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2011年11月6日日曜日

福島警戒地域:野良化した牛や豚 農家など「研究用」模索

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福島警戒地域:野良化した牛や豚 農家など「研究用」模索
2011年10月25日 11時8分 更新:10月25日 11時46分

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警戒区域内にある福島県の「エム牧場浪江農場」で牛の世話をする吉沢正己牧場長(「希望の牧場」事務局提供)


 東京電力福島第1原発事故で半径20キロ圏内を警戒区域に指定し、立ち入りを禁止して半年余り経過した今も、牧草地などで飼育されていた約2000頭の牛などが区域内に生息しているとみられる。間もなく冬を迎える厳しい環境の中、生き残った家畜の衰弱死を懸念する畜産農家や市民団体は、殺処分と衰弱死以外の第3の道として、放射線の影響を研究する対象として生かす道を模索している。

 21日、福島県郡山市で、警戒区域内の牛など家畜の命を救うことを目指す団体「希望の牧場~ふくしま~プロジェクト」の意見交換会があった。南相馬市や浪江、楢葉両町など警戒区域内の畜産農家や国会議員、獣医師など約30人が集まり、熱心に議論を交わした。

 警戒区域内で黒毛和牛約330頭を飼育していた「エム牧場浪江農場」の吉沢正己牧場長(57)は「牛は被ばくしており、経済的な価値がないのは分かっている。だが、生かしていく道もあるのではないか。牛飼いとしてこのまま見捨てることは絶対にできない」と訴えた。吉沢さんは許可を得て、定期的に餌を与えに戻っている。その際には自分の牧場以外の牛も集まってくるという。

 やはり区域内にある大熊町の肉牛繁殖農家の女性(54)は「避難する前に約30頭の牛を放してきた。今も生きていると信じている」と涙ながらに語った。

 家畜の無事を願う声がある一方、区域内では野良化した牛や豚が民家に侵入しているケースもあるとされる。

 このため同プロジェクトはエム牧場浪江農場をモデル牧場とし、区域内の牛や豚を牧場内に囲い込んだ上で、被ばくした大型哺乳類を研究対象として活用する構想を練る。実現可能性を探り、大学など研究機関との連携も図っている。

 5月には大学関係者が家畜の研究活用を政府に要望。筒井信隆副農相が容認する姿勢を見せたものの、一部の豚が研究用に供された他は何も具体化していないのが現状だ。

 同プロジェクトによると、原発事故前、区域内には牛約3500頭、豚約3万頭、鶏約68万羽などの家畜がいた。これに対し、国は4月22日、原発から半径20キロ圏内を警戒区域に指定し、5月12日に区域内の家畜の殺処分を決定。これまで約300頭の牛を処分した。鶏や豚などは世話ができないため、水や餌の不足から大半が死んだとみられ、現在は牛を中心に2000頭弱が区域内にいる模様だ。

 吉沢さんは「冬までに何とか追い込んで、収容しなければ。今はまだ生きている命。生かす道はあるはず」と憂う。【野呂賢治】

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* <福島第1原発>避難区域の家畜2000頭、県内外に移動へ /福島



引用ここまで

原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【福島警戒地域:野良化した牛や豚 農家など「研究用」模索】
http://mainichi.jp/select/today/news/20111025k0000e040020000c.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の---」の参考記事にさせていただきました。

被災地からの手紙:東日本大震災 生活支援で「待つ」余裕を /栃木

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栃木

被災地からの手紙:東日本大震災 生活支援で「待つ」余裕を /栃木

 「悲しいけど、もう帰る場所じゃないんだよ」。絞り出した声は、すすり泣きに変わった。

 福島第1原発から約9キロ、立ち入り禁止とされた警戒区域内に自宅がある福島県浪江町藤橋の女性(53)だ。原発事故が収束できず、除染に相当な時間がかかるくらいならいっそ「早く町を捨てる決断をして」と訴える。震災からもうすぐ8カ月の福島で取材している。原発周辺の住民には、彼女のようにすでに覚悟を決めた人が、思ったより多かった。驚いた。

 彼女は一度、一時帰宅で自宅に戻ったことがある。牛に踏み荒らされ庭は糞(ふん)だらけ。倒れた家具をかきわけアルバムや子どもの思い出の品を取り出したが全部置いてきた。放射性物質検査でひっかかると思ったからだ。「行けば行くだけ、もう住めないって分かるよ」

 除染がどこまで有効か、町では現在、可能性を検討している。懇談会で彼女の訴えを聞いた馬場有(たもつ)町長は「世界の英知を結集させる。科学技術の力を信じましょう」と応じ「待ってほしい」と言った。しかし彼女は「そんな時間はない」と焦りを募らせている。

 故郷を思っても、十分な賠償金が得られたわけでもなく、生活費も必要だ。今は福島市の民間借り上げ式の仮設住宅に住む。避難生活で夫が体調を崩し、自分が働かなければならないが「行き先が決まらないと仕事が探せない」。いっそ、除染などせず費用を生活再建の支援に充てて--。生活の不安を抱え、真剣にそう訴える人は若い世代を中心に他にも多く、すでに県外で生活基盤を築く人も増えている。

