セシウム137の土壌汚染 低放射線量の被曝で発癌率はどの程度増えるのか
4月3日追記:この記事を読むより先にこちらを読んで下さい。
「福島原発事故の放射能汚染レベルは、子供の立場で基準を決めろ」
http://hanakaikou.blog68.fc2.com/blog-entry-161.html
前回のブログを書いて、やや落ち込んだ私ですが、今日になって少し気持ちを楽にしてくれる資料をみつけました。
安心できるといえる情報なのかどうか、人によって意見の分かれるところだと思いますが、セシウム137による土壌汚染で発ガン率は増えるのかという疑問について、チェルノブイリの原発事故が発覚するきっかけとなったスウェーデンでの調査結果がありますので、ご紹介します。
「チェルノブイリではセシウム137で発ガン率が増えたという報告は無い」というようにテレビなどでは解説していますが、正確には、「正確な調査が出来ていないので分からない」、というのが実態のように思います。
それを補完するデータとして、スウェーデンで調査された報告があります。現象としては「増えているように見える」が、明らかに増えているか微妙な結果、という印象を持ちました。
二つの資料のURLを紹介し、その一部をブログに転載させてもらいます。
・チェルノブイリ事故の被害調査に終わりはない 今中哲二
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/tyt2004/imanaka-3.pdf
・チェルノブイリからの放射能汚染によりスウェーデンでガンが増えている?
京都大学原子炉実験所 今中哲二
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No104/CNIC0602.pdf
※二つの資料では放射線量の単位にキュリーとベクレルが混在していますが、このブログの一つ前の記事でキュリーとベクレルの換算方法を示していますので、それを見ながら単位を読み替えて下さい。
■チェルノブイリ事故の被害調査に終わりはない から引用
私(今中哲二)は正直なところ、被災3カ国(ウクライナ、ベラルーシ、ロシア)の今のセシウム汚染が普通の住民の日常生活にそれほど重大なリスクを及ぼしているとは思っていません。もちろん、汚染の強い地域に住んで多くの放射能を含んだキノコやイチゴを食べ続けている人は別ですが。ただ、病気が増えているという報告もあり、今後の調査が鍵になるでしょう。
そこで注目しているのは、スウェーデンのデータです。このデータはわれわれの持っている常識を越えています。スウェーデンでは2万平方キロにも渡る1キュリー以上の汚染地域で癌が増えるかどうか、学者たちが100万人規模の追跡調査を行いました。その結果、汚染レベルと癌の有意な関係が明らかになったのです。汚染地域に住む100万人のうち、およそ850人がチェルノブイリからの放射能汚染によって癌にかかっている。学者達も「まさか」と思うほど、驚くべき結果でした。
しかも被曝量に換算してみると、広島・長崎データから出てくる数字の10倍から20倍ぐらいの発癌リスクで、発症も被曝後2~3年後からと大変早い。普通被曝してから癌になるまで10年以上かかります。学者たちは、プロモーション効果(促進効果)があったのではないかと彼らは考えています。これが本当にチェルノブイリの被曝影響だったら、ベラルーシなどすべての汚染地域を含めると何万人も癌に罹っていることになります。
なぜスウェーデンで、こうした調査が実施出来たのかといえば、住民登録をしっかり行っていること、チェルノブイリ事故後に飛行機を国中に飛ばして詳細な放射能汚染データを作成していたこと、癌患者はすべて国家に登録される制度があること、などによります。特に癌登録制度は優れた精度で、まだ日本では一部医師会などの単位ではあるものの、国家単位では行われていません。疫学研究を実施するための三つの重要なインフラを持っているスウェーデンでのデータは大きな説得力をもっていると言えます。チェルノブイリ被災国のウクライナ、ベラルーシ、ロシアなどでもスウェーデンのようなシステムがあれば、もっと被害の実態が明らかになると思います。
(引用はここまで)
引用部分だけでは、むしろ心配になるような内容ですが、元の資料を読んでいただくと、人によっては「増えるといってもこの程度か」とも読める報告です。興味のある方は、参考までに、ご一読下さい。
(外部関連サイト)
■放射能の影響を考えるための参考サイト
武田邦彦さん(中部大学)のブログ
原子力の利用について参考になる情報を逐次発信しています
http://takedanet.com/
■ドイツ気象台による福島原発の放射性物質の拡散予想
※UTC時間で発生状況を表示しているので、
日本時間ではUTC時間より9時間をはやい段階での状況。
UTCを日本時間に直すにはUTCに9時間プラスする。24時で日付が変わる事に注意
http://www.dwd.de/bvbw/generator/DWDWWW/Content/Oeffentlichkeit/KU/KUPK/Homepage/Aktuelles/Sonderbericht__Bild5,templateId=poster,property=poster.gif
■ノルウェー気象研究所の拡散予想図
http://transport.nilu.no/browser/fpv_fuku?fpp=conccol_I-131_;region=Japan
■東京電力 随時更新中の最新情報 現在値
福島第一・第二原子力発電所モニタリングによる放射線の計測状況
http://www.tepco.co.jp/nu/monitoring/index-j.html
■環境放射能モニタリング測定値 - 福島県
http://www.pref.fukushima.jp/j/index.htm
■文部科学省まとめ 都道府県別 環境放射能水準調査結果
http://eq.yahoo.co.jp/
http://eq.sakura.ne.jp/
http://eq.wide.ad.jp/
■文部科学省HP
http://www.mext.go.jp/
■文部科学省 東北地方太平洋沖地震関連情報
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/index.htm
■茨城県環境放射線監視センター
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/houshasen/housyasensokutei.html
■新潟県 放射線監視センター
http://www.pref.niigata.lg.jp/houshasen/work_mpost.html
■静岡県環境放射線監視センター
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/home.html
または下のURLからリンク
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/
■東京電力URL ※プレスリリースで原発付近の放射線量の発表することがある
計画停電についてもこちらから
http://www.tepco.co.jp/index-j.html
■厚生労働省HP
「放射能汚染された食品の取り扱いについて」は厚生労働省のHPから検索できます。
http://www.mhlw.go.jp/
2011-03-28(22:33)
引用ここまで
原文は、ブログ『華との邂逅』の中の
【セシウム137の土壌汚染 低放射線量の被曝で発癌率はどの程度増えるのか 】
http://hanakaikou.blog68.fc2.com/blog-entry-159.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の