引用ここから
話題
特集ワイド:NHK対「原発推進」団体 浮上した「低線量被ばく」問題
写真
NHKが放送した番組に対して送られた抗議文。「数々の論理のすり替え」「不都合な情報隠ぺい」などの言葉が並ぶ
放射線被ばくの健康影響については、まだ研究途上にある。だからこそ、次代を担う子どもたちの安全を願う親たちの不安は深刻なのだが、そんな折も折、低線量被ばくの問題点を指摘したNHKの番組に、原発と深い関わりを持つ団体が抗議の矛先を向けた。このバトル、どうなるのか。【根本太一】
◇原子力ムラの「抗議」 報道、議論尽くせるか
<公共放送としてNHKに求められる高い放送倫理に疑義を挟まざるを得ない>
1月12日にNHKに送られた、A4判8枚からなる「抗議と要望」と題する文書の一節だ。さらに<事実誤認もしくは根拠薄弱であることが明らかになったら、番組自体を撤回するのも国民の受信料で経営をしているNHKの責務>とし、<放射線の恐怖のみを煽(あお)るような“風評加害者”的報道は今後止(や)めるよう強く要望>している。何とも痛烈な内容だ。
送り主は「エネルギー戦略研究会」「日本原子力学会シニア・ネットワーク連絡会」、そして「エネルギー問題に発言する会」の3団体。いずれも「原発推進」が日本には不可欠との立場から、シンポジウムやセミナーなどを開いている民間の組織だ。
写真
子どもの安全が第一。小学校の体育館で教室のカーテンなどの除染作業をする福島県川内村の女性たち=福島県同村の川内小で2012年1月31日、西本勝撮影
トップの経歴は、研究会の金子熊夫会長が外務省の初代原子力課長、連絡会の宅間正夫会長は元東京電力柏崎刈羽原発所長、発言する会の林勉代表幹事は元日立製作所・原子力事業部長。さらに3団体のホームページを見ると、抗議文の「賛同者」として元東電副社長で元自民党参院議員の加納時男氏や、元日本原子力学会会長、大学の名誉教授、原発メーカーの元幹部ら総勢112人の名前が並ぶ。
政・財・官・学のいわゆる「原子力ムラ」のOBらが顔をそろえた格好だ。
彼らが取り上げたのは、NHKが昨年12月28日に総合テレビで放送した「追跡!真相ファイル『低線量被ばく 揺らぐ国際基準』」。国が安全性の根拠としている、被ばく量が生涯100ミリシーベルト以下ではがんなどが発症する明確な根拠はないという国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に疑問を投げかける内容だ。30分の番組の中で、86年のチェルノブイリ原発事故から25年が過ぎた今になってスウェーデンでがんが増加したことや、米国の原発周辺でもがん発症が目立つことを報告。さらに元ICRP委員へのインタビューなどから、かつてICRPが原爆による被ばくのリスクを「政治的判断」で半分に設定していた--などと伝えている。
■
そのどこが<“風評加害者”的報道>だというのか。
抗議文では▽インタビュー場面に意図的な誤訳がある▽疫学的調査では、原子力施設と疾病との関係は認められていない--などと指摘。<数々の論旨のすり替え>や<不都合な情報の隠蔽(いんぺい)>もあるとしている。
「賛同者」リストに名を連ねる人物に接触した。東電OBで、同社では「放射線防護の研究に携わっていた」という男性だ。
「米国の原発周辺でがんが増えていると言うが、ならば世界で400基以上ある原発の周りの住民たちはどうなんです? がんの危険を主張するのは、原発反対派が古くから使う手法なんです」
ICRPが「政治的判断」から被ばくリスクを半分に設定したという部分は「論拠が不明」と切り捨てる。
「NHKには、公平で客観性のある報道をしてほしいだけなんです。原子力ムラと言われようが、一方的に踏みつけられっ放しというわけにはいきませんよ」
では、NHK側は何と反論するのか。
見解を求めると「十分に取材を尽くしており問題はないと考えている。団体の方々には番組内容を丁寧に説明するなど誠実に対応しています」と回答した。
内部被ばくなど低線量の放射線による被害の調査・研究を続ける沢田昭二・名古屋大名誉教授(素粒子物理学)に会った。「彼らは安全神話を振りまいてきた当事者です。ところが抗議文には、人災でもある福島原発事故への反省の弁が見当たらない。謙虚さに欠けています」。それが、自らも広島の原爆を経験した被爆者である沢田さんの第一声だった。
「ICRPが米国の核兵器工場や原発推進の勢力から圧力や影響を受け続けてきたことは、(ICRPの)内部被ばくに関する委員会の議長を務めたカール・モーガン博士が自著で明らかにしています。番組は、そうしたことを丹念に取材し、広く知らせたものでした」
さらに沢田さんは言う。
「内部被ばくのリスクを低く見るICRPの姿勢は、欧州放射線リスク委員会(ECRR)からも批判されているのです。低線量の被ばくであっても、長い年月の後に健康被害に至る恐れはある」
