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2012年6月23日土曜日

菅谷昭さん 講演録(2012年3月31日)

引用ここから


菅谷昭さん(松本市長、医師)講演録

低線量被ばくをチェルノブイリから知る

「チェルノブイリのように、数年以上
経って深刻な健康被害が出てから
では遅すぎる。福島の子どもたちを
疎開させるべきだと思います」


菅谷昭さんは、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の被災者への
医療支援に現地で携わってきました。そこで目にした被ばく被害は
どのようなものだったのか。その経験を日本に当てはめると、
どんな対策が望まれるのか。具体的な事例を交えて語っていただきました。

2012年3月31日「カタログハウスの学校」より
構成/越膳綾子 撮影/山口規子



 もともと私は甲状腺の専門医で、信州大学に勤務していました。チェルノブイリの医療支援を始めたのは、事故から5年後の1991年。松本市に事務局があるNPO、日本チェルノブイリ連帯基金の活動に参加し、汚染地域の子どもたちの甲状腺がん検診などを行なうため、たびたびベラルーシ共和国を訪れました。その後、96年に大学を辞めてベラルーシに移り住むことを決意、首都ミンスクや汚染度の高いゴメリ州で甲状腺がんの手術など医療支援を続けました。ベラルーシには5年半ほど滞在したことになります。
 しかし、そのときの経験がまさか日本で生かされるとは思っていませんでした。日本はアメリカ、フランスに次ぐ3番目の原発大国。仮に事故が起きても対応できると言われていました。それが、福島第一原発事故によって、日本の原子力災害対策の未熟さが露呈したわけです。私たちは、常に被ばくの危険性と隣り合わせの日々を強いられるようになりました。
 被ばくによる人体への影響は、今も科学的に十分解明されていないことが多くあります。大量の放射線を一気に浴びる「高線量被ばく」は、すぐに皮膚がただれたり、潰瘍ができたりして被害が目に見えますが、放射線を少しずつ長期間にわたって浴び続ける「低線量被ばく」はなかなか症状が表れません。 ICRP(国際放射線防護委員会)は、年間100ミリシーベルト以下の被ばくを低線量被ばくと定めていますが、症状が表れるまで数年かかるため、被ばくとの因果関係を調査しにくいのです。しかし、すでにチェルノブイリ被災地で起きた事実は、今後、私たちがとるべき行動を示しています。
 チェルノブイリ原発は、ベラルーシとの国境沿い、ロシア西部にも近いウクライナの北端に位置します。爆発事故によって、広島の原子爆弾600発分もの放射性物質が空中に放出され、近隣の国や地域はもちろん、北半球全体を汚染しました。放射性物質は風に乗って100キロ、200キロ先まで飛びますから、チェルノブイリから遠く離れた場所でも高度に汚染される「ホットスポット」ができました。
 福島原発の事故によって、東京などにもホットスポットができたことは大きな話題となりました。広範囲にわたって放射性物質が広がり、大変な被害を受けたと思われる方は多いでしょう。しかし、外国からは被害者というより加害者として見られているのをご存じでしょうか。放射性物質は海にも流れ、世界中に被害が及んでいるからです。原発は、良い悪いの問題以前に、ひとたび事故が起きると被害がボーダレスであることを忘れてはいけません。

写真
菅谷昭さんの講演






事故後26年経つ今も人が住めない
チェルノブイリ原発の30キロ圏内。


 爆発事故が起きてほどなくして(注)、チェルノブイリ原発は「石棺」という対策がとられました。放射性物質を遮断するために、鉛やコンクリートで全体を覆ったのです。しかし、原発の30キロ圏内は今でも線量が高く、人が住むことができない居住禁止区域に指定されています。一応、除染作業はされているのですが、私から言わせれば"減染"に過ぎません。放射性物質は化学的に中和などできませんから、どんなに除染しても消えないのです。森林地帯に至っては、技術的に無理があるため、手をつけられないままの状態になっています。全ての木を切り倒して、根を抜いて、表土を全部除染することなど到底できませんからね。
 私は、ベラルーシに滞在していたとき、その30キロ圏内に入ったことがありました。非常に自然が豊かなところで、川が流れ、森が茂り、緑のじゅうたんが広がる大平原もあります。しかし、人影はなく、廃墟となった小中学校が残されたままでした。福島の光景を「ゴーストタウン」といって辞任に追い込まれた大臣がいましたが、ベラルーシの光景も似た印象を持つ方が多いと思います。
 それでも、なかには「故郷を離れたくない」といって居住禁止区域に住み続けている高齢者もいます。いったんは避難したものの、再び戻ってきて野菜を育て、家畜を飼って暮しているのです。日用雑貨などは、定期的にやって来る移動販売車で購入しています。
 ある日、その地域で子どもの姿を見かけたことがありました。あれ? と思って話を聞くと、ここに住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんから食料をもらいに来たと言います。彼らの両親の車には、豚肉や鶏肉、卵、トマト、キュウリなどが山ほど積まれていました。汚染度の高い地域で作られた作物ですから、当然、安全な食べ物とは言えません。それを食べる子どもたちは、被ばくのリスクが高まってしまいます。経済状況の苦しいベラルーシでは、生活のために苦渋の選択をせざるを得ない現実があるのです。

