に続いて美浜1号も万博への試験送電を成功させ、会場の電光掲示板には「原子力の電気が送電されてきました」の文字が輝いた。

■   ■

両機が稼働し始めてから、日本の全ての商用原発が止まったことは、これまで一度もなかった。

あれから42年-。2人に共通するのは、寂しさと、生涯をささげた原子力への理解が失われつつあることへのもどかしさだ。

「やっぱり寂しい…自分の人生は原子力無しでは考えられない」。竹内さんは表情を曇らせながらも、「理解してもらうのは難しいが、原発ゼロは日本にボディーブローのように効いてくる。また、だんだんと理解されるのではないか」と希望を抱く。

神尾さんも「(東京電力福島第1原発事故など)反省すべきところは反省し、対策すべきところは対策を講じる。そこがスタートだ」と語り、「原子力の灯」が再びともることを願った。


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引用ここまで

原文は、産経Biz ニュースサイトの中の
「【全原発停止】失われる理解 無念と寂しさ 原子力黎明期支えた技術者の思い」
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120504/cpd1205042245007-n1.htm

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120505/cpd1205052205008-n2.htm
です。
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ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。

「不信が全停止もたらす、少なくとも一時的に」と米紙

引用ここから

国際

【原発ゼロ】
「不信が全停止もたらす、少なくとも一時的に」と米紙
2012.5.6 09:26

写真
自衛隊ヘリから撮影した福島第1原発(手前から)1号機、2号機、3号機、4号機=2011年4月26日(防衛省提供)

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は5日、日本の全原発停止について、東京電力福島第1原発事故によって国民に生じた不信がもたらしたものと報じた。
同紙は「原発事故で生じた不信がもとで、日本(国民)は少なくとも一時的に過去42年で初めて原発なし(の生活)を余儀なくされた」と指摘。経済産業省前 のハンガーストライキに参加した男性(81)の「全ての原発の廃炉を見届けるまで、あと20年は生き続ける」とのコメントも伝えた。
カナダ放送協会(CBC)は5日夕、公式サイトで「全原発停止に数千人が祝う」とするAP通信電を掲載。同サイトによると、アクセス回数の多いニュースの一つになっている。(共同)

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引用ここまで
原文は、MSN産経 ニュースサイトの中の
【「不信が全停止もたらす、少なくとも一時的に」と米紙】
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120506/amr12050609270004-n1.htm
です。
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ひなげし陽気』の中の「早く電力自由化を
の参考記事にさせていただきました。