引用ここから
首都圏の土壌汚染深刻 35地点でチェルノブイリと同レベル
2011年8月8日 22:46
写真
プールのたまり水を採取する川根眞也さん。(埼玉県内の中学校で。写真:川根氏提供)
「放射能雲が関東地方を襲った3月15日夕方以降、さいたま市、川口市では(外の)空気さえ吸ってはいけなかった」。こう語るのは埼玉県の中学校で理科教師をつとめる川根眞也さんだ。風が福島から関東方面に吹いたこの日、川根さんは放射能測定器で両市の放射線量を計った。
「安全だ、心配ない」を繰り返す行政の発表やテレビの報道とは裏腹に関東地方は、やはり高濃度の放射性物質で汚染されていた。市民有志からなる「放射能防護プロジェクト」が首都圏150か所の土壌を測定したところ、35地点でチェルノブイリ原発事故の「一時移住区域」「希望移住区域」「放射線管理区域」と同じレベルのセシウム(合算値)が検出された。
調査方法は表面から5cm、砂場は15cmを採取した。期間は6月初旬から7月中旬。市民150人が1人1カ所ずつ身近な場所の土壌を採取し、すべての検体を横浜市内の民間調査機関に持ち込んだ。
調査地点のうちセシウム汚染が最高値を記録したのは埼玉県三郷市早稲田植え込みで91万9,100Bq/㎡。チェルノブイリ事故の「一時移住区域」(移住・立ち退きの義務がある)と同じレベルだ。
次に高かったのが千葉県松戸市紙敷の園庭で45万5,845Bq/㎡。チェルノブイリ事故の「希望移住区域」(移住の権利が認められる)に匹敵する。松戸市はじめ首都圏の5ヵ所でこの「希望移住区域」と同レベルのセシウム(合算値)が検出された。
チェルノブイリ事故の際設けられた「放射線管理区域」に相当するのは東京文京区小石川4丁目の植え込みをはじめ29ヵ所。
チェルノブイリ事故では行政が住民を大量に避難させたが、それでも後にガンや白血病が多発した。首都圏では行政が「避難」の二文字を発する様子はない。事故を起こした福島第一原発間近の福島市においてさえ、政府の現地対策本部は「国が安全と認めた所には強制はしないが留まっていただく」と冷淡なのである。
調査に加わった横浜市内のある母親は嘆息しながら語る。「私たちが暮らす場所にこんなに放射能が降り積もっていたのかと驚く。子供は泥んこになって遊ぶので心配です」。
「放射能防護プロジェクト」のメンバーである内科医の土井里紗さんは、被害の拡大を警戒する。「チェルノブイリは地産地消だったが、日本は流通が発達しているので(汚染食品が)一気に広がる。チェルノブイリ以上に体内被曝が広がる可能性がある」。
防護プロジェクトでは菅直人首相と関東1都6県の知事宛てに、行政が「土壌調査」を行うことなどを要望した。
ところが行政が調査をすると低い数値しか出ない。前出の川根眞也氏は中学校校庭の土壌を毎日のように調査している。だが行政は川根氏が校庭から離れた時にこっそりやって来て調査をする。発表される数値は最低値だ。川根氏は「行政の調査には必ず市民が立ち合う必要がある」と強調する。
行政とマスコミの「安全情報」を鵜呑みにしたら取り返しのつかない被曝をする。飯舘村の悲劇はあらためて言うまでもない。「放射能防護プロジェクト」の今後の活動について川根氏は「先ず情報公開」と力を込めた。
◇
全データは http://www.radiationdefense.jp/
引用ここまで
原文は、『田中龍作ジャーナル』の中の
【首都圏の土壌汚染深刻 35地点でチェルノブイリと同レベル】
http://tanakaryusaku.jp/2011/08/0002744
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の「やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2」
の参考記事にさせていただきました。
ラベル 2011/09/29-やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2011年10月4日火曜日
福島市内でもチェルノブイリ「強制移住」レベルの汚染度!
引用ここから
2011-07-26
福島市内でチェルノブイリ「強制移住」300万ベクレルの放射能汚染度!
原発被害
原子力安全委員会の話だと、ベクレル/ kgに65を掛けるとベクレル/m2になりますね
つまり、46560Bq/kg×65=3026400ベクレル/ 平方メートル
あちこち、放射能だらけです!
引用ここまで
原文は、ブログ『気になるメモメモφ(.. )』の中の
【福島市内でもチェルノブイリ「強制移住」レベルの汚染度!】
http://d.hatena.ne.jp/chamuchamu/20110726/1311676261
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の「やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2」
の参考記事にさせていただきました。
2011-07-26
福島市内でチェルノブイリ「強制移住」300万ベクレルの放射能汚染度!
原発被害
福島市内でもチェルノブイリ「強制移住」レベルの汚染度!