(注)チェルノブイリ原発を覆う石棺は、1986年11月に完成した。





事故から5年目に甲状腺がんが一気に増えた。
チェルノブイリ原発の30キロ圏内。


 子どもたちの被ばくリスクを高めた要因は、チェルノブイリ事故直後の旧ソ連政府の対応も大きく関係しています。旧ソ連政府は、近隣の住民たちに事故の情報を一切与えませんでした。原子炉が爆発した86年4月26日の5日後、5月1日はメーデーで、国で一番大きなお祭りです。大人も子どもも、放射性物質が降り注いでいるとはまったく知らず、外に出てお祭りを楽しんでいました。
 その結果、他にも原因はありますが、子どもたちの甲状腺がんが増えてしまいました。これは、IAEA(国際原子力機関)が唯一認めているチェルノブイリ原発事故の内部被ばくによる健康被害です。IAEAは原発推進の組織ですから、なかなか被ばくの被害を認めません。科学的、統計学的な根拠がないというのです。しかし、子どもの甲状腺がんに関しては、事故後10年目に認めました。あまりに数が増えて、認めざるをえなかったのです。
折れ線グラフ Thyroid cancer in children after Chernobyl (647cases) '86 2N '87 4N '88 5N '89 7N '90 28N '91 55N '92 68N '93 79N '94 82N '95 90N '96 84N '97 66N '98 54N '99 49N '00 24N
 甲状腺は、のど仏の下にあるチョウが羽を広げたような形の臓器で、ホルモンを合成しています。ホルモンはヨウ素を元に作られますが、ヨウ素には安全なヨウ素と、危険な放射性ヨウ素があります。甲状腺はこれらを見分けられませんから、放射性ヨウ素もそのまま取り込んでしまうんですね。放射性ヨウ素は甲状腺に蓄積して放射線を発し、細胞のなかのDNAを傷つけてがんになってしまうのです。
 本来、子どもの甲状腺がんは非常に珍しく、小児人口100万人に1〜2人が普通ですが、チェルノブイリ事故後のベラルーシでは、徐々に増加していきました。最初は年に1〜2人増える程度でしたが、5年目になると一気に28人になり、そのあとはうなぎのぼりで95年は90人になりました。医学的には、遅発性とか晩発性疾患と言いますが、被ばくから症状が表れるまでタイムラグがあることは、注意すべきポイントです。長期間にわたって継続したケアが必要になるからです。
 ベラルーシの子どもたちは、今でも年に1回、甲状腺の検査を受けています。幼いうちは何の検査かわかりませんが、成長するにしたがって「自分はチェルノブイリの事故で汚染された」と理解し、精神的な苦痛も伴うようになります。いじめや差別もありますし、「私は子どもを産めない」と悩む子もいるのです。従いまして体だけでなく、精神面に関しても十分なケアをしなくてはなりません。





「チェルノブイリ・エイズ」に苦しむ人々。
チェルノブイリ原発の30キロ圏内。


 現在のベラルーシはいわゆる独裁国家で、原発を建設しようという動きがあるようです。すでに情報統制も行なわれていて、チェルノブイリのことは口にしてはいけないと規制されています。しかし、現地の医師たちのなかには低線量被ばくの健康被害の治療にあたり、その深刻さを目の当たりにしています。
 私たちの知人の医師が、そっと教えてくれたことをお話しましょう。軽度から中等度の汚染地域では、「チェルノブイリ・エイズ」と呼ばれる症状が増加しているそうです。医学上の病名ではありませんが、汚染地域の居住者には、いわゆるエイズ(後天性免疫不全症候群)と同じように、身体の抵抗力が落ちている人が増えているのです。
 たとえば、ちょっとした風邪が治りにくかったり、すぐに感染症にかかったり……。最近では、小児の貧血も増えているそうですが、おそらく血液を造る骨髄などがダメージを受けているのでしょう。ぜんそくや皮膚炎などアレルギー体質が増えているという話もありました。免疫力が落ちるわけですから、呼吸で細菌やウィルスなどの異物を吸い込んだり、また皮膚に何かが付着したりしたときの正常な反応ができなくなっているのかもしれません。
 さらに、未熟児や早産、死産、先天性異常など出産に関わる影響も、この10年で増えてきています。日本では考えられないことですが、現在ベラルーシでは妊娠中の検査が厳しく言われています。もし検査をして異常が見つかったら、半ば強制的な妊娠中絶になるそうです。ベラルーシの経済状況では、障害のある子どもを守る福祉制度が十分でないからでしょう。もっとも、最近は中絶を勧めても産みたいという女性が増えているそうです。
 未熟児で産まれた子は、成長してからも大変です。各臓器が未発達のまま産まれるわけですから、その後、さまざまな健康障害が発生するのです。明確な根拠はありませんが、たとえば異常な疲労性があります。とにかく疲れやすくて、集中力が続かない子どもたちが増えているのです。子どもたちの体力が落ちて授業について来られないために、学校の授業時間を短縮するケースがあるほどです。
 ただし、これらの症状と低線量被ばくの因果関係は、科学的に証明されていません。世界中のどこにも、客観的な統計に耐えうるデータがないのです。チェルノブイリ事故が起きて26年、これからデータが集積されていけば何かわかることもあるかもしれませんが、それを待っていては福島の子どもたちがどうなるかわかりません。今は、現地で報告されている事実を大切にして、福島の子どもたちを低線量被ばくから守る必要があるのではと、私は思っています。

写真
講演中の菅谷昭さん




低線量被ばくを避ける3つのポイント。
チェルノブイリ原発の30キロ圏内。


 低線量被ばくは、影響が表れるまで時間がかかるだけに、日頃の自己管理が大切です。もう、みなさんもご存知のことと思いますが、被ばくには外部被ばくと内部被ばくの2種類があります。それぞれの影響を最小限にとどめるには、3つの注意点があります。まず外部被ばくからご説明しましょう。

①距離……放射線を発している線源から、できるだけ遠くに離れることです。たとえば雨樋など、放射性物質がたまりやすい場所には近づかないようにしましょう。

②時間……空間線量の高いところに長時間いないこと。

③遮蔽……線源に近づく場合には、鉛版などで放射線被ばくを防ぐこと。
 いずれも、自分で自分の身を守る術として、常に意識しておきたいポイントです。
 次に内部被ばくへの対策ですが、こちらも注意点は3つ。経呼吸器、経皮膚、経口という、放射性物質が体内に入るルートを遮断することです。

①経呼吸器……呼吸とともに放射性物質を吸い込んでしまうこと。マスクをしたり、ハンカチで鼻を抑えたりして遮断しましょう。

②経皮膚……粘膜や傷口から放射性物質が入るルートです。雨や雪の日には必ず傘をさし、雨水に濡れたらシャワーを浴びるなどの対応が必要です。また、長袖のシャツを着たり、帽子をかぶることなども心がけてください。

