敦賀原発:3、4号の増設交付金 自治体“皮算用”323億円 /福井
◇予算化見直しも
日本原子力発電敦賀原発3、4号(敦賀市)の増設に伴う電源3法交付金の「電源立地促進対策交付金」が、着工年度から運転開始5年後までに、県や同市、周辺市町に対し計約323億円交付される試算であることが県への取材でわかった。原電は来年3月着工の見込みとしているが、東京電力福島第1原発事故の影響で難しい情勢に。各市町は交付金をインフラ整備や人件費などに見込んでおり、計画の見直しを迫られている。【柳楽未来】
電源3法交付金は、家庭の電気料金とともに徴収される税金を財源に、立地県や市町村、周辺自治体に交付される。うち新規増設に対して交付される促進対策交付金は、福井県と立地の敦賀市、周辺市町で、原発からの距離などに応じて割り振られ、一部は前倒しで既に受け取っている=別表。
新規増設など原発推進の立場だった国は、エネルギー基本計画を白紙から見直す。しかし、今後の課題となっており、原電は福島の事故後も着工時期の変更を正式に表明していない。このため経済産業省は8月に着工年度分として計約24億円を交付決定、各市町が予算化した。来年度以降については「確実に見込めるものではないことは確か」(越前町)など、各市町とも厳しい見方をしている。
最も多額の交付金を受け取る見込みの敦賀市は、河瀬一治市長が「絶対に必要」と主張するなど、財政や雇用の面から事故後も敦賀3、4号機の早期着工を強く求めている。一方で同市は先月、来年度以降は同交付金が全く入らない想定での、今後5年間の事業計画を発表。予定していた公民館建設などを見送る方針を決めた。
美浜町は、大部分を10~12年度継続事業の生涯学習センター建設(約18億円)に利用する予定。「工事を途中で止めるわけにいかない」と困惑した様子だ。若狭町は、約半額を町の病院職員らの人件費にあてる計画で「人件費は絶対に切れない。交付がなければ、何かを削減して捻出するしかない」と対応を模索している。
県はまだ具体的な交付金の活用計画を立てていない。
南越前町は高速大容量のインターネットを利用できるように、同交付金で町内の光ファイバー整備などをする予定だった。しかし、今後の財政計画には基本的に盛り込まない方針に転換。「地方自治の原点に戻るチャンスと思って、必要な事業を精査してやっていきたい」と現状を前向きにとらえている。
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◆敦賀3、4号機増設に伴う電源立地促進対策交付金
※括弧内は昨年度までに前倒しで受け取った額
(概数)
敦賀市 145.3(58.1)億円
南越前町 48.7( 5.4)億円
福井県 29.7( 0.7)億円
美浜町 22.8( 1.5)億円
若狭町 22.1( 4 )億円
越前町 21 ( 3 )億円
滋賀県長浜市 17 ( 4.2)億円
滋賀県高島市 8.5( 1.2)億円
越前市 4.6( 0.6)億円
池田町 3 ( 2.4)億円
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毎日新聞 2011年9月21日 地方版
引用ここまで
原文は、毎日新聞ニュースサイトの中の
【敦賀原発:3、4号の増設交付金 自治体“皮算用”323億円 /福井】
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110921ddlk18040635000c.html
です。
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