日刊SPA! - 2011.07.19
原発事故の避難区域外であり、人口約29万人の福島市で、放射性物質が局所的に濃縮している。このことが、神戸大学大学院の山内知也教授の6月下旬の分析で明らかとなった。
「原発周辺は、多くのポイントで土壌の測定がなされていますが、福島市内で継続的に検査が実施されているのは、県庁だけなんです」
こう語るのは、調査に同行した、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)の阪上武代表。
「とはいえ、行政の調査でも県庁の土壌から1kgあたり(/kg)3万2000ベクレル(Bq)という、チェルノブイリでは『避難の義務』区域にあたる高い数値のセシウムが検出されていますが、何の対応もとられていません」
11μSv(1時間あたり)を超える線量が確認された小倉寺福泉寺側溝付近
最も放射能が高かったのは、小倉寺稲荷山中腹にある福泉寺下の側溝だ。土砂や枯れ葉が堆積した場所で、山内教授が線量計(ガンマ線計測タイプ)を近づけると、1時間あたり(/h)11マイクロシーベルト(μSv)を超える線量が確認された。
その側溝の土砂からは、4万6560Bq/kgを計測。これもチェルノブイリ原発事故でいえば「避難の義務」区域、つまり強制移住の対象となるレベルの汚染度だ。SPA!記者も側溝の枯れ葉に近づけて計測してみたところ、12μSv/hを示した。
「原発事故から3か月以上が経ち、場所に寄ってセシウムの分布に大きな差があることがわかりました。セシウムは細かい土の粒に付着して雨に流され、土砂が堆積しやすい場所で濃縮されます。町中に、セシウムの集積ポイントができてしまったのです」(山内教授)
7/19発売の週刊SPA!7/26号「仕組まれた[放射能地獄]に子ども殺される」では、山内教授らともに、土壌汚染、内部被曝、自主避難に関する諸問題を徹底的に取材。「安全です」と言われながら、行政の対応は野放し状態。しかし、放射線の感受性が強い子どもたちの被曝環境は悪化しているという現状をレポートしている。
http://nikkan-spa.jp/30268
原子力安全委員会の話だと、ベクレル/ kgに65を掛けるとベクレル/m2になりますね
つまり、46560Bq/kg×65=3026400ベクレル/ 平方メートル
あちこち、放射能だらけです!
引用ここまで
原文は、ブログ『気になるメモメモφ(.. )』の中の
【福島市内でもチェルノブイリ「強制移住」レベルの汚染度!】
http://d.hatena.ne.jp/chamuchamu/20110726/1311676261
です。
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『ひなげし陽気』の中の「やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2」
の参考記事にさせていただきました。
ヤブロコフ・ネステレンコ報告
引用ここから
ロシア科学アカデミー会員ヤブロフ博士と白ロシア放射線安全研究所の2名のネステレンコ博士が膨大なスラブ語の文献を整理して 「チェルノブイリ事故が住民にと環境に与えた結果」というタイトルの報告書を書いた。この報告書を英訳し、編集したconsulting editor: Janette D. Sherman-Nevingerをニューヨーク州立大学のジャーナリズム科教授Karl Grossmanがインタビューしてビデオを製作し、自ら経営するenvirovideo.comで公開している。友人のNHKのディレクターであった小笠原君がこれみたかと聞いてきた。
早速編集者へのグロスマンのインタビュービデオを観て、目の前でいままで積み上げた積み木がガラガラと崩れ落ちるような気持ちになった。福島関連の情報を集めて、データもそろい、作表、作図もでき、一気に原発本「原子力村が発明した10のウソを越えて」を書き下ろそうと思っていたのに。これでは完全に前提がくずれてしまった。いままでチェルノブイリの実態がこれほどまでに ひどいとは知られていなかった、あるいは故意に秘匿されていたとはどういうことなのか。
私のシナリオは既設原発は今世紀かけて徐々にゆっくり停止するというものであったが、これでは世界中の原発は全ての国で一斉に出来るだけ速やかに(といっても代替エネルギーシステム構築に20年くらい必要だろうけれど)全て停止しなければならないということになる。したがって私の作成したエネルギー転換シナリオももっと前倒しにして計算しなおさねばならない。ドイツと同じペースにしなければならないということになる。世界中がそうするとこれは石油やガスは天井に張りつく。経済はスローダウン。温暖化問題など吹っ飛んでしまうのではないかとも思う。中国やインドは当然反発して原発を強行、世界が迷惑だと圧力をかけるようになるかも。いずれにせよとんでもないこと。
たしかにチェルノブイリの写真家広河隆一が著した1995年刊岩波ジュニア新書251『チェルノブイリから広島へ』で放射線影響研究所長重松逸造の加害者寄りの判定をしたのはけしからんと沢山の証拠写真を見せて告発している。この重松逸造が1990年から91年にかけて、国連のIAEA(国際原子力機関)が国際諮問委員会(IAC)に委託したチェルノブイリ事故の被害の調査委員長をつとめ、その結果を91年5月に発表した。この発表はチェルノブイリ事故の後遺症は終わったのだという印象を世界に与えたがじつは都合の悪いところは故意に調査していないというものであった。
早速、全文報告書と要旨をダウンロードした。全ページを速読したが、ロシア語の膨大な文献をまとめて、統計図表が明晰に事実を証明している。一旦これをよめばだれでも完全に納得するだろう。この本は2009年にニューヨークの科学アカデミーの紀要として発刊されたものだ。だからいわゆる政治的意図を含む文書ではないと明記してある。あくまでもまじめな学術書なのである。日本の学者も当局も何も勉強していない。重松逸造の政府に都合の良い政治的目的をもった報告書を引用しているだけだ。
いずれにせよすごい情報。感謝!!!