③経口……文字通り放射性物質が口から体内に入ること。つまり食事のことですが、汚染されていない食品を選ぶことが何より大切です。
 いったん体内に取り込まれた放射性セシウムは、しばらく蓄積し続けます。以前、日本の病院で研修を受けていたベラルーシの女性医師がいたのですが、彼女は現地では低線量汚染地帯にあたる町に住んでいました。医学的知識がありますから、外部被ばくにも内部被ばくにも注意を払っていたと言います。もちろん、食べ物も気をつけていました。
 ところが日本に滞在中、ホールボディーカウンターで体内の放射性物質を測ってもらったところ、セシウムが高く検出されました。本人は「きっと大丈夫」と思っていましたから、結果が出たときは大きなショックを受けていました。どんなに気をつけていても、汚染地に住むかぎり、セシウムなどの蓄積を完全に防ぐことは難しいのです。





福島の計画的避難区域は、
チェルノブイリの居住禁止区域に相当。


 2011年8月末、文部科学省はセシウム137の土壌汚染マップを公表しました。インターネットで誰でも見られるものです。警戒区域に指定された浪江町、双葉町などの汚染度は3000キロベクレル/㎡。計画的避難区域の飯舘村は1000〜3000キロベクレル。避難指示解除準備区域(2012年3月時点)の川内村周辺は600〜1000キロベクレル。区域指定されていない福島市や二本松市、郡山市などは60〜300キロベクレルとなっています。しかし、通常、国際的に使われているチェルノブイリ基準を参考にして比べると、やや気になる点があります。

地図
ベラルーシ共和国 放射能汚染図


地図
福島 放射能汚染図


 チェルノブイリ基準では、約1500キロベクレルで居住禁止区域にあたります。約500〜1500キロベクレルは厳戒管理区域。ここは、移住あるいは農業や食生活について国の管理と制限を受ける地域です。その次が約200〜500キロベクレル、そして約50〜200キロベクレルと段階がありますが、どちらも汚染地域と言われています。
 つまり、チェルノブイリ基準でみれば、飯舘村の一部はベラルーシでは居住禁止区域にあたり、川内村は厳戒管理区域にあたるのです。大変残念なことではありますが、汚染の程度は想像以上に厳しい状況にあると言わざるを得ません。
 私は、本音をいえば福島の子どもたちを集団疎開させたほうがいいと思っています。申し訳ないけれど、ある一定期間はきれいな空気のところに住まわせて、安全なものを食べさせ、体内に取り込まれた放射性物質が排泄されるのを待つのです。すでに自主避難している子もいますが、可能であるならば、原則としてすべての子どもを移住させるような対策を、政府が考えてほしいものです。
 経済的な問題はあるでしょうが、チェルノブイリのように、数年以上経って深刻な健康被害が出てからでは遅すぎます。国策として、学校単位で子どもたちを疎開させるべきだと思います。
 放射性物質は目に見えないし、臭いもしない。でも、空気や土壌、水までも汚染する本当にやっかいなものです。私たち日本人は、常に生活のなかに放射性物質がある状況になったことを、真正面から受け止めなくてはなりません。客観的事実をもとに、原子力災害を勉強して賢くなるしかないのです。そのための一つの材料として、チェルノブイリの経験が生かされることを願っています。



引用ここまで

原文は、『カタログハウス』の中の

【週刊通販生活トップページ  >  読み物:菅谷昭さん講演録「チェルノブイリのように、数年以上経って深刻な健康被害が出てからでは遅すぎる。福島の子どもたちを疎開させるべきだと思います」】
http://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/genpatsu/sugenoya/
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「放射能は怖いか怖くないか 」の参考記事にさせていただきました。

2011年10月12日水曜日

食品による内部被ばくを防げ!これが放射能対策11カ条だ

引用ここから



食品による内部被ばくを防げ!これが放射能対策11カ条だ
2011.10.12

 福島第1原発事故から半年以上経つのに食品の放射能汚染への不安が消えない。市場に出回る食品は随所で検査が行われているが、仮に食品中に放射能が含まれていたとしても、簡単に落とせる方法がある。特別なものは必要なく、料理もよりおいしく仕上がる“秘策”とは。

 【内部被曝にご用心】

 一般的に、放射能の影響を受けやすいのは、成長過程にある乳児や胎児、そして子どもたちといわれている。わが子のことは心配でも、「自分は中高年になっているから安心」。実はそうは言えない状況があった。

写真
食品ジャーナリストの椎名玲さん


 『永久保存版 肉も野菜も魚もこれで安心 放射能を落とす下ごしらえ』(中央公論新社刊)を共著する食品ジャーナリストの椎名玲さんが説明する。

 「学者によっては放射能の影響を受けやすいのは、45歳くらいまでといいますが、それ以上の年齢ならば安全と裏付けられる科学的なデータは、まだはっきりとしていません。諸説がある中で、データが圧倒的に不足している。年齢や性別を問わず、誰もが注意するに越したことはないといえます」

 最も注意すべきことは、食品による内部被曝だという。チェルノブイリ事故後にオーストリア人の被曝経路を調べたデータでは、80%が食品からだった。椎名さんは、「食品に気をつけた人とそうでない人では、汚染度に約2倍もの差が出たとの報告もあります」と指摘する。

 【流水で洗う、湯がく】

 市場に出回る食品には、暫定規制値が設けられ、検査を受けたものは安全とされている。でも心理的な不安は残る。それを払拭するには、ひと手間加えて食品を下ごしらえすると、放射性物質を減らすことができるという(別表参照)。

 「昔ながらのおばあちゃんの知恵を活用し、食材を下ごしらえするだけで放射性物質を減らすことができます。ひと手間加えるだけで、料理もおいしく仕上がるでしょう」(椎名さん)

 流水で洗う、あるいは、湯がいたり、ゆでこぼしたり…。ちょっと面倒でも、そのひと手間が放射能から身を守るために重要という。

 外食についても、「下ごしらえをきちんとしているお店を選ぶようにしましょう」と椎名さんはアドバイスする。

 【ミネラルをたっぷり】

 放射性物質が身体に取り込まれないようにするには、食材選びもポイントになる。

 「放射性物質のセシウムやストロンチウムは、ミネラル類に属します。そのため、汚染されていない必要量のミネラル類を体内に満たしておけば、セシウムやストロンチウムは、体に吸収されにくくなることは考えられます」