「原子力ムラの人たちは、震災前からしばしばメディアに抗議文を送っていた」。そう声を荒らげるのは自民党衆院議員の河野太郎さんだ。国会や著書「原発と日本はこうなる」などで原発利権の暗部を追及し続けている。
「細かな点を突っ込み、報道する側に『面倒くさい』と思わせ萎縮させるような空気を醸し出す。しかし自らは原発事故の総括もない。懲りていませんね」
■
ただ、抗議は抗議として、3団体側の関係者も、再稼働が難しくなったことは認める。先の東電OBは「事故原因の究明も待たずに再稼働を決めても、国民の理解は得られない。たとえ経済産業省原子力安全・保安院がストレステスト(安全評価)で『妥当』としても無理でしょう」。言葉に悔しさがにじむ。
原発の設計に携わってきたという3団体の一つに属する別の男性も「台湾の原発には非常用電源としてディーゼル機関以外にガスタービンもある。さらに建屋上の高台には冷却用の水をためたプールもある。福島よりも多重防護だ」と語り、「国と東電が危険性に耳を傾け対応策を取っていたら……」と唇をかむ。
「報道機関は連携して、一斉に闘うべきです」と話すのは立教大教授(メディア法)の服部孝章さんだ。「この問題を単に原子力ムラとNHKとの争いとして終わらせてはいけない。抗議の事実をNHKも他のテレビ局も報じ、公の場で議論すべきです」。そうでないと、放射線による被ばく影響という「核心」がゆがめられてしまうという。
「メディアが試されているのです。専門家の権威を恐れて沈黙していては、今後も原子力ムラに利用されるだけになってしまう」
そもそも科学とは誰の、何のためにあるのか。報道とは誰のための営みか。
こうした原点が改めて問われている。
………………………………………………………………………………………………………
◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279
2012年2月16日
引用ここまで
原文は、毎日新聞 ニュースサイトの中の
【特集ワイド:NHK対「原発推進」団体 浮上した「低線量被ばく」問題】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120216mog00m040015000c.html
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の「NHKと原発」
の参考記事にさせていただきました。
2012年2月17日金曜日
2011年11月15日火曜日
「メルトスルー」の可能性、政府がIAEAに報告へ
引用ここから
「メルトスルー」の可能性、政府がIAEAに報告へ
2011年06月07日 20:02
東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所、2号機原子炉建屋の壁面や屋根に飛散防止剤を散布する作業員(2011年6月1日撮影)。(c)AFP/TEPCO
【6月7日 AFP】読売新聞(Yomiuri Shimbun)は7日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故で、1~3号機の原子炉内の核燃料が溶融し、原子炉圧力容器の底を破った可能性があると、政府が国際原子力機関(IAEA)に報告すると伝えた。
事故発生から間もなく3か月となるなか、日本政府は月内にIAEAに提出する報告書の準備を進めている。
読売新聞によると日本政府は報告書の中で、1~3号機の燃料がメルトダウン(炉心溶融)した上で圧力容器の底を破って格納容器に達するメルトスルー(原子炉貫通)という現象を起こしたとの見解を示すとみられる。政府はこれまでメルトスルーの可能性を公式には認めていなかった。
また報告書では、原子力安全・保安院(NISA)を経済産業省から独立させるなど、日本の原子力をめぐる安全体制を抜本的に見直す方針が示されているという。(c)AFP/Hiroshi Hiyama
引用ここまで
原文は、AFP BBNews サイトの中の
【「メルトスルー」の可能性、政府がIAEAに報告へ】
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2804756/7311077
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の「NHKと原発 3」
の参考記事にさせていただきました。
「メルトスルー」の可能性、政府がIAEAに報告へ
2011年06月07日 20:02
東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所、2号機原子炉建屋の壁面や屋根に飛散防止剤を散布する作業員(2011年6月1日撮影)。(c)AFP/TEPCO