以下超概略で紹介しよう。詳細は原典をよんでください。
ヤブロコフ・ネステレンコ報告
汚染強度
4,000Bq/m2 (0.11Ci/km2)以上の汚染地域に4ヶ月住んでいた人数は4億人。いまだに1,500万人がセシウム137汚染が40,000Bq/m2(1.08Ci/km2)以上の地域に住んでいる。
疾病率(morbility)、障害(impairment and disability)
白ロシアでは1985年には健康な子供は90%であったが、2000年には20%に低下
白ロシアでは1986ー1994年の時期に新生児の死亡率は9.5%が205%に上昇。白ロシアでは1986ー1994年の時期に新生児の死亡率は9.5%に上昇。ゴメル地方で死亡率最大205%という数値は早産が増えたためと1996年にジーコビッチによって報告されている。注)死亡率が100%を超える理由はその定義が((早産の死体数)+(生きて生まれたが、その後放射線障害で死亡した数)) / (生きて生まれたが、その後放射線障害で死亡した数)のため ←元サイトの追記を発見したので追加しました。(『ひなげしアーカイブ』管理人Coco 2011/11/08)
事故の後始末に働いた若者は5年後に30%は病気になった。10年後には健康な若者は9%以下
ウェールズのホットスポットでは1986-1987年の新生児の体重が1.5kg以下に低下した
加齢の加速
白ロシアでは幼児の消化管上皮の老化
ウクライナ寿命が7-9年短くなる
事故の後始末に働いた若者は同年より10-15年早く病気になり寿命は5-15年短くなる
事故の後始末に働いた男子の81%、女子の77%は心臓病になった
循環器系の疾病
白ロシアでは避難者の血液とリンパ系疾病は事故後9年ではその前より3.8倍増えた。汚染地域に住民は他の地域の住民に比べ2.4倍になった
ウクライナでは事故後12年間は循環器系の病気が11-15倍に増えた
ロシアのブリヤンスク県では事故後10年間に渡り、子供の白血球数が極端に低くなった
白ロシアの新生児の赤斑が事故後2倍になった
事故処理労働者の致命的心筋疾患が一般人の平均の2.5%から22.1%に増加
遺伝子損傷
電離性放射線は遺伝子を損傷する。この損傷遺伝子は数世代に渡って残るであろう。汚染地帯では染色体異常が沢山観察された
チェルノブイリの遺伝子に与えた影響は放射線強が広島や長崎の数1,000倍以上であったのでこれを多量にあびた第一世代への影響が大きかった
事故直後の半減期の短い放射性物質にさらされた人、バックグランドと同じレベルに下がるのに300年を要するストロンチウム90、セシウム137と共存して生きる人、プルトニウム、アメリシウム汚染地域に住む人、およびその子供達は7世代にわたって影響が残るであろう
ノルウェーでは染色体異常10倍になっているのが56人の成人で観察された
スコットランドで21番染色体が1本余分に存在するトリソミー症(ダウン症)が2倍
セシウム137が3Ci/km2(111,000Bq/m2)のロシアのチェルノブイリ近辺で染色体異常が2-4倍になった
オーストリアで17名の成人の染色体異常が4-6倍になった
白ロシアで1987-1988年にかけてダウン症が49%増え、その他の国でも1987-1994年にかけ17%増
放射線をあびた両親の子や白ロシア、ウクライナに住んでいた子供のサテライトDNAの突然変異が2倍
白ロシアで事故後6年時点でウクライナにおいて放射線を浴びた父をもつ子の先天性発達異常は他の地区の1万人当たり960-1200人に比し、1,135-1,376人と増え た。脾臓、副甲状腺、甲状腺、副腎皮質、卵巣、睾丸などの内分泌線の疾病は3倍になった
内分泌系
ウクライナでは1988-1999年にかけ、内分泌線の疾病が8倍になった
白ロシアで1987年、事故の後始末に働いた人の子の免疫細胞に重大な変化が見られた
ウクライナの汚染地域では免疫細胞と体液が大きく損なわれた
ロシアの汚染地域に住む子供達に抗酸化と交感神経系の機能不全が見られた
呼吸器系
一般人、事故の後始末に働いた人の区別無く、10-15年後に免疫力の低下にとともに鼻咽頭および気管支疾患が増える。汚染が15-40Ci/km2に居住していた子供は3年後に3.5倍。汚染地帯に住んだ女性から生まれた新生児の非感染性の呼吸器系障害は9.6倍。事故の後始末に働いた人の慢性肺疾患は事故後15年間に10倍になった
泌尿器系
放射線はホルモンのバランスが崩れるために腎臓、膀胱、尿路、卵巣、精巣が影響を受ける。2000年までのデータでは生殖器の不全は女子で5倍、男子で3 倍になる。1981-1995年間に白ロシアでは子宮内膜症が2.5倍になった。不妊症は1986年に比べ1991年には5.5倍。このうち精子異常は 6.6倍であった。1988-1999年に泌尿器生殖器疾患は2倍となった。54.1%の妊婦に癇前症、貧血、胎盤の破壊と多量失血が見られた。事故の後始末に働いた人は1988-2003年の間、泌尿器生殖器疾患が10倍となった。
骨格・筋肉系
ホルモンバランスのずれ、または破骨細胞と造骨細胞が放射線で死ぬことにより骨粗鬆が増える。歯がだめになることにより健康障害が発生する。慢性の筋肉痛は正常な生活を阻害する。骨筋系の欠陥は特に子供の発育と活動の障害となる。ウクライナの事故の後始末に働いた人の筋肉と腱の障害は1991-2001年にかけ2.3倍となった。ウクライナでは胎盤のセシウム137が0.9-3.25Bq/kgだった子供に中空骨や脊椎軟骨の損傷がみられた。ロシアでは事故の後始末に働いた人の30-88%に骨粗鬆
神経系
低放射線レベルでも神経系への影響は大きい。高度神経系においても視覚神経系においても神経精神病理学的不調においても同様である。脳は放射線に対し敏感であることの証拠が増えている。中央ならびに自律神経系を変えて脳障害を引き起こす。高度汚染地域では低度汚染地域に比べ幻覚・幻聴がより頻繁に経験される:白内障、ガラス体の変質、焦点調整不能、紫外線脆弱性、結膜炎