 椎名さんのおススメは、3食のうち1食は玄米を食べることと、味噌、梅干し、海藻類など。昔ながらの和食だ。ただし、高血圧の人は減塩味噌を使うなど塩分増加に注意を。偏った食生活も×。ミネラル分をたっぷり含むバランスの良い食生活を心掛けることが大切だ。

 「食品の安全基準を裏付ける十分なデータがない以上、安全基準は個人個人が考えるべきです。ご自身を内部被曝からどう守るのか、今一度、考えていただきたいと思います」(椎名さん)

 この際、メタボ退治も兼ねて食生活を見直してみてはどうか。

 ■しいな・れい ジャーナリスト。食品や健康など生活に身近な問題を手がける。原発問題の取材は2003年からはじめ、各誌で記事を掲載。元早稲田大学総合研究機構客員研究員

★放射能を落とすための「下ごしらえ」

□野菜などの食材は水道水を流したまま、流水で洗う

□指やスポンジなどで食材をこすり洗いする

□野菜は、水を張ったボウルに重曹をひとつまみ(小さじ1杯程度)入れ、その中に数分(長くても5分)浸した後に流水で洗う

□野菜や果物は、よく洗った後に皮を厚めにむき、細かくカットする

□皮をむいたりカットした野菜は、ボウルに張った冷水に数分さらす

□ボウルに張った水に塩や酢を入れて食材を浸してもOK

□沸騰している湯に食材を入れて数十秒ゆがく

□肉や魚は、表面に熱湯をかけたり、熱湯の中に入れて振り動かす、湯通し&湯ぶりをする

□食材を茹でるときには、ひと煮たちしたら湯を捨てて、ゆでこぼす

□肉や魚は血抜きをする

□カキなどの貝類は、大根おろしで洗う

※『放射能を落とす下ごしらえ』(中央公論新社)から


引用ここまで

原文は、ZAKZAK ニュースサイトの中の
【食品による内部被ばくを防げ!これが放射能対策11カ条だ】
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20111012/dms1110120830002-n1.htm
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「放射能は怖いか怖くないか
の参考記事にさせていただきました。

2011年9月23日金曜日

子ども守りたい 食事で内部被ばく防げ 高松の白石さんが講演

引用ここから


栃木

東日本大震災:子ども守りたい 食事で内部被ばく防げ 高松の白石さんが講演 /栃木

 ◇酢や塩使う・前処理せず焼く・油料理避ける→放射性物質低減
 ◇高松の白石さんが那須塩原で講演、母親ら750人

 福島第1原発事故による放射線から子どもの身を守りたい--。こうした思いを抱く主婦が企画した講演会「内部被ばくを防ぐための調理法と栄養学」が21日、那須塩原市であった。台風が接近する中、幼い子を抱えた母親ら約750人が会場の黒磯文化会館を埋め、熱心に聴き入った。

 講師は「福島原発事故 放射能と栄養」の著書がある白石久二雄さん(61)=高松市。放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センターの元内部被ばく線量評価室長で、チェルノブイリ原発事故の現地研究にも携わった。

 白石さんは、酢や塩を使う▽前処理せずに焼く▽油料理は避ける--などで放射性物質の低減につながると解説。肉は食塩水や酢に浸けると、放射性セシウムは30~50%除去でき、鍋料理だと80%以上除去できる。魚は、内臓や頭・骨・ヒレを除くとストロンチウム、食塩水や酢に浸けるとセシウムが除去されるという。イモ、海藻類を含んだ食物を摂取し、排せつを促進させることが重要などとアドバイスした。

 生後7カ月~5歳の3人の子の母親、高根沢麻奈美さん(36)は「情報が少なく、子どもも幼いので被ばくが心配。アドバイスを参考に被ばくを避けていきたい」と話していた。【柴田光二】

【関連記事】
* 福島第1原発:放射性ヨウ素131 南部でも高い地域
* セシウム:最終処分場排水から基準超え検出 群馬
* セシウム検出:政府は南相馬と伊達のクリ出荷停止を指示
* 福島:県内初の一般米の出荷始まる 「出来は最高」
* 福島第1原発:2号機建屋の上部でセシウム濃度が減少


毎日新聞 2011年9月22日 地方版


引用ここまで

原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【東日本大震災:子ども守りたい 食事で内部被ばく防げ 高松の白石さんが講演 /栃木】
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20110922ddlk09040134000c.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「放射能は怖いか怖くないか
の参考記事にさせていただきました。

2011年5月9日月曜日

放射能を取り込みやすい食べ物


検索でここにいらしたかたには、
原画のある、nanohanaさんのブログ記事 放射能を取り込みやすい食べ物と、
この絵のデータ元 ベラルーシの部屋ブログをお勧めします。

元サイトが万一アクセスできなくなったときのため、画像や記事を予備保存しております。
ひなげし陽気』の中の「放射能は怖いか怖くないか」の参考にさせていただきました。

2011年3月31日木曜日

「菅谷昭」松本市長記者会見

引用ここから


「内部被曝とは」チェルノブイリ周辺で甲状腺癌治療に従事した「菅谷昭」松本市長記者会見の抜粋
2011.03.29 04:00:13 by 深水英一郎(ふかみん)

菅谷昭(すげのやあきら)さんは、元医師であり、現長野県松本市長です。チェルノブイリ原発事故の放射能汚染により小児甲状腺ガンが増えていた東欧ベラルーシ共和国の国立甲状腺ガンセンターで医療支援活動をおこなってきたという経験をお持ちの方です。

医師として放射能汚染と対峙してきた菅原さんが、市長会見にて記者の質問に答えるという形で今回の福島原発事故について述べておられますので、その部分を抜粋して転載させていただきました。内部被曝(ないぶひばく)について、そして、5年10年先を見通した対策を訴えかけておられます。内部被曝に関する議論の際参照しやすいよう、現在話題となっている上記部分についてのみ抜粋して記事化させていただきました。コメントなどは記事下のコメント欄へお願いします。

