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電力2社から計157億円 青森・東通村、使途明かさず
2011年11月6日3時0分
青森県東通村が、村内で原発を立地・建設中の東京電力と東北電力から、約30年間に計約157億円を受け取っていたことが分かった。電力2社は「寄付金」や「負担金」として支出したと説明するが、村はこれらの資金を予算の「雑入」に分類して見えなくしていた。使い道の詳細も明らかにせず、不透明な財政運営を続けていた。
東通原発では、東電と東北電が2基ずつ建設する計画で、東北電は2005年に1号機の運転を開始した。電力2社の資金に、国が原子力施設の立地自治体に支払う電源三法交付金を加えると、02年度は計41億円に達し、村予算の38%を占めた。村は潤沢な原発マネーを使い、94億円を投じた東通小・中学校の建設など施設整備を進めている。
電力2社によると、資金提供は村の要請に応じて1983年度から始まり、2社が受益者となるインフラの整備に充てるための「負担金」と、地域振興向けの「寄付金」として支出。会社関係者によると、東電と東北電の負担割合は2対1。自治体への資金提供では最大規模とみられる。
一方、村はその使途について、道路や上下水道などの整備費、漁業施設の建設費などに充てたとだけ説明し、個別の事業費などを公表していない。
そもそも、村は電力2社からの寄付を予算の「寄付金」に分類せず、主な予算区分にあてはまらない収入をまとめて計上する「雑入」に入れているため、寄付金の存在さえわからない。
また負担金を自治体が徴収する場合は、条例などの制定が必要と地方自治法で定められているが、村は制定していなかった。条例の不備が04年に報道されると、それ以降はこちらも「雑入」に組み入れた。
負担金の条例を制定しなかった理由について、村関係者は「漁業施設が負担金の趣旨からずれるなど、制度にこだわると、もらえないお金が出てくる懸念があった」と説明。「余計な指摘を受けない『雑入』として予算計上する方が都合がよかった」と明かす。
これに対し、地方自治体の財政問題に詳しい神野直彦・東大名誉教授(財政学)は「明確に分類できないお金が予算の多くを占めるなど、財政が不透明で住民に見えないことが問題だ」と批判。清水修二・福島大副学長(財政論)は「電力2社が寄付をしたと言うのに、予算上、寄付金としていないのはおかしい。負担金についても、電力会社だけが負担する理由を明確にする必要がある」と指摘した。
電力2社の資金の予算計上について、東通村経営企画課は「電力会社に事業を説明し、使途が決まっているので、寄付金とは考えていない。電力会社との関係上、使い道をすべて明らかにはできない」と話す。
■半分は漁業振興に
電力2社から東通村に資金提供された計約157億円のうち約半分は、漁業振興に充てられた。朝日新聞の取材に、村が認めた。漁業補償交渉が難航する中で膨らんだといい、電力2社には地元漁協の理解を得る思惑があったとみられる。
電力2社は1982年、原発の建設に伴う漁業補償交渉を、東通村の5漁協と隣の六ケ所村の1漁協に申し入れた。当時は反対派が多く、交渉は長期化。92〜95年に妥結したが、原子炉の出力変更で海に放出される温排水の拡散範囲が広がり、再交渉に。最終的に6漁協に計254億円余の補償金が支払われ、組合員らに分配された。
一連の交渉の中で、電力2社は「補償金だけでなく、漁業振興事業に協力する」と約束したという。
東通村で漁獲高が最も多い白糠(しらぬか)漁協の西山里一組合長(66)は「昔はみんなが原発反対だった。電力会社の資金協力があって、やっと組合員が仕方ないと受け入れた」と振り返る。
この漁協の荷さばき所の建設費3億3200万円、近くの小田野沢漁協の事務所と集会施設建設費4億8千万円などは、電力2社の提供資金で賄われた。
東通村では、東北電力の1号機が運転開始。電力2社の寄付金や負担金、電源三法交付金に加え、原発の固定資産税も入ることに。村は原発マネーで潤い、06〜09年度、国から地方交付税の交付を受けない「不交付団体」になった。
だが、今年1月に着工した東電の1号機は、福島第一原発の事故の影響で工事が中断。再開のメドは立っていない。村幹部は「交付金や固定資産税などを見込んで財政運営している。国のエネルギー政策がどうなるか、注視するしかない」と話している。(北沢拓也、野口陽)
■東通原発計画の経過
1965年 東通村議会が原発誘致を決議
70年 竹内俊吉・青森県知事(当時)が原発20基構想を発表
東京、東北両電力が原発立地を発表
73年 用地買収がほぼ完了
81年 両電力が110万キロワット4基の原発建設計画を発表
83年 両電力から東通村への「負担金」の拠出が開始
98年 東北電力1号機が着工
99年 両電力が、東北1号機を除く3基の出力を110万キロワットから138.5万キロワットに変更
05年 東北電力1号機が運転開始
11年 東京電力1号機が着工
◇
〈東京電力による自治体への寄付〉 東電は1990年前後から昨年まで、年平均で約20億円の予算を組み、東電の原発などがある青森、福島、新潟の3県の関係自治体に総額四百数十億円の寄付をしていた。原発の発電量などに応じて予算配分していた。
引用ここまで
原文は、朝日新聞 ニュースサイトの中の
【電力2社から計157億円 青森・東通村、使途明かさず】
http://www.asahi.com/special/playback/TKY201111050536.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の
「孫さんに期待」
「電気代の不払い運動」
「原発マネーの幻想」
の参考記事にさせていただきました。