【6月7日 AFP】読売新聞(Yomiuri Shimbun)は7日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故で、1~3号機の原子炉内の核燃料が溶融し、原子炉圧力容器の底を破った可能性があると、政府が国際原子力機関(IAEA)に報告すると伝えた。
事故発生から間もなく3か月となるなか、日本政府は月内にIAEAに提出する報告書の準備を進めている。
読売新聞によると日本政府は報告書の中で、1~3号機の燃料がメルトダウン(炉心溶融)した上で圧力容器の底を破って格納容器に達するメルトスルー(原子炉貫通)という現象を起こしたとの見解を示すとみられる。政府はこれまでメルトスルーの可能性を公式には認めていなかった。
また報告書では、原子力安全・保安院(NISA)を経済産業省から独立させるなど、日本の原子力をめぐる安全体制を抜本的に見直す方針が示されているという。(c)AFP/Hiroshi Hiyama
引用ここまで
原文は、AFP BBNews サイトの中の
【「メルトスルー」の可能性、政府がIAEAに報告へ】
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2804756/7311077
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の「NHKと原発 3」
の参考記事にさせていただきました。
「震災報道」めぐり議論
引用ここから
「震災報道」めぐり議論
写真
日韓中テレビ制作者フォーラム
第11回「日韓中テレビ制作者フォーラム」で開かれたシンポジウム「震災 テレビはどう伝えたか」(23日、北海道大学で)
日本と韓国、中国のテレビ制作者が集う国際フォーラムが22〜25日、札幌市で開催された。「地域と暮らし」をテーマにした11回目の今回は、テレビの東日本大震災報道をめぐる二つのシンポジウムが注目された。(編集委員 鈴木嘉一)
日本の「放送人の会」、韓国放送PD連合会、中国電視芸術家協会などが主催するこのフォーラムは毎年、3か国の持ち回りで開かれる。100人以上が参加した開会式で、今野勉・放送人の会代表幹事は「東日本大震災による大津波と原発事故のため、地域の暮らしは根こそぎ破壊された。大災害に対し何をすべきか、何ができるのかを率直に議論しよう」と呼びかけた。
「震災 テレビはどう伝えたか」と題した23日のシンポでは、NHKの鎌田靖解説委員が「阪神大震災を神戸で体験して以来、防災を自分のテーマにしてきたが、あの大津波には何の役にも立たず、無力感に襲われた。一人でも多くの命を救いたかった。今後も被災者に寄り添いながら、震災報道に当たりたい」と語った。
津波については、たまたま現場に居合わせた民放記者の映像が紹介され、「取材か、人命救助か」という根源的な問題も提起された。
原発事故に対し、TBSの金平茂紀・「報道特集」キャスターは「今も現在進行形なのを忘れてはいけない。政府は情報を開示せず、隠す場合もあるのに、発表依存型の報道に陥っていなかったか。内容をチェックし、真実を暴くのが僕らの役割」と強調した。
韓国放送PD連合会の黄大■会長は「報道機関は国家から自立していなければいけない」と賛同したが、メディア事情が異なる中国側のパネリストは沈黙した。
今回の震災では、被災地の住民たちが自らビデオカメラや携帯電話で記録し、インターネットなどで発信する点が新しかった。北海道で避難生活を送る福島県の女性は客席から、「政府とマスコミの情報に翻弄され、ネットを頼りにしている。『不安をあおり、パニックを招くから』と抑制せず、事実を正確に報道してほしい」と注文した。
北海道大学東アジアメディア研究センターが主催した25日の「東アジアとメディアの新たな可能性」は、大震災が海外でどう報じられたかをテーマに据えた。
中国では、中央電視台の四つのチャンネルが震災報道に取り組んだ。NHKのライブ映像を利用し、国外の災害を完全生放送するのは初めてだ。原発事故が中国や国際経済に与える影響などを詳報し、「責任ある大国イメージを打ち出した」という女性局員の発言が印象的だった。
韓日の公共放送の震災報道を比較した金春植・韓国外国語大学教授は「韓国のKBSは、視聴者の興味を引く刺激的表現が目立ち、未確認情報も流した。NHKは確認された情報に基づいていたものの、取材源は政府機関が多かった」と総括する。
北大の同センターは、日韓中と台湾で視聴者への意識調査を実施した。北見幸一准教授は「今回の震災でテレビは重要な役割を果たした。ネットを情報源として利用する人も多いが、世代によって違う。東アジアでは、日本全体が被災したと受け止められ、中でも韓国は最も厳しい見方をしている」と報告した。