===(ここから 転載)===

【記者】
 東京電力福島第1原子力発電所の事故に起因する、放射能汚染というのが、ほうれん草であるとかクキナであるとかそういったものを出荷停止というような確か報道だったと思いますけれども、そういったようなことも現実的におきてきて、市長が以前お話になっていた土壌汚染というのが現実的なものとなってきたのですが、実際にですね、果たして内部被曝というようなことも市長おっしゃってたのですけれども。
 そういったものをですね、はたして食べても安全なのかどうなのかというところが少し心配になってくるのですけれども、市長のチェルノブイリで医療支援活動された経験から、その辺のご見解をもう一度伺えればいいなと思ったのですが。

【市長】
 はい、それでは今の記者のご質問ですけれど、私ずっと常々というか最初からこの件に関しては、報道の皆さんにも場合によっては社が違う場合かもしれませんけれども、私の言葉として表現されているのは、とにかく核の事故という、放射線の事故というのは最初からある意味では最悪の事態を想定したかたちで先手、先手として手を打っていく事が大事じゃないかといことは、私が5年半の経験をもとに日本に帰ってきてからそう思っておりました。

 しかしそういう中でまさかこういう状況になると思っておりませんでした。

 それは私、皆様のご質問に対しては、一つは20キロの避難ですけれど、できれば30キロまで広げたほうがいいのではないのかなということを申し上げ、あわせて予防的に無機のいわゆるヨード剤を投与しておいたほうがいいんではないのかなということも申し上げましたし、場合によっては避難ではないのですけれど、やはり50キロ位、チェルノブイリの場合だと30キロゾーンは人が住めないわけですけれど、チェルノブイリと同じにしてはいけないのですけれど、そしてできれば50キロ位までの範囲っていうのは注意したほうがいいのではないかなと。それくらいやはりいわゆる大気汚染が広がるよということを申し上げたとこでございます。

 それからまた特に乳幼児とか妊産婦に対してはヨード剤の予防投与ということは、これはまさに内部被曝の問題なんですよということを申し上げきたんですね。

 どうしても政府を含めて皆さん方は外部被曝のことだけを取り上げているので、そうではなくて皆さん3つの点に注意してください。

 一つはマスクをしてください。なぜマスクをするかというと、汚染されていて、これに浮遊している放
射性の降下物が鼻から気道ですね、気管をとおして肺に入ってそれが吸収されて血液の中入って体に蓄積されるということですね。

 それから二つ目は肌は露出してはいけないということ。これは皮膚からですよね。いわゆる吸収されて体の中に入ちゃいけない。

 もう一つは口から入るっていうこと、この三つなんですね。

 ですから経気道的、経皮、皮膚ですね、それからもう一つは経口的なんですよ。この三つが経路になっているんです。

 ですからできるだけここに取り込まないようにってことを言っているのです。

 取り込まれたらどうなるかっていうと、その放射性物質が放射性ヨードであり、セシウムであり、ストロンチウムであり、プルトニウムであって、それらが入ると大変なことになりますよ。

 これは今じゃなくって5年、10年、30年セシュウムとかストロンチウムの半減期が30年ですから、放射性ヨードの半減期は1週間ですけれども、そういうようにですね、取り込まないようにって言っているにもかかわらず(編註:単位の話につきカット)、今回のほうれん草の場合でも日本の基準で 2000ベクレル/キロですよね。/リッタ―という事でいうと倍になっていて、そういうなかでもってそれを要するに食べてもいいかって言われたら、語弊がありますが、できるだけ口にしないほうがいいだろうっていうのは、これは現地行った者としては、本当に言いたいのは子ども達やあるいは妊産婦、胎児の命を守るという意味でいったら5年とか10年、チェルノブイリでもって甲状腺がんの子どもが増えたのが5年後なんですよね。

 5年後から出てきているんですよね急激に。そしてその事故前の時の子どもの発症率というのは100万人に1人か2人でこれはチェルノブイリのとこも同じなんですよ。

 それが汚染地になるとそれが100倍になったり、ひどい時には130倍ですね、ゴメリ市なんか。

 だから将来のことを考えれば、これは本当に申し訳ないけれど、作っている方々に。しかしこれはそんな事を言っても色々ありますけれど、風評ではなくて事実として、これはやはり押さえておかなければいけないと私は思って、パニックでなくて国民も冷静に聞いてくれて、そして今の時期は食も少しひかえてもらうということ、そのためにも早くに放射性ヨードをやらないと、もう入ってしまったら終わりなのです。

 私はですから前から予防適応しておいた方がいいですよって、みんな今政府においては後手後手ですよね。

 避難している人たちも放射性ヨードっていうけれど、もう避難しているわけですから、避難中に被曝して入ってしまえばいくら後でやっても遅いのです。

 そういう事がちっともわかっていないってことが、きわめて残念だってことを申し上げたいですね。

 ですから原発のあそこの今の状況は、是非ともこれは国をあげ、それから海外の力を借りてあそこをとにかく消火する。

 外に放射性物質を出さないってことは最大限やってほしいのだけれど、私はもう一つもう一番最悪であった土壌汚染ということは、これまさに環境汚染。水も汚染ですしそれから食物も汚染、これ出てしまったんですね。 

 ですから次は経路汚染、経口的になるからだから取り込まないようにするってことは当たり前のことなんですけれど、それが抜けちゃっていることで「安心、安心」って放射線1回浴びることは、そんな問題ではないですよね。

 あれは外部被曝なんですよね。皆さんだって検査された時にエックス線浴びるわけですよね。それは1回だけですよね。そうじゃないんです。入ったものは沈着して抜けない、そして今やこれからのことは、いわゆる放射能沈着という表現しますけれども、放射線降下物、フォールアウトですから、今舞っているのが下に降りますから、落ちると土壌が汚染されます。

 当然土壌とそれから水だって汚染されます。一方で葉物ですよね。葉っぱの上にやはり降下するわけじゃないですか放射性物質が。で、それを牛や羊が食べるわけじゃないですか。そうするとそれが放射性物質が今度はお乳の中にでるわけですよね。