 もちろん「帰りたい」と願い除染に望みを託す人たちも多いが、若い世代の流出が進めば、いずれにしても町は住める場所ではなくなってしまう。

 津波や原発事故で町が丸ごとなくなるという危機を目の当たりにして、足がすくむ思いがしている。私も含めて人は忘れっぽいから、このまま放射線量が下がっていったら、この町の危機など忘れてしまうかもしれない。彼女のような苦渋の決断も忘れられてしまうかもしれない。せめて充実した生活支援策があれば「待つ」余裕のある人が増えるのに。

 原発避難者への生活支援は、単に個人を助けるだけでなく町や国の存続にかかわる問題だ。誰にとっても決して他人事ではないことだと思う。【泉谷由梨子】

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毎日新聞 2011年10月31日 地方版


引用ここまで

原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【被災地からの手紙:東日本大震災 生活支援で「待つ」余裕を /栃木】
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20111031ddlk09070082000c.html
です。
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ひなげし陽気』の中の---」の参考記事にさせていただきました。

大量のふん尿…畜産農家限界 福島・中島村

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福島第1原発:大量のふん尿…畜産農家限界 福島・中島村

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排せつ物がたまった牛舎で、牛が動けなくなっている。原発事故の影響で野菜農家が作付けを断念し、堆肥(たいひ)の提供先を失って窮地に追い込まれる農家が相次いでいる=福島県中島村で、森田剛史撮影


 たまっていく排せつ物の中で動けなくなった牛たちが、じっと飼い主を見つめている。東京電力福島第1原発から70キロ離れた福島県中島村。原発事故により野菜農家が作付けをあきらめ、肉牛農家が堆肥(たいひ)の提供先を失って大量のふん尿を抱えたまま行き詰まっている。放射性セシウム汚染による肉牛の出荷停止が解除されて2カ月余り。福島の農業が崩れつつある。【井上英介】

 「耕作農家が行き詰まれば、ドミノ倒しでうちも立ちゆかなくなる」。肉牛約600頭を飼う水野谷一徳さん(51)が、暗い表情で牛たちを眺める。ふん尿を保管する堆肥舎はすでに満杯であふれ出し、牛舎内でも70センチ近くたまっている。牛たちは足が完全に埋もれ、時折もがくように巨体を震わせる。

 牛はきれい好きで、衛生状態の悪い環境にいると強いストレスを感じ病気がちになる。水野谷さんの牛舎ではすでに半数近くが体調を崩している。

 一帯はブロッコリーやトマト、キュウリの産地。耕作農家が肉牛農家に堆肥をもらい、代わりに餌となる稲わらを提供するという循環が成り立っていた。33歳で肉牛を飼い始めた水野谷さんは、20年近くかけて近所の10戸と関係を築き、毎年堆肥1500トンを無償で提供。10戸は春野菜向けの3月と夏野菜向けの7月、計30ヘクタールの畑に施してきた。土作りに熱心で、冬前に3度目の堆肥を入れる専業農家もいた。

 ところが今年は原発事故で、農家の多くが春野菜の作付けを見送った。さらに風評被害も重なって耕作意欲を失い、夏野菜の作付けをあきらめた農家も多い。水野谷さんの元へ堆肥を取りに訪れた農家は今春ゼロ、夏も2戸にとどまる。

 堆肥について農水省は1キロ当たり400ベクレルの暫定許容値を設定。福島県は9月以降、肉牛や乳牛を飼う県内農家約3400戸を対象に線量検査を進め、許容値を下回れば耕作農家へ出すよう指導している。水野谷さんは汚染された稲わらを牛に与えておらず、堆肥の検査でも問題なしとされた。それでも耕作農家の間には、地元の堆肥を敬遠する空気も生まれているという。

 県からはふん尿を牛舎の外に出し、別の場所で適切に保管するよう助言されているが、「周囲に住宅が多く、無理に野積みすれば公害になりかねない」と頭を抱える。県によると、同じような状況に追い込まれている畜産農家は少なくない。

 福島県では8月25日に肉牛の出荷停止が解除された。水野谷さんの牛は9月上旬に検査で安全性が確認され、出荷を再開。しかし福島牛はなかなか買い手がつかず、震災前の半値にとどまる。運転資金が不足し、金融機関から1億円以上の融資を受けている。

 「BSE(牛海綿状脳症)の時は借金をしても何とか乗り切った。今回は風評被害が強まるばかりで、東電がいつ何をどこまで賠償してくれるのかも分からない」

 水野谷さんは最近めっきり酒量が増え、仲間から心配されている。

毎日新聞 2011年11月4日 2時30分(最終更新 11月4日 3時12分)

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* 【図説で見る】福島第1原発事故



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原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【福島第1原発:大量のふん尿…畜産農家限界 福島・中島村】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111104k0000m040098000c.html
です。
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ひなげし陽気』の中の---」の参考記事にさせていただきました。