消化系
事故の後始末に働いた人には消化器官の疾病が増え、汚染地域で生まれた赤ん坊の先天的消化システムの機能不全が見られた。低放射線の影響は変わっていて胃腸器官上皮の機能は子宮内にいる期間だけでなく影響を受ける。事故の後始末に働いたロシア人の消化器官疾病は9年間に渡り7.4倍になった。白ロシアでセシウム135が検出された若い避難者の40%は胃腸器官疾病患者であった。ウクライナの5-15kBq/m2レベルの汚染地域の人々と、管理グループを比較すると、胃の粘膜の退化が5倍、腸の変質が2倍であった
皮膚
汚染地帯では事故直後、皮膚と皮下組織の病気が増えた。原因としては外部からの放射線に加え、内蔵疾患の影響が考えられる。1988-1990年において皮膚疾患は4倍になった。ロシアの汚染地域の子供とティーンエイジ世代の60%で皮膚疾患がみられた。事故の後始末に働いた人で乾癬を発症した人の97% は神経系と胃腸に問題を抱えていた
感染症
放射線は寄生虫など我々の共生生物たる微生物相、動物相に働きかけて生物共同体を変えてしまう。汚染地域では食中毒、胃腸炎、敗血症、ビールス性肝炎、呼吸器系ビールスが増える証拠がある。
病原菌が強くなったのか人間が弱くなったのか、両方なのかはいまだ不明である
先天性奇形(CM)
汚染地帯では子供の遺伝的異常、先天性奇形が増える。手足、頭、身体の損傷を含む。先天性奇形はいまだ増えつつあり、その程度は汚染度に比例することは仮説ではなく、事実である
腫瘍
1986-2056年のガン患者は9,000-28,000人とするWHO予測は過小評価である。I-131とCs137だけでもヨーロッパで 212,000-245,000人、その他世界で19,000人であろう。高濃度Te-13、Ru-103、Ru-106、Cs-134と長期にわたる Cs137、Sr-90、Pu、Amは数百年の影響をのこすであろう
死亡率
1990-2004年のウクライナ、ロシア、白ロシアの死亡者21.2万はチェルノブイリ事故が原因で全死者の4%
事故の後始末に働いた若者の総数83万人の15%の11.2-12.5万人は2005年を迎えることなく死亡
ヨーロッパの数億人の住民のうち、数十万人がチェルノブイリが原因ですでに死亡し、これからも増え続ける
ドイツのババリア州では1987年の死産率は45%増えた
デンマーク、ドイツ、ハンガリー、ノルウェー、ポーランド、ラトビア、スエーデン男女比逆転、死産が増えた
英国では事故後10ヶ月間は妊娠後期の胎児死亡率が増えた
スエーデンでは事故直後と1989-1992年の幼児死亡率が増加
ロシアの事故の後始末に働いた若者で事故後12年以内に死亡した人の87%は30-39才であった
セシウム137の汚染強度が555kBq/m2(15Ci/km2)以上の地域住民の平均寿命は8年短縮された
1999年のウクライナの汚染地域の死亡率は1,000人当たり18.3人で他の地域の14.8人より28%高くなる
1994-2004年のロシアの汚染地域のブリヤンスク県の死亡率は22.5%増えた。特に45-49才でみると87%増
環境への影響
影響は人間だけでない。哺乳類、渡鳥、昆虫、森林、農作物がダメージを受けている
放射線は植物の形態異常、腫瘍を生じる
動物相も放射線で影響を受ける。これは人間と大差ない
ミツバチは完全に居なくなった
微生物相はあまり研究されていないが放射線を受けての変化は急速である
食料の汚染が最大の問題
引用ここまで
原文は、Seven Mile Beach File 読書録 の中の
1083【Chernobyl:Consequences of the Catastrophe for People and the Environment】
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/core/indexj.html
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/core/bookdata/1000/b1083.htm
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の
「やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2」
「ホットスポット 」
などの参考記事にさせていただきました。
読書録
シリアル番号 | 1083 |
書名 | Chernobyl:Consequences of the Catastrophe for People and the Environment |
著者 | Alexey V.YABLOKOV, Vassily B. NESTERENKO, Alexey V. NESTERENKO |
出版社 | ANNALS OF THE NEW YORK ACADEMIY OF SCIENCES |
ジャンル | サイエンス |
発行日 | 2009 |
購入日 | 2011/06/12 |
評価 | 優 |
ロシア科学アカデミー会員ヤブロフ博士と白ロシア放射線安全研究所の2名のネステレンコ博士が膨大なスラブ語の文献を整理して 「チェルノブイリ事故が住民にと環境に与えた結果」というタイトルの報告書を書いた。この報告書を英訳し、編集したconsulting editor: Janette D. Sherman-Nevingerをニューヨーク州立大学のジャーナリズム科教授Karl Grossmanがインタビューしてビデオを製作し、自ら経営するenvirovideo.comで公開している。友人のNHKのディレクターであった小笠原君がこれみたかと聞いてきた。