 そのお乳を人間が飲むわけですよ。これがいわゆる食物連鎖というわけですよね。

 またその土壌の中に落ちたというようになると、そういう食べた牛やヤギが糞とかおしっこを出します。ここに放射性物質が溜まりますから、それがまた地面、土壌を汚染するこれ悪循環、これ食物連鎖やってるわけです。

 また汚染された土壌からは今度はセシウムのような物がですね。今度は葉物じゃなくてようするに根菜類ですかね。根からまた吸収されますから、特にセシウムなどは消化管からほとんどが吸収されるってこともわかっているわけですから、それから放射線なら甲状腺に集まってしまうわけですから、ですからそういうことが事実としてとらえてですね、やはり報道していくのは国からもいかないと、単に「冷静に行動してください」とか、なんと言いますかね数的なもので被曝がこうでじゃなくて5年、10年日本でやはり、だからもし将来ですね、わかりませんけれど悪性の新生物が日本で増えてきたような状況の時にはいったい誰が責任とるんでしょうかね。

 だからそういう意味で今言ったように、できるだけ放射性物質を体に取り込まないような注意をお互いにしていったほうがいいのではないかな、というようなことであります。

 そういう意味でも今後全国でも食品に対しては多分汚染の状況をチェックしてくださいという言葉がいろいろ出てくる思います。

 心配ないものは本当に食べていいです。私自身は汚染地でジャガイモを食べたり人参食べたり玉ねぎ食べたりやってきていますけれども、できれば大人はまだいいですけれども、これから生まれてくる子どもや、あるいは小さい子供というのはそういうことの無いようなことをしてあげなければいけない。

 そこで放射能の許容レベルは、先ほど記者が言われたように、これは許容レベルというのはあるんですけれども。

 例えば事故の時にポーランドでは、事故から4日目なんですけれども、国の命令ですよね。

 それで乳牛に新鮮な牧草を与えることを全国的に禁止しているんですよね。

 それから100ベクレル/リッターということは100ベクレル/キログラム以上の汚染ミルクを子どもやあるいはまた妊娠、授乳中の子どもが飲むことを禁止しているとか、4歳以下の子供は原則として粉ミルクを飲ませる。

 この時は急きょ粉ミルク不足の分はオランダから緊急輸入をしている。

 それから子どもや妊娠、授乳中の女性はできるだけ新鮮な葉菜類、葉物は摂取を控えるように指示している。こういうふうに対策をとったんですね。

 ですから今回の場合に、これが1000ベクレルですから、ほうれん草なんか4000ベクレルですから、そういう意味では、やはり残念だけれども、特に生産者は本当に気の毒ですけれども、子どもたちの命、将来のことを考えれば、この場は政府が最大限に保証してあげるということで、しばらく汚染の状況が安全のところまで行くまでは、それはミルクもそうですね。

 これは1987年ということで、1986年が原発の年ですけれど(編註:チェルノブイリ原子力発電所事故が発生したのは1986年4月)、 1987年ヨーロッパの食品の放射能の限度というか安全許容量を出しているのが、有名なネイチャーという雑誌に出ているんですけれども、これは乳製品だと、これはバターとかミルクとかチーズとかアイスクリームとかはセシウムは1000なんですね。ヨウ素が500なんです。ストロンチウムが500、プルトニュウムが20ベクレル/キロです。

 乳製品以外の食品というものがありまして、これはそれ以外のものですね。これがセシウムが1250、ヨウ素が3000、ストロンチウムが3000、プルトニウムが80。

 それから飲料水がセシウムが800、ヨウ素が400、ストロンチウムが400、プルトニウムが10ということで。

 また家畜の飼料は、セシウムが2500と、このように一応基準は設けてあります。

 多分これに準じて日本の場合もこうやってあるんだろうと思いますが、きちっとしたものは無いんですけれどね。

 各国違います。しかし大体この一つの基準というのはあるわけで、どれがいい、どれが悪いんじゃなくて、ご承知の通りチェルノブイリだってあそこの30キロゾーンでなくて100キロ以上離れたところで、ホットスポットって言いまして、ある場合には雨の状況で、日本は雪ですけれど、それによってはフォールアウトが、ある所に集中的にポンポンと点状に落ちる。だからそういう所で生産されたものというのは当然汚染されるわけです。

 そういう意味で今回私も意外だったのは、茨城の方で高濃度って何故かって、これは当然大気汚染であちこちに汚染された大気があるわけですから、その中に雨が降って雨の粒の中に、私が前に言ったように「雨とか雪は注意した方がいいですよ」と言ったら、雪が降ってしまいましたけれど、そういうのはやはり放射性降下物も含まれて落ちるわけですから。

 そういう所、残念ですけれど、そういう所の場合は可能性はあるということを、一応私は、皆さんをパニックではなくて「こういう事実がありますよ」ということを知っておいてもらった上でもって冷静に対応してもらうって、こういう表現をしていかないと、ただ単にエックス線で当てて1回でこうだとか、そういう外部被曝のことを言われるので、これは私は、もしかしたら菅総理大臣が自ら国民に向かって「こうなんだ」って、とにかく子ども達や、あるいは妊産婦を含め胎児たちの命を守るんだと、将来のことを考えて、ということを言わないと、私はいけないと思っております。

 これは誤解なきように、皆さん方ある言葉だけを出されますから誤解されて、私いつも言われてしまうんですけれど、そうではなくて、もし心配だったら全部出してください。

 そうでなかったら出さないでください。それくらいの私は皆さんに今、私自身がチェルノブイリで経験したことをお話ししているわけですから、決して政府を批判ではないんですけれど、事実としてとらえてほしい、しかも国民の皆さんは落ち着いてくださいと、こういう事があるけれども、安心なものは食べていいですからということで私は申し上げております。