北海道でも震災後、アジアからの観光客が激減した。二つのシンポを通して、過剰な不安や誤解を招きかねない報道による国際的な風評被害の問題も浮かび上がった。これをどう克服するかが、課題として残った。(■=土へんに俊の右側)
(2011年9月28日 読売新聞)
引用ここまで
原文は、読売新聞 ニュースサイトの中の
【「震災報道」めぐり議論】
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/tnews/20110928-OYT8T00780.htm
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の「NHKと原発 3」
の参考記事にさせていただきました。
「震災報道」めぐり議論
写真
日韓中テレビ制作者フォーラム
第11回「日韓中テレビ制作者フォーラム」で開かれたシンポジウム「震災 テレビはどう伝えたか」(23日、北海道大学で)
日本と韓国、中国のテレビ制作者が集う国際フォーラムが22〜25日、札幌市で開催された。「地域と暮らし」をテーマにした11回目の今回は、テレビの東日本大震災報道をめぐる二つのシンポジウムが注目された。(編集委員 鈴木嘉一)
日本の「放送人の会」、韓国放送PD連合会、中国電視芸術家協会などが主催するこのフォーラムは毎年、3か国の持ち回りで開かれる。100人以上が参加した開会式で、今野勉・放送人の会代表幹事は「東日本大震災による大津波と原発事故のため、地域の暮らしは根こそぎ破壊された。大災害に対し何をすべきか、何ができるのかを率直に議論しよう」と呼びかけた。
「震災 テレビはどう伝えたか」と題した23日のシンポでは、NHKの鎌田靖解説委員が「阪神大震災を神戸で体験して以来、防災を自分のテーマにしてきたが、あの大津波には何の役にも立たず、無力感に襲われた。一人でも多くの命を救いたかった。今後も被災者に寄り添いながら、震災報道に当たりたい」と語った。
津波については、たまたま現場に居合わせた民放記者の映像が紹介され、「取材か、人命救助か」という根源的な問題も提起された。
原発事故に対し、TBSの金平茂紀・「報道特集」キャスターは「今も現在進行形なのを忘れてはいけない。政府は情報を開示せず、隠す場合もあるのに、発表依存型の報道に陥っていなかったか。内容をチェックし、真実を暴くのが僕らの役割」と強調した。
韓国放送PD連合会の黄大■会長は「報道機関は国家から自立していなければいけない」と賛同したが、メディア事情が異なる中国側のパネリストは沈黙した。
今回の震災では、被災地の住民たちが自らビデオカメラや携帯電話で記録し、インターネットなどで発信する点が新しかった。北海道で避難生活を送る福島県の女性は客席から、「政府とマスコミの情報に翻弄され、ネットを頼りにしている。『不安をあおり、パニックを招くから』と抑制せず、事実を正確に報道してほしい」と注文した。
北海道大学東アジアメディア研究センターが主催した25日の「東アジアとメディアの新たな可能性」は、大震災が海外でどう報じられたかをテーマに据えた。
中国では、中央電視台の四つのチャンネルが震災報道に取り組んだ。NHKのライブ映像を利用し、国外の災害を完全生放送するのは初めてだ。原発事故が中国や国際経済に与える影響などを詳報し、「責任ある大国イメージを打ち出した」という女性局員の発言が印象的だった。
韓日の公共放送の震災報道を比較した金春植・韓国外国語大学教授は「韓国のKBSは、視聴者の興味を引く刺激的表現が目立ち、未確認情報も流した。NHKは確認された情報に基づいていたものの、取材源は政府機関が多かった」と総括する。
北大の同センターは、日韓中と台湾で視聴者への意識調査を実施した。北見幸一准教授は「今回の震災でテレビは重要な役割を果たした。ネットを情報源として利用する人も多いが、世代によって違う。東アジアでは、日本全体が被災したと受け止められ、中でも韓国は最も厳しい見方をしている」と報告した。
北海道でも震災後、アジアからの観光客が激減した。二つのシンポを通して、過剰な不安や誤解を招きかねない報道による国際的な風評被害の問題も浮かび上がった。これをどう克服するかが、課題として残った。(■=土へんに俊の右側)
(2011年9月28日 読売新聞)
引用ここまで
原文は、読売新聞 ニュースサイトの中の
【「震災報道」めぐり議論】
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/tnews/20110928-OYT8T00780.htm
です。
アクセスが急増したり万一記事削除されて読めなくなったときのため、ここにコピペ保存しています。
『ひなげし陽気』の中の「NHKと原発 3」
の参考記事にさせていただきました。
登録:
投稿 (Atom)