早速編集者へのグロスマンのインタビュービデオを観て、目の前でいままで積み上げた積み木がガラガラと崩れ落ちるような気持ちになった。福島関連の情報を集めて、データもそろい、作表、作図もでき、一気に原発本「原子力村が発明した10のウソを越えて」を書き下ろそうと思っていたのに。これでは完全に前提がくずれてしまった。いままでチェルノブイリの実態がこれほどまでに ひどいとは知られていなかった、あるいは故意に秘匿されていたとはどういうことなのか。
私のシナリオは既設原発は今世紀かけて徐々にゆっくり停止するというものであったが、これでは世界中の原発は全ての国で一斉に出来るだけ速やかに(といっても代替エネルギーシステム構築に20年くらい必要だろうけれど)全て停止しなければならないということになる。したがって私の作成したエネルギー転換シナリオももっと前倒しにして計算しなおさねばならない。ドイツと同じペースにしなければならないということになる。世界中がそうするとこれは石油やガスは天井に張りつく。経済はスローダウン。温暖化問題など吹っ飛んでしまうのではないかとも思う。中国やインドは当然反発して原発を強行、世界が迷惑だと圧力をかけるようになるかも。いずれにせよとんでもないこと。
たしかにチェルノブイリの写真家広河隆一が著した1995年刊岩波ジュニア新書251『チェルノブイリから広島へ』で放射線影響研究所長重松逸造の加害者寄りの判定をしたのはけしからんと沢山の証拠写真を見せて告発している。この重松逸造が1990年から91年にかけて、国連のIAEA(国際原子力機関)が国際諮問委員会(IAC)に委託したチェルノブイリ事故の被害の調査委員長をつとめ、その結果を91年5月に発表した。この発表はチェルノブイリ事故の後遺症は終わったのだという印象を世界に与えたがじつは都合の悪いところは故意に調査していないというものであった。
早速、全文報告書と要旨をダウンロードした。全ページを速読したが、ロシア語の膨大な文献をまとめて、統計図表が明晰に事実を証明している。一旦これをよめばだれでも完全に納得するだろう。この本は2009年にニューヨークの科学アカデミーの紀要として発刊されたものだ。だからいわゆる政治的意図を含む文書ではないと明記してある。あくまでもまじめな学術書なのである。日本の学者も当局も何も勉強していない。重松逸造の政府に都合の良い政治的目的をもった報告書を引用しているだけだ。
いずれにせよすごい情報。感謝!!!
以下超概略で紹介しよう。詳細は原典をよんでください。
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ヤブロコフ・ネステレンコ報告
汚染強度
4,000Bq/m2 (0.11Ci/km2)以上の汚染地域に4ヶ月住んでいた人数は4億人。いまだに1,500万人がセシウム137汚染が40,000Bq/m2(1.08Ci/km2)以上の地域に住んでいる。
チェルノブイリ | Ci/km2 | Bq/m2 | mSv/y | microSv/h |
強制避難区域 直ちに強制避難、立ち入り禁止 | 40.0 | 1,480,000 | 134.9 | 15.40 |
一時移住区域 義務的移住区域 | 15.0 | 555,000 | 50.6 | 5.78 |
希望移住区域 移住の権利が認められる | 5.0 | 185,000 | 16.9 | 1.93 |
放射線管理区域(15,000,000人居住) | 1.0 | 37,000 | 3.4 | 0.39 |
ヨーロッパ(4億人居住) | 0.1 | 4,070 | 0.4 | 0.04 |
疾病率(morbility)、障害(impairment and disability)
白ロシアでは1985年には健康な子供は90%であったが、2000年には20%に低下
白ロシアでは1986ー1994年の時期に新生児の死亡率は9.5%が205%に上昇。白ロシアでは1986ー1994年の時期に新生児の死亡率は9.5%に上昇。ゴメル地方で死亡率最大205%という数値は早産が増えたためと1996年にジーコビッチによって報告されている。注)死亡率が100%を超える理由はその定義が((早産の死体数)+(生きて生まれたが、その後放射線障害で死亡した数)) / (生きて生まれたが、その後放射線障害で死亡した数)のため ←元サイトの追記を発見したので追加しました。(『ひなげしアーカイブ』管理人Coco 2011/11/08)
事故の後始末に働いた若者は5年後に30%は病気になった。10年後には健康な若者は9%以下
ウェールズのホットスポットでは1986-1987年の新生児の体重が1.5kg以下に低下した
加齢の加速
白ロシアでは幼児の消化管上皮の老化
ウクライナ寿命が7-9年短くなる
事故の後始末に働いた若者は同年より10-15年早く病気になり寿命は5-15年短くなる
事故の後始末に働いた男子の81%、女子の77%は心臓病になった
循環器系の疾病
白ロシアでは避難者の血液とリンパ系疾病は事故後9年ではその前より3.8倍増えた。汚染地域に住民は他の地域の住民に比べ2.4倍になった
ウクライナでは事故後12年間は循環器系の病気が11-15倍に増えた
ロシアのブリヤンスク県では事故後10年間に渡り、子供の白血球数が極端に低くなった
白ロシアの新生児の赤斑が事故後2倍になった
事故処理労働者の致命的心筋疾患が一般人の平均の2.5%から22.1%に増加
遺伝子損傷
電離性放射線は遺伝子を損傷する。この損傷遺伝子は数世代に渡って残るであろう。汚染地帯では染色体異常が沢山観察された
チェルノブイリの遺伝子に与えた影響は放射線強が広島や長崎の数1,000倍以上であったのでこれを多量にあびた第一世代への影響が大きかった
事故直後の半減期の短い放射性物質にさらされた人、バックグランドと同じレベルに下がるのに300年を要するストロンチウム90、セシウム137と共存して生きる人、プルトニウム、アメリシウム汚染地域に住む人、およびその子供達は7世代にわたって影響が残るであろう