 私自身も5年も汚染地で向こうの人と同じものを食べてきたわけです。

 だから、実際に言えるのは甲状腺のがんに関して放射性ヨウ素がこんなに高いのに、昨日の長野県の、今日の報道を見ていますと、その4000ベクレルじゃないですけれども「ほうれん草を洗わないで500グラム食べても安全だ」というそういう県からもしメッセージを出しているようでしたら、報道を見た限りですけれど、これが事実であれば大変な事を言っているなということで、やはり相談にのる人も慎重な答をしていかないと、安心安全と言っても新聞の社説によっては、安心安全冷静ということは、もっと具体的に出してもらわないと私わかりませんよというのは、私はあの通りだと思うんです。

 内部被曝の問題は一切出してないし、食物連鎖の話も一切出してないです。

 しかも5年10年先のこと出してないですね。

 私はそういうことも出していかないと、国民がうんと不安に思うから、敢えて今日は申しあげたところでございます。

 是非とも報道の皆さんも、ある意味では刺激的なタイトルで出す。それはやめてください。私は事実を申し上げただけでございます。

 皆さん、全部出してください。出さないから、そこだけ取っちゃうから読んだ市民が非常に不安になるから、今日お願いしたいのは書けないんだったら出さないでほしいということ、皆さんの中でご理解いただきたいとこのように思っております。以上です。

【広報国際課長】
 他にあるでしょうか。よろしいですか。以上で記者会見を終了させていただきます。

【市長】
 ありがとうございました。

===(ここまで 転載)===

※この記事は、松本市の市長会見議事録を抜粋転載させていただいたものです。詳しくは元の議事録をご覧ください。
※明らかな誤字は修正しました。また、適宜改行や太字などを入れました。太字箇所は、記者が重要だと感じた部分であり、転載元には太字での表現はありません。
※上記以外は手を加えておりません。
——

※参考資料や元記事のリンクなどはガジェット通信本サイトでまとめてあります。配信先で記事をご覧になっている方は、ここから、ガジェット通信本サイトをご覧ください。

参考)
YouTube - プロジェクトX 挑戦者たち チェルノブイリの傷 奇跡のメス
http://www.youtube.com/watch?v=cJu-rU4-Xyk
NHKのプロジェクトX。菅谷さんが登場します。

市長記者会見(2011年3月22日)
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/kaiken/teirei20110322/index.html
記者会見ページにはビデオもあります。

講演録 「チェルノブイリで子供たちに何が起きたのか(1999年8月)
http://www.kisnet.or.jp/net/sugenoya.htm
1999年の講演録です。



引用ここまで

原文は、ガジェット通信サイトの中の
【「内部被曝とは」チェルノブイリ周辺で甲状腺癌治療に従事した「菅谷昭」松本市長記者会見の抜粋】
http://getnews.jp/archives/107185
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の「放射能は怖いか怖くないか」の参考記事にさせていただきました。

2011年3月23日水曜日

ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の 小児甲状腺ガンの現状

引用ここから


ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の
小児甲状腺ガンの現状

 

菅谷 昭,ユーリ・E・デミチク,エフゲニー・P・デミチク

国立甲状腺ガンセンター(ベラルーシ)
 

はじめに

1996年4月,オーストリアのウィーンにおいてIAEA(国際原子力機関),WHO(世界保健機関),EU(欧州連合)の3者による合同国際会議,「チェルノブイリ事故から10年」が開催され,その時の総括として,現時点でこの事故と因果関係が明らかであると特定される健康障害は,小児の甲状腺ガンのみであると報告された1.一方,白血病やその他の疾病については,今後の経過をみないかぎり科学的に明確な結論をだすことはまだ時期尚早と述べている.

1990年以降,ベラルーシ,ウクライナ,ロシアのCIS3カ国における小児甲状腺ガンの著しい増加は共通の現象として確認されている.ちなみに,1995年末までに,この3ヶ国で約800名の小児が甲状腺ガンの治療を受け,そのうちの半数以上はベラルーシ共和国で発見され,外科治療が実施されている.さらにこの総括報告書には,1986年の事故当時15歳未満の小児から,科学的根拠の裏付けは乏しいものの,今後数1000人の甲状腺ガンの発生が予測されると記載されている.もしこれが事実であるとするならば,長期的かつ用意周到な対策を早急に立案し,その準備を講じておかないと,高度の汚染を被った国々では,近い将来,人類史上に類を見ない大きな禍根を残すことになりかねないであろう.

本稿では,ベラルーシ共和国における小児甲状腺ガンの実態に関する概略について述べる.チェルノブイリ事故後,甲状腺ガンが急激に増加をはじめると,ベラルーシ政府は,甲状腺ガン専門の診療・研究機関として,1990年保健省の管轄下に国立甲状腺ガンセンターを設立し,その責任者に,長年にわたりベラルーシにおける甲状腺疾患治療の第一人者として活躍してきた,ミンスク医科大学腫瘍学講座のデミチク教授を任命した.そして,ベラルーシ国内における小児甲状腺ガンの外科治療は,原則としてすべてセンターで実施されることが取り決められた.本稿の資料は,ベラルーシ国立甲状腺ガンセンターで手術を施行し,病理組織学的に甲状腺ガンと最終診断された症例に基づいて作成されたものである.

小児甲状腺ガンの現状

ベラルーシ全土における小児甲状腺ガンの患者数は表1に示す通りである.すなわち,事故前11年間(1975~1985)ではわずか7名であった.しかし,事故後の11年間(1986~1996)では508名と著明に増加し,それは事故前に比べ72倍にも達している.一方,成人についてみると,前者では1342名,後者では4006名と約3倍に増加している.しかしこの場合には,診断技術の向上や検診機会の増加といった「見せかけ」の要因を考えると,必ずしも事故による被曝にともなう増加とは言えず,今後のさらに詳しい追跡調査を継続する必要がある.

表1 ベラルーシにおけるチェルノブイリ事故前と事故後の甲状腺ガン数
大人
(15歳以上)
子供
(15歳未満)
1975-1985
1342
7
1986-1996
4006
508

 
甲状腺ガンセンターに紹介されてきた小児甲状腺ガン患者508名の出身地(州)を分類すると,ウクライナと接する高汚染州であるゴメリ州(268名:52.8%)およびブレスト州(122名:24.0%)からの小児が圧倒的多数を占めるという明らかな地理的特異性を示している(図1).

図1 ベラルーシにおける小児甲状腺ガンの地域分布(1986~1996年:508件)

また,小児甲状腺ガン患者508名の誕生日を,チェルノブイリ事故を中心に3群に分類すると,事故前誕生例は497名(97.8%),事故当時誕生例は6名(1.2%),事故後誕生例は5名(1.0%)と,ほぼすべての小児が事故前に生まれていることが明らかとなった.さらに,1995年までの患者420名を基に,子供たち(手術時に15歳未満)の事故当時の年齢分布をみると,0~4歳が66.2%,5~9歳が31.4%,10~14歳が2.4%と,半数以上の患者が乳幼児期に区分される極めて若年齢の小児であった(表2,図2).ただし,事故後に生まれた4名は除外してある.

表2 小児甲状腺ガン患者の事故当時の年齢分布
(1986~1995)
地域
人口
(万人)
小児甲状腺
ガン数
年齢別 甲状腺ガン数
0 - 4
5 - 9
10 - 14
ブレスト州
152
97
68
27
2
ビテプスク州
130
7
4
3
0
ゴメリ州
167
225
149
72
4
グロードゥノ州
116
24
12
11
1
ミンスク州
141
20
14
5
1
モギリョフ州
127
21
14
6
1
ミンスク市
163
26
17
8
1
ベラルーシ全体
996
420
278
132
10
%
 
100
66.2
31.4
2.4
注:人口は1986年の値で大人も含まれる.

図2 小児甲状腺ガン患者の事故時の年齢分布

次に,ベラルーシ共和国における小児甲状腺ガンの発生頻度についてみると,事故前は小児10万人あたり年間0.1件と,世界のそれとほぼ類似の値を示していた.しかし,90年1.2件,92年2.8件,94年3.5件,95年4.0件,96年3.8件と明らかに上昇していることが判明した.そこで,これらの年度別発生頻度を,高汚染州であるゴメリ州に限定してみると,90年3.6件,91年11.3件,95年13.4件,96年12.0件と,91年以降は世界的平均の100倍以上にも達している.またブレスト州でも,96年は7.3件であった.これは極めて異常な事態と言わざるを得ない.一方,非常に軽度の汚染州であるビテプスク州では93年以降0件のままである.

ここに示した幾つかの臨床科学的データは,ベラルーシ共和国で急増する小児甲状腺ガンが,チェルノブイリ原発事故による放射能汚染によって誘発された可能性を強く示唆している2.なかでも,事故によって大量に放出された,ヨウ素131(半減期8日)などの放射性ヨウ素による甲状腺の被曝が最大の要因であろう.甲状腺では,ヨウ素を原料として甲状腺ホルモンの合成が行われるため,体内に摂取された放射性ヨウ素のほとんどすべては甲状腺に集まる.甲状腺に取り込まれた放射性ヨウ素による,局所的で集中的な事故当時の内部被曝の結果が,現在甲状腺ガンとなって現われていると考えるのが最も論理的である3,4.事故後に生まれ,ヨウ素被曝を受けていない子供たちに甲状腺ガンがほとんど認められていないことも,強力にこのことを裏付けている.しかし,発ガンのメカニズムに関する直接的な証明は現時点では極めて困難であり,またガン発生と被曝量との関連性についても今なお明確な結論が得られておらず,今後も詳細な基礎的検討が継続されるべきであろう.

ここで,最近の甲状腺ガン症例数の推移をみると,1995年に当ガンセンターで外科治療を受けた小児(15歳未満)は91例であり,96年は84例,97年は5月末までに27例と,漸次その数が減少する傾向にある.一方,93年頃より,15歳を超えた青年層の甲状腺ガン患者が増加してきている.具体的な数字を示すと,90年4例,91,92年はいずれも1例,しかし,93年になると25例,94年21例,95年25例,96年は10月末までに26例に手術が施行されている.つまり,事故当時に子供であった人々の年齢増加とともに,甲状腺ガン患者の年齢も上昇する傾向が認められている.また,これら10代後半の患者においても,小児の場合と同様に,明らかな地理的特徴,すなわち,高汚染州であるゴメリ州とブレスト州出身の患者が全体の70%を占めていることが明らかとなった.

今後は,これまで小児甲状腺ガンとして現われてきた事故影響が,10代後半,さらには大人の甲状腺ガンへと移行するであろうと推測される.

今後の問題点

若年齢の小児期に既に外科治療を受けた患者たちが,現在,思春期や青年期を迎えており,彼ら,ことに女の子たちは,間近に迫った結婚や妊娠,出産,そして生まれてくる子どもへの遺伝的影響などに大きな不安を募らせている.なかには,結婚や出産を回避しようとしている若年女子も見られている.

このようにチェルノブイリ事故による健康障害への影響は,今まさに始まったばかりである.今後,成長期にある小児のみならず彼らの親たちに対する臨床および社会心理学的ケアーの重要性がクローズアップされてくるものと考えられる.医療支援の取り組みの一環として,この方面からの教育的アプローチも考慮される必要があろう.
 

文献

1. ONE DECADE AFTER CHERNOBYL: Summing Up the Consequences of the Accident, Proceedings of an International Conference, Vienna, 8-12 April 1996, IAEA STI/PUB/1001.
2. Kazakov V.S., Demidchik E.P., Astakhova L.N. et.al., Thyroid Cancer after Chernobyl, Nature 359, 21-22, 1992.
3. Socalow E.L., Hashizume A., Nerishi S. et al., Thyroid Carcinoma in Man after Exposure to Ionizing Radiation, N.Engl.J.Med., 268, 406-410, 1963.
4. Maron H., Thomas S., Saenger E., et al., Ionizing Radiation and the Induction of Clinically Significant Disease in the Human Thyroid Gland, Am.J.Med., 63, 967-978, 1997


引用ここまで

原文は、こちらです。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Sgny-J.html
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。

ひなげし陽気』の中の
放射能は怖いか怖くないか
「海藻は効かない」の嘘
本当にデマだったのか?
などの参考記事にさせていただきました。