ノルウェーでは染色体異常10倍になっているのが56人の成人で観察された
スコットランドで21番染色体が1本余分に存在するトリソミー症(ダウン症)が2倍
セシウム137が3Ci/km2(111,000Bq/m2)のロシアのチェルノブイリ近辺で染色体異常が2-4倍になった
オーストリアで17名の成人の染色体異常が4-6倍になった
白ロシアで1987-1988年にかけてダウン症が49%増え、その他の国でも1987-1994年にかけ17%増
放射線をあびた両親の子や白ロシア、ウクライナに住んでいた子供のサテライトDNAの突然変異が2倍
白ロシアで事故後6年時点でウクライナにおいて放射線を浴びた父をもつ子の先天性発達異常は他の地区の1万人当たり960-1200人に比し、1,135-1,376人と増え た。脾臓、副甲状腺、甲状腺、副腎皮質、卵巣、睾丸などの内分泌線の疾病は3倍になった
内分泌系
ウクライナでは1988-1999年にかけ、内分泌線の疾病が8倍になった
白ロシアで1987年、事故の後始末に働いた人の子の免疫細胞に重大な変化が見られた
ウクライナの汚染地域では免疫細胞と体液が大きく損なわれた
ロシアの汚染地域に住む子供達に抗酸化と交感神経系の機能不全が見られた
呼吸器系
一般人、事故の後始末に働いた人の区別無く、10-15年後に免疫力の低下にとともに鼻咽頭および気管支疾患が増える。汚染が15-40Ci/km2に居住していた子供は3年後に3.5倍。汚染地帯に住んだ女性から生まれた新生児の非感染性の呼吸器系障害は9.6倍。事故の後始末に働いた人の慢性肺疾患は事故後15年間に10倍になった
泌尿器系
放射線はホルモンのバランスが崩れるために腎臓、膀胱、尿路、卵巣、精巣が影響を受ける。2000年までのデータでは生殖器の不全は女子で5倍、男子で3 倍になる。1981-1995年間に白ロシアでは子宮内膜症が2.5倍になった。不妊症は1986年に比べ1991年には5.5倍。このうち精子異常は 6.6倍であった。1988-1999年に泌尿器生殖器疾患は2倍となった。54.1%の妊婦に癇前症、貧血、胎盤の破壊と多量失血が見られた。事故の後始末に働いた人は1988-2003年の間、泌尿器生殖器疾患が10倍となった。
骨格・筋肉系
ホルモンバランスのずれ、または破骨細胞と造骨細胞が放射線で死ぬことにより骨粗鬆が増える。歯がだめになることにより健康障害が発生する。慢性の筋肉痛は正常な生活を阻害する。骨筋系の欠陥は特に子供の発育と活動の障害となる。ウクライナの事故の後始末に働いた人の筋肉と腱の障害は1991-2001年にかけ2.3倍となった。ウクライナでは胎盤のセシウム137が0.9-3.25Bq/kgだった子供に中空骨や脊椎軟骨の損傷がみられた。ロシアでは事故の後始末に働いた人の30-88%に骨粗鬆
神経系
低放射線レベルでも神経系への影響は大きい。高度神経系においても視覚神経系においても神経精神病理学的不調においても同様である。脳は放射線に対し敏感であることの証拠が増えている。中央ならびに自律神経系を変えて脳障害を引き起こす。高度汚染地域では低度汚染地域に比べ幻覚・幻聴がより頻繁に経験される:白内障、ガラス体の変質、焦点調整不能、紫外線脆弱性、結膜炎
消化系
事故の後始末に働いた人には消化器官の疾病が増え、汚染地域で生まれた赤ん坊の先天的消化システムの機能不全が見られた。低放射線の影響は変わっていて胃腸器官上皮の機能は子宮内にいる期間だけでなく影響を受ける。事故の後始末に働いたロシア人の消化器官疾病は9年間に渡り7.4倍になった。白ロシアでセシウム135が検出された若い避難者の40%は胃腸器官疾病患者であった。ウクライナの5-15kBq/m2レベルの汚染地域の人々と、管理グループを比較すると、胃の粘膜の退化が5倍、腸の変質が2倍であった
皮膚
汚染地帯では事故直後、皮膚と皮下組織の病気が増えた。原因としては外部からの放射線に加え、内蔵疾患の影響が考えられる。1988-1990年において皮膚疾患は4倍になった。ロシアの汚染地域の子供とティーンエイジ世代の60%で皮膚疾患がみられた。事故の後始末に働いた人で乾癬を発症した人の97% は神経系と胃腸に問題を抱えていた
感染症
放射線は寄生虫など我々の共生生物たる微生物相、動物相に働きかけて生物共同体を変えてしまう。汚染地域では食中毒、胃腸炎、敗血症、ビールス性肝炎、呼吸器系ビールスが増える証拠がある。
病原菌が強くなったのか人間が弱くなったのか、両方なのかはいまだ不明である
先天性奇形(CM)
汚染地帯では子供の遺伝的異常、先天性奇形が増える。手足、頭、身体の損傷を含む。先天性奇形はいまだ増えつつあり、その程度は汚染度に比例することは仮説ではなく、事実である
腫瘍
1986-2056年のガン患者は9,000-28,000人とするWHO予測は過小評価である。I-131とCs137だけでもヨーロッパで 212,000-245,000人、その他世界で19,000人であろう。高濃度Te-13、Ru-103、Ru-106、Cs-134と長期にわたる Cs137、Sr-90、Pu、Amは数百年の影響をのこすであろう
死亡率
1990-2004年のウクライナ、ロシア、白ロシアの死亡者21.2万はチェルノブイリ事故が原因で全死者の4%
事故の後始末に働いた若者の総数83万人の15%の11.2-12.5万人は2005年を迎えることなく死亡
ヨーロッパの数億人の住民のうち、数十万人がチェルノブイリが原因ですでに死亡し、これからも増え続ける
ドイツのババリア州では1987年の死産率は45%増えた
デンマーク、ドイツ、ハンガリー、ノルウェー、ポーランド、ラトビア、スエーデン男女比逆転、死産が増えた
英国では事故後10ヶ月間は妊娠後期の胎児死亡率が増えた
スエーデンでは事故直後と1989-1992年の幼児死亡率が増加
ロシアの事故の後始末に働いた若者で事故後12年以内に死亡した人の87%は30-39才であった
セシウム137の汚染強度が555kBq/m2(15Ci/km2)以上の地域住民の平均寿命は8年短縮された
1999年のウクライナの汚染地域の死亡率は1,000人当たり18.3人で他の地域の14.8人より28%高くなる
1994-2004年のロシアの汚染地域のブリヤンスク県の死亡率は22.5%増えた。特に45-49才でみると87%増
地域 | 1990-2004年の死者数 |
ヨーロッパロシア | 67,000 |
白ロシア | 59,000 |
ウクライナ | 86,000 |
小計 | 212,000 |
>15Ci/km2(40Bq/m2) or 50mSv/yで転居して統計外 | 25,500 |
統計外合計 | 237,500 |
ソビエト外ヨーロッパ>1.08Ci/km2(40Bq/m2) or 3.4mSv/y | 170,000 |
ソビエト外ヨーロッパ<1.08Ci/km2(40Bq/m2) or 3.4mSv/y | 255,000 |
ヨーロッパ外全世界 | 323,000 |
全世界合計 | 985,000 |
環境への影響
影響は人間だけでない。哺乳類、渡鳥、昆虫、森林、農作物がダメージを受けている
放射線は植物の形態異常、腫瘍を生じる
動物相も放射線で影響を受ける。これは人間と大差ない
ミツバチは完全に居なくなった
微生物相はあまり研究されていないが放射線を受けての変化は急速である
食料の汚染が最大の問題
Rev. August 21, 2011
引用ここまで
原文は、Seven Mile Beach File 読書録 の中の
1083【Chernobyl:Consequences of the Catastrophe for People and the Environment】
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/core/indexj.html
http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/core/bookdata/1000/b1083.htm
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の
「やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2」
「ホットスポット 」
などの参考記事にさせていただきました。
福島第1原発:作業員の被ばく線量 管理手帳に記載せず
引用ここから
福島第1原発:作業員の被ばく線量 管理手帳に記載せず
東京電力福島第1原発の復旧を巡り、作業員の被ばく線量の上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた特例措置が現場であいまいに運用され、作業員の放射線管理手帳に線量が記載されていないケースがあることが分かった。関係法を所管する厚生労働省は通常規則に基づき「100ミリシーベルトを超えると5年間は放射線業務に就けない」とする一方、作業員の被ばく線量を一括管理する文部科学省所管の財団法人は「通常規則とは全く別扱いとする」と違う見解を示し、手帳への記載法も決まっていないためだ。
図
被ばく線量と健康への影響の目安
◇上限あいまい運用 補償不利益も
運用があいまいだと作業員の安全管理上問題がある上、将来がんなどを発症した際の補償で不利益になる可能性もあり、早急な改善が求められそうだ。
作業員の被ばく線量は、原子炉等規制法に基づく告示や労働安全衛生法の電離放射線障害防止規則で、5年間で100ミリシーベルト、1年間では50ミリシーベルトに抑えるよう定めている(通常規則)。ただ、緊急時には別途100ミリシーベルトを上限に放射線を受けることができるとの条文があり、国は福島第1原発の復旧に限り、250ミリシーベルトに引き上げる特例措置をとった。国際放射線防護委員会の勧告では、緊急時は500ミリシーベルトが上限だ。
問題となっているのは特例措置と通常規則との兼ね合い。厚労省は「通常規則は有効で、今回の作業で100ミリシーベルトを超えた場合、5年間は放射線業務をさせないという方向で指導する」とし、細川律夫厚労相も3月25日の参院厚労委の答弁で全く同じ認識を示した。
◇「労災申請時などに困らないよう記載方法検討」
一方、作業員の被ばく線量を一括管理する財団法人・放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターは「250ミリシーベルト浴びた労働者に通常規則を当てはめてしまうと、相当年数、就業の機会を奪うことになる。全く別扱いで管理する」と説明。さらに「労災申請時などに困らないよう、手帳に記載する方法を検討している」とし、放射線管理手帳への記載方法が決まっていないことを明らかにした。
復旧作業にあたる2次下請け会社の男性作業員(30)は3月下旬、現場で元請け会社の社員から「今回浴びた線量は手帳に載らない」と説明された。「250ミリシーベルト浴びて、新潟県の東電柏崎刈羽原発で働くことになっても250ミリシーベルトは免除される」と言われたという。
作業員が所持する線量計のデータは通常、原発から同センターのオンラインシステムに送られ一括管理されるが、福島第1原発では事故後、オンラインシステムが使用できないという。また、作業員の被ばく線量の登録管理を巡るルールは、同協会と電力会社、プラント会社など関係約70社で話し合われるが、事故後は会議を開けない状態が続いているとされる。【市川明代、袴田貴行、森禎行】
【ことば】放射線管理手帳
作業員一人一人の被ばく線量や健康診断結果などを記載する手帳で、これがないと放射線管理区域には入れないことになっている。ただし法的根拠はなく、財団法人・放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターと電力各社、元請け会社、主な下請け会社などで自主的に運用している。作業中は本人たちの手元にはなく、会社側が預かっているケースが多いとされる。
【関連記事】
* <図でみる>福島第1原発周辺の累積線量結果
毎日新聞 2011年4月21日 2時36分(最終更新 4月21日 7時28分)
引用ここまで
原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【福島第1原発:作業員の被ばく線量 管理手帳に記載せず】
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/archive/news/2011/04/21/20110421k0000m040166000c.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の
「やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2」
「ブログ最下段の表の データ元 一覧」
などの参考記事にさせていただきました。
福島第1原発:作業員の被ばく線量 管理手帳に記載せず
東京電力福島第1原発の復旧を巡り、作業員の被ばく線量の上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた特例措置が現場であいまいに運用され、作業員の放射線管理手帳に線量が記載されていないケースがあることが分かった。関係法を所管する厚生労働省は通常規則に基づき「100ミリシーベルトを超えると5年間は放射線業務に就けない」とする一方、作業員の被ばく線量を一括管理する文部科学省所管の財団法人は「通常規則とは全く別扱いとする」と違う見解を示し、手帳への記載法も決まっていないためだ。
図
被ばく線量と健康への影響の目安
◇上限あいまい運用 補償不利益も
運用があいまいだと作業員の安全管理上問題がある上、将来がんなどを発症した際の補償で不利益になる可能性もあり、早急な改善が求められそうだ。
作業員の被ばく線量は、原子炉等規制法に基づく告示や労働安全衛生法の電離放射線障害防止規則で、5年間で100ミリシーベルト、1年間では50ミリシーベルトに抑えるよう定めている(通常規則)。ただ、緊急時には別途100ミリシーベルトを上限に放射線を受けることができるとの条文があり、国は福島第1原発の復旧に限り、250ミリシーベルトに引き上げる特例措置をとった。国際放射線防護委員会の勧告では、緊急時は500ミリシーベルトが上限だ。
問題となっているのは特例措置と通常規則との兼ね合い。厚労省は「通常規則は有効で、今回の作業で100ミリシーベルトを超えた場合、5年間は放射線業務をさせないという方向で指導する」とし、細川律夫厚労相も3月25日の参院厚労委の答弁で全く同じ認識を示した。
◇「労災申請時などに困らないよう記載方法検討」
一方、作業員の被ばく線量を一括管理する財団法人・放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターは「250ミリシーベルト浴びた労働者に通常規則を当てはめてしまうと、相当年数、就業の機会を奪うことになる。全く別扱いで管理する」と説明。さらに「労災申請時などに困らないよう、手帳に記載する方法を検討している」とし、放射線管理手帳への記載方法が決まっていないことを明らかにした。
復旧作業にあたる2次下請け会社の男性作業員(30)は3月下旬、現場で元請け会社の社員から「今回浴びた線量は手帳に載らない」と説明された。「250ミリシーベルト浴びて、新潟県の東電柏崎刈羽原発で働くことになっても250ミリシーベルトは免除される」と言われたという。
作業員が所持する線量計のデータは通常、原発から同センターのオンラインシステムに送られ一括管理されるが、福島第1原発では事故後、オンラインシステムが使用できないという。また、作業員の被ばく線量の登録管理を巡るルールは、同協会と電力会社、プラント会社など関係約70社で話し合われるが、事故後は会議を開けない状態が続いているとされる。【市川明代、袴田貴行、森禎行】
【ことば】放射線管理手帳
作業員一人一人の被ばく線量や健康診断結果などを記載する手帳で、これがないと放射線管理区域には入れないことになっている。ただし法的根拠はなく、財団法人・放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターと電力各社、元請け会社、主な下請け会社などで自主的に運用している。作業中は本人たちの手元にはなく、会社側が預かっているケースが多いとされる。
【関連記事】
* <図でみる>福島第1原発周辺の累積線量結果
毎日新聞 2011年4月21日 2時36分(最終更新 4月21日 7時28分)
引用ここまで
原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【福島第1原発:作業員の被ばく線量 管理手帳に記載せず】
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/archive/news/2011/04/21/20110421k0000m040166000c.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の
「やっぱり出し惜しみの汚染マップ 2」
「ブログ最下段の表の データ元 一覧」
などの参考記事にさせていただきました。
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